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coldmountainstudy 10月の本箱。

先月の買い残しやら予定なかった「おっ!」で結局たくさんの今月のピックアップです。
ちなみに現時点で大分来月にまわってもらってます。苦しくも幸福。まんじゅうこわい。

ではでは。

足元の自然に目を向けること。
地球の声にじっと耳を澄ますこと。
子どもたちと遊び、学んだ4年間の記録。

2020年春。未知のウイルスの拡大と、地球規模の気候変動を前に、あたりまえの日常は失われつつあった。独立研究者として全国を飛び回っていた著者は、京都の自宅で幼い息子たちと菜園作りを始める。裏庭の草花や生き物との交流。子どもたちとの他愛ない会話。その生活は、感動と発見に満ちていた! 先の見えないこの時代を、いかに生きるべきか。模索し続けた4年間を綴ったドキュメント・エッセイ。

恥ずかしながら未読だった森田さん。軽井沢の書店を訪れた際に目に飛び込んできてリアクションバイト。テーマも好きそうな感じだったし、ボクはしつこく疫病騒ぎについてまだ考えてもいるし。

著者は物心ついたときから川魚を釣って遊んでいた根っからの釣り人であり、東大大学院を経て現在は公立の教育大学で生物学を教えています。本書は科学者にしてトラウトフィッシング・アングラーでもある著者が、その両方の視点から、トラウトフィッシングに欠かせない有益な鱒の生態と、それらを背景とした釣りの考察を解説。「本流ヤマメのバイオテレメントリー」「夏ヤマメのホルモンバランス」「サクラマスと本流ヤマメ」「サクラマスは遡河後に摂餌を行なうか」等、興味深い章タイトルが目白押し。また連載中に読者から寄せられた「生態学の観点からアドバイスしてほしい釣りの相談事」への答えも漏れなく収載。サクラマスをはじめ、ヤマメやイワナ釣りのアングラーには大変読み応えのある内容です。本書はトラウトルアーフィッシング専門誌『鱒の森』の好評長期連載「アングラーのための生態学教室。−棟方トラウトゼミナール&釣りが上手くなる生態学Q&A。」を書籍化したものです。連載全体を加筆・修正し、新たにサクラマスの生態等の書下ろし原稿も収載しました。

唯一購読を続けている釣り雑誌の連載をまとめたもの。ひょっとしたら雑誌中一番好きなコーナーがまとまった・・・バックナンバーを繰らなくて済む・・・買わないはずがない。永年の愛読書候補。

さて、今日は何をしようかな!
「テスト勉強」で段取りを覚えると、人生が楽しくなる!
学校では教えてくれない、世界が変わる魔法の「時間割り」の組み立て方。

13歳の中学生、アオちゃんから出たSOS「テスト勉強のやり方がちょっとわからない…」
という言葉を受けたお父さんが、「テスト勉強の極意」を皆に伝える。
塾にも行かず、勉強時間を大幅に増やすこともなく、テストで点を取ることなどできるのだろうか。
果たしてその極意とは「段取り」にあった。
「テスト勉強のスケジュール表」を作って、日課をこなしたアオちゃんは
その後、五教科の合計点数が自己ベストを更新。

勉強のための勉強ではなく、生きるための勉強を多角的に伝える、著者初の「参考書」!
おとなが読んだらもう遅い…⁉ もう一つの「勉強の哲学」。

息子が中学生で野球に集中するためどう効率よく勉強をするかを考えるため、と言ったら言い過ぎですが実際坂口さんがどう”テスト”なる問題に向き合うか?はとても愉しみですよね。

稼ぐためではなく、風景や知恵や種を、受け継ぐために。
地元(愛媛)では農、東京では作家。
チームで畑をして、ときにバンド活動も。
模索した、新しい農のかたち。
農業にかぎらず、あらゆる分野で継承の問題に奮闘する方たちへ贈る一冊。

――本文より――

その人の人生の一部に土があるということ。それは農業うんぬんの前に、生きることや生命のルーツを知ることにもなると思う。自分の食べるものを自分で採取するという行為は、あまりにも現代人の生活に欠けていて、それなのにあまりにも生物の根本だった。

