あの星を目指して
生まれた星を出て、とある別の星に辿り着いた。
そこは元居た星と違って、人が誰もいなかった。
そこはまったく生き物が暮らせる環境ではなかった。
作物はなく、息はできず、光は遠く、大地のみ。
だが、全てが心地良かった。
そこには人の文化も文明も、嘘も本当も何もない。
だから心が落ち着いた。
死の感触でさえも柔らかく、優しい温もりに満ちて、ひとり、息が絶えるまで砂と共に眠った。
そして、僕はこの星を希望と名付けた。
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