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北アルプス国際芸術祭2024~プライベートツアーで楽しむ〜

北アルプス国際芸術祭

2017年から“水・木・土・空”をコンセプトに、長野県大町市で開催されている芸術祭です。
コロナ禍の2回展、2020年が2021年に繰越されましたが、2024年の今年、第3回展が開催されています。
いよいよ会期末で、2024年11月4日(祝・月)までの開催です。

前回展も良かったので行ってきました。
簡単ですが旅のメモ書きです。

1日目

松本駅からレンタカーで大町市内に移動して、案内所で引き換えたパスポートを手に作品を巡ります。

空の根っこ -Le Radici Del Cielo- / 宮山香里さん

前回展でも会場となっていた須沼神明社。
今回神楽殿に展示された作品は、風を感じられ、雲のようにも、森のようにも見える作品でした。

鳥居の向こう

相阿弥プロジェクト モノクロームー大町 / イアン・ケアさん

国宝仁科神明宮に隣接する森を歩いて作品に出会います。
木々の間に吊るされた大きな黒い布。
風に揺られる様子もまたダイナミックでした。

森の中に

山のくちぶえ/エカテリーナ・ムロムツェワさん

佐々屋幾神社の神楽殿に展示された作品です。
地元のサポーターさんが受付をされていました。
人形が影となった映像で映し出されていました。
いつまでも見ていたい作品でした。

影絵
影は楽しい

水の記憶/アレクサンドラ・コヴァレヴァさん&佐藤敬さん/KASA

中綱湖は仁科三湖の真ん中にあります。
湖畔に設置された作品。
天気の良い日に対岸から見てみたいなと思いました。

水と木

やまのえまつり/コタケマン

体育館に展開された大きな作品です。
紙に残された記録は、まつりの記録ですって。
ダイナミック。

ダイナミック

種の民話-たねのみんわ-/蠣崎誓さん

種はひとつひとつは小さなもの。
でも種は限りなく大きな可能性を持っています。
種はいつかは土に還る。
また次の種として命を繋ぐ。
いろいろな想いが作品に込められているに違いないと思いながら、楽しみました。

世界観が凄い

レストラン YAMANBA(昼食)

地元のお母さんたちが、採れたての旬の食材を丁寧に料理して、民話の語りと共に提供します。
信濃大町では、厳しい冬の寒さや山に囲まれた自給自足の暮らしから、味噌、漬物、乾物など豊かな保存食の文化が育まれました。
松花堂弁当に盛り込まれたお食事を通して、昔から自然と共に生きてきたこの地域の暮らしぶりを、味わってください。

https://yamanba2024.hp.peraichi.com/
より引用

信濃大町での生活を感じられる松花堂弁当。
わたしが食べたのは『初秋のお献立』。
とても美味しかったです。

初秋のお献立

サイトでしか見ていませんが、『錦秋のお献立』も美味しそうです。
また、地元のお母さんの民話の語りがとても上手で、話に吸い込まれるようでした。

天ぷらも美味しー

森づくりアート/北アルプス林研グループ

森の中を歩き、作品まで歩くことがとても気持ちが良かったです。
当日は残念ながら雨天でしたが、森を感じながらアート入っていける作品だと思います。

渦巻いている

折り紙による「紙の庭園」/布施知子さん

折り紙で作られた庭園。
様々な角度から、作品を通して光を楽しむことが出来ました。

また渦巻いている

アキノリウム in OMACHI/松本秋則さん

前回展に大町温泉郷・旧酒の博物館に設置され、心地よい音を響かせています。
池が設置され、水滴が落ちてできる波紋と光の組み合わせもまた心地よい空間です。

波紋を追う
飲んだのかな

水をあそぶ「光の劇場」/木村崇人さん

前回展からの新展開。
「時の記憶」と「桟橋のアイデアを考えるデッキ」が出来ていました。
とは言え、「光の劇場」が楽しかったかな。

鏡で遊ぶ

ささやきは嵐の目のなかに/ケイトリン・RC・ブラウンさん&ウェイン・ギャレットさん

仁科神社北側にある林に約2万個の眼鏡レンズが吊られ、周囲の色、風景がレンズに映り込むが美しい作品です。

林を彷徨いたい

山の心音/スクリプカリウ落合安奈さん

この日最後の作品として訪れたけど、地域と命・生を感じた作品です。
なお、地域の猟友会が獲物の処理のために使っている建物だそうです。

命の灯が消える

2日目

北北西に進路を取れ/磯辺行久さん

ダイナミックな作品です。
前回展の作品よりも、今回の方が好きかな。

山の天気は目紛しく変わる

ダムが建設される前の川の流れや地形を現状に重ねて、直径80mのコンパスを地面に描きNNW(北北西)22.5°を示しているそうです。

地図を見たところ、北北西とは珠洲の方向じゃないかと思っています。

道がぶつかる時/ダナ・アワルタニさん

塩の結晶構造のような彫刻で、天日塩が沿岸部から内陸へと運ばれ、塩の交易がもたらした地域である当地で、歴史と文化の交差点を象徴する作品です。

森の中に現る

水面の風景/平田五郎さん

前回展でも見た作品。
この辺りに流れる水がとても綺麗なんですよね。

水が綺麗

芸術祭の公式サイトにはこんなことが書かれていました。

2014年にホタルの飛び交う環境を復活させることを目的に開始し、継続して活動しているプロジェクト。2021年に同じ大出地区の「ホタルの里」から、ザゼンソウやミズバショウが群生する「宮の森自然園」北端に移設された。

https://shinano-omachi.jp/work/17/
より引用

会期前から行われているプロジェクトなんですね。

えねるぎの庭/小内光さん

こちらは現地でアーティストさんがいらっしゃいました。
詩や彫刻を制作しているアーティスト。
直接話を出来て良かったです。

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山品(昼食)