畑は、本当は世界で一番豊かな作業場だ。忘れがちだけど、宇宙にいつも触れることができるのだから。さまざまに五感を刺激され、それを音楽とか詩に昇華し、畑帰りに曲を作り歌う日もある。

私たちのように職は別に持ち、自給自足+αを目指して活動する農家が、もっといてもいいはずだ。そして、やれなくないよ、とここに記したい。

前から好きな元・チャットモンチー”くみこん”のエッセイ。地元と”今”を行き来する彼女の感性はとても好き。

内臓にある味覚細胞、健康な土、身体に良い脂肪・悪い脂肪から、コンビニ食の下に隠された飢餓まで、土にいのちを、作物に栄養を取り戻し、食べものと身体の見方が変わる本。

前著に続き、目からうろこが落ちる記述が満載!
◎相乗的に作用しあうファイトケミカル、ミネラル、脂肪。
◎植物は、体外に胃袋を持つ。
外部の胃袋としての根圏マイクロバイオームによって、体外で消化を行うのだ。
◎非菌根型菌類は有機物を分解し、植物が吸収できる形で栄養を放出する。
◎育種のベクトルを、収量から菌根菌、細菌との協力関係にシフトさせる。
◎農業政策は、公衆衛生と医療の重要な一分野。

土・・・シリーズのモンゴメリー、どれかは読まなきゃ、と思っていたところテーマ的に自分にはこれが決定版か?というのが本書。
まずはこれを読み、モンゴメリーに向き合い今後を決めます。

ヒグラシ文庫定番ポテトサラダや正統レモンサワーの作り方をはじめ、著者が思い出の酒場や小説からインスピレーションを得たオリジナルレシピとエッセイを掲載。

「檀一雄と江原恵から教わったことは、権威に頼らなくとも、料理本なんかに書いてある通りに作らなくても、それはそれなりに旨いよ、自分が食べるものは、それでいいんだ、ということであった。」とあるように、職人修行をせずも根強いファンを持つ中原氏の作り上げる味の所以と、そのセンスがどのように育まれたかのヒントを記す1冊です。

本書付属の投げ込みチラシには、瀬尾幸子さん、遠藤哲夫さん、大竹聡さん、南陀楼綾繁さん、鈴木常吉さん、牧野伊三夫さんら、「食」と「酒場文化」のスペシャリストが本書に寄せて綴ったヒグラシ文庫と中原氏の味にまつわるエッセイを収録。

レシピの写真は、先般、神奈川県三浦市を舞台にした初めての写真集「南端」を刊行したばかり、新進気鋭の写真家・有高唯之氏が担当しました。

先日訪れたアツマルセンター立科で購入。酒呑み文学がそろそろ欲しかった。

地図研究家・今尾恵介さんが、長野県各地の地形図や古地図、絵地図など、自身が所有する膨大な各種の新旧地図のコレクションを駆使し、地域の盛衰の歴史や地形の特徴、土地利用の変化などを掘り下げる「地理読み物」の続編(前作は2022年9月刊)。今作では北は栄村、小谷村から南は泰阜村、根羽村までの「地図上をフィールド」にして、その時々の「地域の肖像」とも言える地図から読み取れる鉄道や道路のルート、山岳観光、溜め池やダムなどの土地利用、市町村合併と境界線、災害や地名などテーマにした25編を収録します。一部の地図は巻頭カラーでも収録。信濃毎日新聞の膨大な保存写真による貴重な写真も多数盛り込みました。
【収録内容】堺村から「栄村」へ―新潟県との境界/野沢温泉―「温泉」名乗る全国唯一の村/北信濃の城下町―県内人口最少の市・飯山/製糸の町・須坂と村山橋/悲運の鉄道―善光寺白馬電鉄/篠ノ井―今はなき更級郡の中心地/町名が「中央」ばかりになった上田市街/和田峠―中山道の最高地点/御牧ヶ原―溜め池が点在する台地/「中軽井沢」になった沓掛宿/佐久市―4町村が合併した「多核都市」/昭和30年代に誕生―佐久穂町域の佐久市飛び地/崩壊地を貫く大糸線と国道148号―小谷村/信濃大町と大糸線/黒部ダムと立山黒部アルペンルート/塩尻―中世から続く交通と物流の要衝/野麦峠の要衝「奈川渡」と梓川のダム/木曽の桟と寝覚の床/茅野駅から分岐した諏訪鉄山専用側線/伊那電車軌道―長野県で初の路面電車/駒ヶ根市と「赤穂」の地名/「下山ダッシュ」と飯田市街地/未完成に終わった国鉄中津川線/“トンネル王”飯田線の最密集地域―泰阜村/三州街道の要衝―長野県の最南端・根羽村

