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coldmountainstudy 8月の本箱。

今月もほとんどの本を書店を実際訪れ、確かめつつ買う・・・という贅沢を味わいました。

書店を巡る時間のある毎日が、やはりいいです。

坂城~上田ツアーの時購入した本と、長野ツアーの時購入した本の2種に大きく分かれます。

坂城~上田ツアー。

長野ツアー。

ではさっそく。

失敗したっていいじゃない。たかが一回の食事だもん。明日になったらまた作ろう――。料理が苦手と思い込まされてきた女性たちが見つけた、「自分らしい作り方、食べ方」

勤務先からリストラされたのをきっかけに、憧れの名門料理学校に通い始め、38歳で卒業した著者は、ふとしたきっかけから女性たちに料理を教えることになった。自分らしい料理との付き合い方がわからず、自信が持てなかった年齢も職業もバラバラな10人とともに笑い、一緒に泣き、野菜を刻み、丸鶏を捌いていたら、彼女たちの人生が変わり始めた! 買いすぎず、たくさん作り、捨てないしあわせが見つかる、一冊で何度も美味しい料理ドキュメンタリー!

以前読んだことはあるのですが手元になく、文庫化されたので購入。
これ、面白いんです。
記事を書かせていただいているフリーペーパーで三浦哲哉さんの「自炊者になるための26週」を紹介して改めて思ったのですが、料理に対する接し方って確実に人間を変えますよね。本書もそのきっかけになりうる一冊。
(坂城・王様屋で購入。)

いつまでも迷子であり続ける人のための手帳です。これ一冊あれば、貴方もきっと迷子になれる。
「いつもインコを肩にのせている神秘的な少年」になろう、と考えたのだ。ぎゃー。何なんだ、それ。よせ。やめろ。でも、夢見る私はもう止まらない。ピーコちゃんを肩にのせて、おそるおそる玄関のドアを開けてみた。(本書より)
「北海道新聞」好評連載ほか、人気歌人の最新エッセイ全57篇。

ジツは穂村弘さんの分をほとんど読んだことがなくって。ジュンク堂の対談のイベントの告知で紹介されていて、気になって購入。パラ読みしたら迷子になる感覚とか、とてもよくて。(佐久のまちの書店で購入。)

母娘のリアルな日常と、心をほぐすレシピ集。

受験を控え塾に通う思春期娘と母は、仲良く話していたと思ったら次の瞬間突然バトル勃発がごく日常。文筆家・料理家の著者が、親子のリアルな日常と想いを「塾前ごはん/塾前じゃないごはん」のレシピとともに綴る。

む、これはご本人のSNSで展開されているヤツだな・・・と思いつつ何よりそのレシピは美味そうだし、エピソードは面白いし、著者は日本でも数少ない「ポルトガル料理研究家」さん。
応援の意味も込めまくって。
(この一冊のみ通販購入。)

『家事か地獄か』(稲垣えみ子)✖️『年収90万円で東京ハッピーライフ』(大原扁理)の最強タッグに学ぶ、シンのFIREへの道--。>

「フツーに方丈記」が個人的ヒットだった大原さんと、ほとんど読んだことがない稲垣さんの対談。対談は未知の書き手さんの場合入りやすいですよね。

行き先は何も遠い地に限らない。近所の旅館やビジネスホテルにも、知らない世界が広がっている。

執着を解き放ち、自分の輪郭を失くしながら歩く知らない町。人に出会い、話を聞く。言葉に出会い、考える。それでもこの世界をもう少し見てみたいと思う小さな旅の記録。
話題作『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』でデビューし、今「最も注目すべき」書き手であるスズキナオ、初の旅エッセイ集。前向きな言葉、大きな声に疲れているすべての人へ。

