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coldmountainstudy 1月の本箱。

今年も毎月のピックアップを書いていこうと思います。

何故か毎年1月は”いつにない”感じの本が多い。年が変わって今年こそ苦手分野を・・・の思いが強いのかビジネスやら民主主義、資本主義なんて普段あまり自分にはない言葉が並びます。

【目次】
『古本大全』について

第一章 古本屋と古本のお作法
買った本、全部読むんですか?
古書店の作法指南
古本道への入口
古書価はどこに書かれているか
古本はねぎるな!
本を売るのに王道なし
美本VS補修
パラフィン紙と至福の時間
古本屋のBGM
ベストセラー狂躁曲
十年前の本は古いが、三十年たてば新しい
背の汚い本こそ見逃すな
視力がよくなる?
タイムカプセルとしての古本
奥付に感じる体温――「検印」小考
本以外にも売っているもの
「そいなみ本」とは何か
古本屋で売られている個人のアルバム
古本世界を女性の目線が変える――女子の古本屋のこと

第二章 古本ワンダーランド
トウキョウのブローティガン釣り
ぼくたちにはこの大きさが必要なんだ
植草甚一が教えてくれた
三冊の『ボッコちゃん』
三冊の獅子文六『胡椒息子』
木山捷平『軽石』体験ツアー
「脱力系」文芸の系譜
上林暁『聖ヨハネ病院にて』文学散歩
熊本上林町の上林暁
ジャズ喫茶のマスターとしての村上春樹
意外な人が古本好き
ムッシュに会った!
黄色い『黄色い本』
出版社の名はみな要書房
古本屋の棚から見た新書あれこれ
異色かつ先駆的な“紀伊國屋新書”について
古本屋で大人気の絶版本“春陽文庫”が売れる理由
沈んだ「太陽」
古本タイトル小考
開けてビックリ
歴史は犬で作られる
どこで本を読むのか?
銭湯と古本屋

第三章 古本と私――大阪・京都・東京
均一小僧
古雑誌という砂糖の山
古本屋は道場だ
初めて買った文庫
父の死と庄野潤三
新聞部のころ
一万冊の上京
東京で仕事探し
家の中の古本屋
京都青春古本地図
古本は中央線に乗って
ふるほん人生双六

第四章 愛書狂――二〇〇八から二〇二三年の本の話

第五章 古本屋見聞録
私の古本屋体験記
古本屋という職業
店主とのお喋りはやめられない
自宅で古本屋
古本にしかない魅力
古本屋とコロナ
古本屋とコロナ その後

これは本屋的には外せない一冊ですね。迷いなく。
順番飛ばして早く読むことになるでしょう。

ニューヨーク・タイムズ「完璧な宝石のように美しく切り出された回想録」
ワシントン・ポスト「深く美しい本」
パブリッシャーズ・ウィークリー「静かに胸を打つ」

君がまだ3歳か4歳だった頃、君と地面はもっと近かった。君の父親がついた小さな嘘。母親が打った特大のホームラン。心揺さぶられた映画。性の目覚め。学生運動。パリでの暮らし。妻との出会い。外見はまるで変わっても、君はまだかつての君なのだ――。人生の冬にさしかかった著者が、身体と精神の古層を掘り起こし、自らに、あるいは読者に語りかけるように綴った、温かで幻想的な回想録。

本文より
いま語れ、手遅れにならないうちに。そして期待しよう、もう語るべきことがなくなるまで語りつづけられるようにと。何といっても時間は終わりに近づいている。もしかしたらここは、いつもの物語は脇へ置いて、生きていたことを思い出せる最初の日からいまこの日まで、この肉体の中で生きるのがどんな感じだったか、吟味してみるのも悪くないんじゃないか。五感から得たデータのカタログ。呼吸の現象学、と言ってもいいかもしれない。