この昼は蕎麦を食べたくて、行程もそれに合わせた感じ。
開店前に訪れましたが、待ちのひとたちがたくさんいました。
蕎麦に併せて、きのこ、辛味大根も付けて美味しくいただきました。

大盛り

黒い跡/ソ・ミンジョンさん

炭化された大木と、その熱で溶けたであろう発泡スチロール。
最近、大規模な森林火災のニュースも耳にしますし、ここは雪も降る地です。
それを人工物である発泡スチロールを溶かすほど、爪痕を残す自然災害の多さがその象徴かなと感じました。

たくさん使ったなー

Tangible Landscape/目[mé]

鷹狩山の上にある作品です。
元々眺望の良い場所に設置された作品ですが、白い空間に入り、楕円形のフレームで大町の風景を切り取った感じです。
出来れば春、残雪の頃の風景を見てみたいなと思いました。

出口を望む

迷路に入っているように感じるのか、テンションの上がっている子どもたちが多い印象です。

竹の波/ヨウ・ウェンフー〈游文富〉さん

建物(公民館)を竹で編まれた曲面でぐるりと囲む作品です。
遠くからは規模の大きさに驚き、近づくと細部の細かさに驚きました。
竹で編まれた曲面に命を感じました。

波打つ

Folding/ルデル・モーさん

竹と土で作られた作品が、廃トンネルに展示されていました。
魚?と思ったのに、よく見るとヒトもいるように見えました。
廃トンネルに展示されているためか、光の当たり方も面白かったです。

ひとが

AWHOB-O –ある天気と此性の観察局– 大町/船川翔司

ここでの気象観測を通じて、記録されるこの場所。
わたしが訪れたのは一瞬の出来事ですが、観測は同じ場所で続けられる行為。
一瞬一瞬が変わっていくんでしょうね。
何度も訪れることで違う体験が出来るのかな。

観測していた

Library of Wooden Hearts/マリア・フェルナンダ・カルドーゾさん

普段は使われていない旧大町北高校の教室で、4000個の杉の若木の芯で出来た作品が展示されています。
後から知ったことですが、心臓を見立てているそうです。
迫力、圧倒感があったのは、この思いが通じたからなのかな。

これ、好きだな

ダイダラボッチを追いかけて/小鷹拓郎さん

こちらも旧大町北高校。
「ダイダラボッチ」を題材にしたフェイクドキュメンタリーが流されていました。
少ししか見られなかったですが、まるで事実のように流されている映像に、もう少し時間があったらという思いを持たずにはいられませんでした。

信じちゃいそう

アフタリアル2/千田泰広さん

旧大町北高校に展示されていた作品で、入った部屋には光が展開されていました。

大町北高双六カフェ/原 倫太郎さん+原 游さん

見慣れた双六ですが、立体になっていました。
子どもたちの楽しそうな声が部屋中に響いていました。

みんな楽しそう

風の道 水の音/鈴木理策さん

ここは蔵の中に置かれた作品。
蔵の中に大町市の自然が凝縮されているように感じました。

赤は命を連想する

私は大町で一冊の本に出逢った/ジミー・リャオ(幾米)&すべては美しく繋がり還る/淺井裕介さん

大町市のアーケード街。
2年前と変わらない店を見つけて懐かしさを感じました。
同じ場所、同じ作品を訪れられたメリットかな。

ただいま
懐かしい通り
この部屋とも再会

山のくちぶえ/エカテリーナ・ムロムツェワさん

神楽殿に展示されている作品から一転して、水彩画による作品です。
床下を水路が流れる不思議な家です。
ここも2年前に来たよね、ってなりました。

作品も建物も気になる

自然の美しさと調和/ポウラ・ニチョ・クメズさん

前回見たはずなのに、今回は違う場所に展示されている再公開の作品です。
周囲の環境のせいかな。
柔らかな絵ですね。

場所が変われば印象も変わる

時に宿る/山本基さん

塩で床に書かれた絵。
珠洲でも素敵な作品を見ましたが、ここでもチカラ・気持ちのこもった作品を見ることが出来ました。

細かい

おわりに

大町市は、千国街道やJR大糸線などの歴史のある路線があり、北アルプスや仁科三湖をはじめとする自然にあふれた町です。
作品を通じてもそれらを感じることが出来ました。

トリエンナーレなので次は3年後かな。
機会があれば、春の大町市を訪れてみたいと思います。

では。

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てっさん
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