今の疲れ果てた自分でも読めるような、むしろ、こんなときだから読みたくなるような本はないものだろうか……書棚をもっとよく探せば見つかったのだろうけど、そのときは体力もなく、まばゆく見える本ばかりが並ぶ書店をよろよろと出ての帰り道、暗くて静かな旅行記を書こう、と心に決めたのだった。大好きな『つげ義春日記』の、あの雰囲気が念頭にあった。(中略)旅先で出会う何かに心が癒されるとか、元気になるとか、そんな自分勝手なことを期待しているわけではなく、知らない土地を歩くことで、そのあいだだけは、自分自身のことを考えずに済むのかもしれない。ただ、見ているだけ、聞いているだけ、歩いているだけの存在になれるような気がするのだ。そしてその行き先は何も遠い地に限らない。近所の旅館やビジネスホテルにも、知らない世界が広がっている。(「まえがき」より)

もうこれだけで十分面白そうなスズキナオさん初の”旅本”。
旅は遠くで、だけじゃないですよね。わかるわかる。

見ることは、わたしを当事者にする。
共に生きるひとにする。

世界をもっと「よく」見ること。その中に入り込んで、てのひらいっぱいに受け取ること。

この世界と向き合うための哲学エッセイ。

「水中の哲学者たち」がとてもよかった永井さん。迷わず購入です。

ブックオフから考える。
社会と都市と文化の「つながり」を。

日本全国に約800店舗を構えるブックオフは、多くの人にとって日常生活に溶け込んだ存在になっている。しかしこのような「当たり前」の存在になるまでは、ブックオフをめぐりさまざまな議論が繰り広げられてきた。あるときは出版業界の革命家として、またあるときは破壊者として、そしてまたあるときは新たなサブカル文化の創造者として……。

本書は、ブックオフが誕生した1990年代からのさまざまな「ブックオフ論」を整理し、実際に多くの店舗を観察して、「なんとなく性」という切り口から、なぜ人はブックオフに引き寄せられるのか、そして現代社会でどのような役割を果たしているのかを縦横無尽に考え尽くす。

ブックオフはどう語られてきたのか。またその語りに潜むノスタルジーとは。
チェーン店であるブックオフが都市にもたらしたある種の「豊かさ」とは。
ブックオフで「偶然」出合う本の面白さとは。
ブックオフから生まれた音楽、カルチャーとは。なぜアーティストはブックオフからの影響を語るのか。
ブックオフが生み出す公共性とは。「文化のインフラ」の内実とは何か。

チェーンストア論やテーマパーク論で注目を集める新進気鋭の著者が、出版史、都市論、建築論、社会学、政治学、路上観察学など多様な分野の知見を駆使して書き上げたいままでにないブックオフ文化論。

大好物の”ブックオフ本”、未知だったものを発見し、思わず。
(以上4冊坂城・王様屋で購入。王様屋の充実ぶりがわかります。)

時代とともに形を変えながら常に私たちのそばにある「地図」。
私たちは「地図」を通して何に出会っているのだろうか?

世界の肌触り、欲望と知の来歴、怪物の気配、置いてきた故郷、融ける国境、街角の冒険、駆け抜ける自転車、戦争の姿、歴史の空白、地図製作者、映画の手がかり、位置情報の意味、失われた存在、浮遊する鳥の眼差し……。

レベッカ・ソルニット『ウォークス』で知られ、地図製作者でもある翻訳家による、地図に魅せられた思索のエッセイ。

地図も好物のひとつ。そのうえソルニットの「ウォークス」も大好きな一冊、とくれば読まない手はないでしょう。

ガチ多様性。
ふたりの子どもと北欧へ渡った社会学者による、現地レポート。
「考え方が変わる」と大反響の『ヘルシンキ 生活の練習』の待望の続編!

一日八時間労働だったら、三時間ちょっと、ぼんやりしてください――健康診断の看護師さん

自分のホームはフィンランドだと思って、ここに根づいてほしい――ゲオルギー

母ちゃんは戦争になったら、ユキとクマをすぐ日本に連れていってくれる?――ユキ

ここでどんなにたくさんのことを教わったか、みんながどれだけよく僕をお世話してくれたか、僕は言葉では言えない――クマ

日本ではどうも、おじいさんが偉くなるルールがあるっぽいな――ユキ

言葉で世界があんねん――ユキ

みんしゅしゅぎのくにでは、みんながいやだといったら、せんそうが続けられない――クマ

etc.