久々のオースター。読みたかった2冊の合本、しかも文庫化。ありがたいありがたい。


郷土料理って、おもしろい! 「食」のロングライフデザインの活動の場として、2012年にスタートした渋谷「d47食堂」。 メイン料理は、地域の食文化を丸ごといただける都道府県別の定食です。定食づくりでは、まずディレクターとスタッフが現地を旅することから。 この旅する定食屋「d47食堂」の立ち上げからの10年と郷土料理の可能性を、ディレクター・相馬夕輝が書き下ろしました。 ●別冊付録: スタッフにも人気の7つの郷土料理をご家庭でつくれる、別冊レシピブック(総36ページ)付き。 ●特別封入: 各地のD&DEPARTMENTのお店(*)でのご飲食時に使える「コーヒー or オリジナルクッキー チケット」付き。 2024年1月時点のご利用可能店舗 東京・d47食堂 富山・D&DEPARTMENT DINING TOYAMA 三重・D&DEPARTMENT MIE by VISON 京都・d食堂 京都 ●内容 その土地の風土も文化も丸ごと味わう郷土料理には、 地域の「らしさ」を未来に伝える力がある。 1章 d47食堂を形づくるもの 店としてどういう気づきや考えに出会い、自分たちらしさを見つけてきたのか。「接客マニュアルはつくらない」と決めた理由など、「d47食堂」が今の形になるまでの成長の日々。 2章 郷土料理っておもしろい 各地を取材する旅の日々で得た郷土料理の醍醐味、食文化の面白さをジャンル別に紹介。実際の取材の様子や雰囲気を、たくさんの写真とともにお伝えします。 3章 グッドコミュニティ- 誰と一緒に生きていくか - 各地でがんばる仲間(先輩)から学んだ大切なこと。無添加、無農薬、手づくりなどのキーワードを鵜呑みにせず、本当に会って話を聞いて現場を歩き、関わりつづけたいと思った理由。

これは読了済み。d&departmentとしての”食”に対しての思い伝わるいい一冊。付属のレシピブックもとてもよいです。

「少ないほうが豊か」である!
「アニミズム対二元論」というかつてない視点で文明を読み解き、成長を必要としない次なる社会を描く希望の書!

ケイト・ラワース(『ドーナツ経済学が世界を救う』著者)、ダニー・ドーリング(『Slowdown 減速する素晴らしき世界』著者)ほか、世界の知識人が大絶賛!

デカルトの二元論は「人間」と「自然」を分離した。
そして資本主義により、自然や身体は「外部化」され、「ニーズ」や「欲求」が人為的に創出されるようになった。
資本主義の成長志向のシステムは、人間のニーズを満たすのではなく、「満たさないようにすること」が目的なのだ。
それでは、人類や地球に不幸と破滅をもたらさない、「成長に依存しない次なるシステム」とは何か?
経済人類学者が描く、かつてない文明論と未来論。

本書が語るのは破滅ではない。語りたいのは希望だ。
どうすれば、支配と採取を軸とする経済から生物界との互恵に根差した経済へ移行できるかを語ろう。
(「はじめに 人新世と資本主義」より)

どちらかというと自分好みの方向性・・・に考えを深めるための一冊。うっすらそう考えている人は多い・・・と思いきや自分の周りだけで、やはり成長志向の方って多いんですよね。

★あなたの日常に潜む「選択と行動」の科学とは?
★世界絶賛のベストセラーがついに上陸!
★興味深い事例と豊富な研究から学ぶ、行動経済学入門

・スーパーが「野菜売り場」からはじまるのは、〇〇をさせるため?
・相手に「〇〇」と言われるだけで「お願い」を受け入れやすくなる?
・期限までに目標達成したいときは、〇〇のスケジュール帳を使うべき?

「論理」よりも「情熱」よりも、「認知バイアス」によって私たちは動かされる。
認知バイアスに関する研究が進むにつれ、人間が生得的に持っているこの心理的な傾向をビジネスや公共分野に活かそうとする動きがますます活発になっている。
認知バイアスについて理解を深めることは、様々なリスクから自分の身を守るためにも、うまく相手を動かして目的を達成するためにも、非常に重要だ。
本書では、私たちの生活を取り囲む様々な認知バイアスについて豊富な事例と科学的知見を紹介しながら、有益なアドバイスを提供する。

これも普段は選ばないなぁ・・・な一冊。自分に活きるところがあれば、と。なんとなく。

モラルなき現代に正義・愛・自由を問う、新しい倫理学!