いや、前作もマニアックですが今回は輪をかけて!佐久市飛び地!気になり過ぎ!

加藤ジャンプさん(文筆家・コの字酒場探検家)推薦!

「酒場はいいなあ……『酒場の君』を読んだらしみじみと思いました。すこし困ったのは読んだらすぐに呑みに行きたくてそわそわしてしまうこと。されど、そのそわそわもまた、実に心地よい、いや、心地酔いのです」


「私はこの夜をきちんと覚えておこうと思った」

横浜、野毛、鶴見、川崎、西荻窪、渋谷、武蔵小杉、湯島、早稲田、そして長野、名古屋、京都━━。忘れえぬ酒場の思い出。

私家版ながら大きな話題を呼んだ『酒場の君』が書き下ろしを加えてついに書籍化! 文筆家・武塙麻衣子待望のデビュー単行本。


「この世の中に存在する「酒場」は数知れない。本を読んでも読んでも決して読み尽くせないのと同じように、毎日どんなに食べ歩いたとしてもすべての店を訪れ尽くすことは到底出来ない。でもだから楽しいのだと思っている。私には私だけの酒場白地図というものが頭の中にあり、好きなお店や何度も行きたいお店、行ってみたいお店などを日々その地図に少しずつ書き込んでいく。その作業が楽しい」(「はじめに」より)


【本文より】
酒場で一番大切なことはその場所に馴染みきることだと私は思っていて、目立たず邪魔せずもとからその場所にあったみたいな(大きな古い時計とかどこかの電気会社のカレンダーとか)そういう物になれはしないかと、私はいつももぞもぞ変な動きをしてしまう。

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隣に来たお姉さんたちに「美味しそうに食べるねぇ」と声をかけられ、「えへへ、どうも」と乾杯する。美味しそうに食べるというのは別に私の特技でもなんでもなく、ただただ口の中の食べ物が素晴らしいというだけなのだけど、私はそれをまるで自分の手柄か何かのように「だって美味しいですからね」とつい胸を張ってしまうのだ。
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この季節にはこの店のこの料理を食べたい、というのはとても贅沢な願いだなぁと思う。また来年も美味しいですねぇとたくさん言える日々でありますように。「ご馳走様でした」と外に出ると、雨がやんでいた。

これも酒吞み文学を探していた時に流れてきて・・・まだ見ぬ強豪の予感。

映画「リバー・ランズ・スルー・イット」でブラット・ピットが演じたポールが現実世界で殺されたのは、モンタナではなくシカゴの路上だった。世界的ベストセラーとなった原作『マクリーンの川』は当初ニューヨークの大手出版社から出版を断られ、ピューリッツァー賞の候補となりながらも受賞できなかった。なぜだったのか? そもそも「イット」とは何を指しているのか? 原作の発表直後にオファーがありながら、なぜ映画化が遅れたのか? などの疑問を、ノーマン・マクリーンの息子で、シカゴ・トリビューン紙の記者だった著者が明らかにする。『マクリーンの川』の読者、そして映画「リバー・ランズ・スルー・イット」のファンにとって、もっともショッキングかつ印象的だったのはノーマンの弟ポールの死だろう。映画ではブラット・ピットが演じて、一躍スターダムにのし上がった役柄だが、現実のポールも相当ハンサムな男だったらしい。働いていたシカゴ大学では、(そう、じつはモンタナで殺されたというのはフィクションで、現実はノーマンの導きでシカゴに移って働いていた)、ランチタイムになるとポールを一目見たいという女子職員が大学の通路で待ち伏せしていたという。そして本書では、その後ポールがたどった運命が詳しく語られている。