「多様なのが普通」って、こういうことなのか。

これも、前作がとてもよかったので。ちなみに前作はちくまから文庫化されてより読みやすくなりましたよ。ヘルシンキでの暮らし・思考に至るまでの経緯等はそちらで。

世界の人々を惹きつける街には共通するルールがあった!

前作『カフェから時代は創られる』から15年。
パリ、ディジョン、ヴェネチア、コペンハーゲン。著者が世界を旅して調査した心地よい街の実現方法。

①7つのルールから読み解く21世紀のまちづくりの必読書
実践者の感性・感覚で取り組まれてきた暮らしのためのまちづくりに、強い足場を提供してくれる「21世紀のまちづくりのバイブル」となる一冊。

②前著『カフェから時代は創られる』で見えた天才が生まれるカフェの秘密から、天才が惹かれる街へ
熱量の高いファンが根強くいる前著『カフェから時代は創られる』。その著者が15年かけて世界を旅して調査し、強い想いとともに書き上げた本書は、ファン待望の一冊

③暮らしやすさは自分たちで生み出せることを知る”希望の書” 著者のニュータウンでの暮らしで感じた”暮らしにくさ”から始まる、その暮らしにくさがどこから来るのかを解き明かし、暮らしやすさを自分たち自身の手で生み出せることを伝えてくれる、日々の暮らしの中の疑問に答える一冊

引用見ただけでリキ入ってますね。「カフェから・・・」は確かにスゴくよかった。そこにさらに旅・街の要素。これも興味津々ですね。読まずにはいられない。
(以上3冊平安堂長野店で購入。)

身体に障害がある方や高齢の方の旅のサポートを行い、国内、海外へ年間100日以上旅をするバリアフリー旅行の第一人者である著者が、旅する現場で感じていること。 それは、旅する側、旅人を受け入れる側、そのどちらにも作法が必要だということである。 身体の障害や高齢などで、旅に行きにくい方々が、当たり前のように旅に出られる世の中を目指しての提言です。

ちょっといつもと趣の違う旅本。
お隣・小海町での講演会に来られていてその講演会自体とても興味深かったのですが都合により出席できず。その時プロフィールを拝見してからずっと気になっていたのですが、偶然書店で出逢うことができました。

最後は釣り本。

魚釣りについて書かれた散文に釣行記と呼ばれるジャンルがある。この本はフライフィッシングの釣行記を集めた一冊である。

釣行記はこれまで、主に雑誌に掲載されてきた。形式に決まりはなく、日記、紀行文、ストーリーなど様々なスタイルが入り混じっている。記録のつもりで書き残す人も多い。記録には利用価値がある。釣行にも旅や冒険の要素があり、さらに釣り人にとっては成果を得るための貴重なデータでもある。時間と場所、釣法、釣果の記録に、狙いをつけた魚を釣り上げたときの感激や、取り逃したときの悔しさが加わると共感や羨望、憧憬といった感情が湧き起こる。

何を記録し、どんな心情を描写すべきなのか。著者は半世紀近く、フライフィッシングという釣法で鱒(脂鰭を持った鮭科魚類の意)を釣ることに固執し、そしてそれを釣行記として書き残す楽しみを見出してきた。十一編のうち、最初の釣行記は二十代前半、最後は還暦を過ぎてから書かれた。明日の釣りの参考になるべき記録的要素を探り、釣り人の心情の変化に触れることができる。

何となく見たことはあったけど読まずにいた本。
パラパラやってみるとほう、「フライフィッシングジャーナル」から「フライの雑誌」の流れの方。
両者とも自分、もしくは自分の暮らす村と縁がある。これは読んでみなきゃ、と。

上記2冊は全く考えていなかった本。偶然出逢って、軽く触れてみて、連れて帰って。

いい本屋でいい本と出逢う。

醍醐味ですね。

(上記2冊長野・朝陽館で購入。いい本屋さんでした。)

できれば来月も・・・いや毎月・・・こんな感じで出かけた先の本屋でいい本に出逢うことを繰り返していきたいですね。


※リンクがamazonなのはamazonで買って欲しいということでは決してなく、単に見やすい・調べやすい・・・ということです。誤解なきよう。


http://www.coldmountainstudy.com/
coldmountainstudy@gmail.com 


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