社会も、経済も、政治も、科学も、倫理なしには成り立たない。
倫理がなければ、生きることすら難しい。
人生の局面で判断を間違わないために、正義と、愛と、自由の原理を押さえ、自分なりの生き方の原則を作る!
道徳的混乱に満ちた現代で、人生を炎上させずにエンジョイする、〈使える〉倫理学入門。

* * * *
科学はみんなが学ばなくても、科学者が研究してくれれば、それで進歩します。
でも、倫理は違います。
というのは、倫理に関する知識は放っておいてはちゃんと働かないからです。
そして、倫理がなければ、我々は生きることも難しくなる。
だから、一人ひとりが倫理について考えた方がよいのです。
倫理っていうのは、他人事じゃなくて、自分自身の人生の問題だからです。
――「まえがき」より

これは前から気になっていた本。反動、ですかね。「犀の教室」は面白い本が多いし信頼感もあった。安心するための一冊。

最後の2冊は少し縁があって。
2021年の年末に軽井沢でお逢いした2人の本。

まずはそのまま、著者さんです。

「正解が一つではない問いに、自分なりの答えを出す方法、それが読書である。」
立命館アジア太平洋大学(APU)学長 出口治明推薦!

答えのない時代だからこそ、人生の灯火として「読書」をするべきである! 『読書大全』の著者だから知っている、精神的支柱をつくり、教養を血肉に変える「読書の方法」とは?

読書を通じてあなたがあなた自身についての理解を深めることは、あなたの人間全体についての理解が深まることでもあります。そしてそれは、あなたの生き方や他者との交じわり方に大きな影響を与えることになるはずです。(おわりにより)

引用にもあるように堀内さんには「読書大全」という超大作があるのですがこれはハードルが高い。そこで読み慣れている”読書論”のジャンルから・・・というわけです。

最後はお会いした方が運営する「あさま社」からの一冊。


「教育の役割とは何か?」
「学校は何のためにあるか?」


学校改革の旗手と教育の本質を問い続けてきた哲学者・教育学者が教育の本質を徹底議論! 究極の目的は「民主主義」教育だった。

ーー「多数決で決めよう」のどこに問題があるか、わかりますか?

「誰一人置き去りにしない」を教えるはずの教室で平然と少数派を切り捨て、一度決めたことには従え! と「従順な子」をつくる教育がおこなわれている。
未来の社会をつくる子どもたちに本当に伝えるべきことは、対立を乗り越え、合意形成に至るプロセスを経験させることではないか。学校で起きるトラブルこそが絶好の学び場であるはず……

本書は、子どもたちの「対話の力」を重視し、学校で民主的な力をいかに育むかを提案する実践的教育書だ。

民主主義の考え方を広めていくことで、当事者意識が低い「日本社会」をアップデートする、著者二人のつよい覚悟を持って書かれた。

いじめ、理不尽な校則、不登校、体罰、心の教育、多数者の専制、学級王国・・・いまの学校が抱える大問題を分析しながら何ができるか、どこから変えていけるか、哲学と実践を見事につなぐ画期的1冊。

現場で奮闘する教育関係者・保護者、必読!

前から読もうかどうか迷っていた1冊。自分も親ですしね。思い切って。刊行第二弾の「じぶん時間を生きる」は既に自分が通過してきた場所についての記述が多そうだったのでこちらを、というのもあります。

ジツはこのほかにも普段は読まないビジネス・税金関係の本なんかも3冊ほど。全くどうしたのでしょう。

”らしくない”気分にさせてくれるのも正月の特性なんですかね。

今年もよろしく、お付き合いのほどを・・・。


※リンクがamazonなのはamazonで買って欲しいということでは決してなく、単に見やすい・調べやすい・・・ということです。誤解なきよう。


http://www.coldmountainstudy.com/
coldmountainstudy@gmail.com 

coldmountainstudy  店主:鳥越将路



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