我々世代の釣り好きは大概注目の一冊ではないでしょうか?しかし世間に登場する機会は少ない・・・そんな本を掘り出して送り出すのも我々”本ヤ”の仕事かと。

『現代詩手帖』好評対談連載がパワーアップして帰ってきた。近代の名詩から最先端の新鋭詩、歌詞、サブカルのコトバまで取り上げ、詩とポエム150年の魅力を全方位的に読み解く絶好のガイドブック。語り下ろし「100年後の詩に向けて」、資料「カッコいい詩集100選」「ヘンアイ詩集1ダース」などを収録。

詩作という表現方法については前から興味あれど、今回この本を選んだのは確実に友人である詩人・石田諒くんの第一詩集発刊を受けて。

茎と葉と わずかに華奢な花
かたわらに女ふたりの立ち姿
ひそひそ話の声がする
たしかに見える、草むらのたくらみ、畳のおもねり。
たしかに伝わる、こぶしくらいのかたいくやしさ。

詩のねばりづよい息継ぎが、生の足場を大きく広げる。―杉本真維子

人生の起伏あるドラマの末に差し出される第1詩集。装幀=二月空

もとより詩という表現方法に興味があったところに身近に詩人の登場。
近いうちにウチのお店を使って詩人を招き、イベントをするつもりでいます。
もちろん自分のためにも。

本を読むよりも買うスピードが上回ったまさにその瞬間から「積ん読」は始まる。部屋の片隅に、1冊、また1冊と積み上げられる「積ん読」の山を見て、人は焦り、罪の意識を覚え、自嘲するのだ。

そもそも「積ん読」とはなにか。その言葉の歴史は意外にも古く、明治時代にまで遡る。100年以上に渡って受け継がれてきた日本の読書家たちの「伝統芸」は、今や「TSUNDOKU」として世界の共通語ともなった。

そんな「積ん読」の本質に迫るべく、ブックレビュアーの石井千湖が、斯界の本読み12人の「積ん読」事情を探るインタビュー取材を敢行。ある者は「積ん読」こそが出版界を救うものだと熱く語り、またある者は「積ん読」にこそ書物の真の価値があるのだと断言する。

写真に収められた圧巻の「積ん読」の山と、「積ん読」を語るその言葉を一読いただき、読書家諸氏におかれては、ほっとするなり、笑うなり、共感するなり、感心するなり、呆れるなりしていただきたい。


飯間浩明(辞書編纂者)
池澤春菜(作家、声優)
小川公代(英文学者)
小川哲(作家)
角田光代(作家)
柴崎友香(作家)
しまおまほ(マンガ家、イラストレーター)
管啓次郎(翻訳家、詩人)
辻山良雄(Title店主)
マライ・メントライン(ドイツ人)
柳下毅一郎(特殊翻訳家、映画評論家)
山本貴光(文筆家、ゲーム作家)

最近多いですよね、積読本。
自分ももちろん例に漏れず・・・こんだけの冊数入手して全てすぐに読むのは無理です。多くは積まれていくわけです。
そこにどんな意義(言い訳)を持ってくるか?
本ヤ必読。

人口減時代、心豊かに生きる知恵は島(シマ)にあり。シマ思考とは「人々が支え合うコミュニティ」を中心に据える、しなやかな思考。日本の離島から、あなたのシマを豊かにかえる事例や金言をお届けします。

要するにここ、わが寒村も感覚的には”シマ”に近いと思うんですよ。確認の意味も込めて、学びも見つかれば。

来月もこんな感じで雑多にアチコチ飛び回る選書になると思われます。

個人的に一番読書の進む年末年始に向け、より一層。


※リンクがamazonなのはamazonで買って欲しいということでは決してなく、単に見やすい・調べやすい・・・ということです。誤解なきよう。


http://www.coldmountainstudy.com/
coldmountainstudy@gmail.com 


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