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STARモデルとは?/活用目的・メリット・方法/STARを活用した採用行動面接とは?/アセスメント実施後のSTARモデル流フィードバック面談
1.STARモデルとは
STARモデルは、ビジネスや採用において個人の行動を評価するためのフレームワークです。このモデルは、具体的なエピソードを通じて、評価対象者の過去の経験や取り組みを効果的に整理・分析する手法を提供します。STARモデルは「Situation(状況)」「Task(課題)」「Action(行動)」「Result(結果)」の4つの要素で構成され、評価者はこれらを順に確認することで、対象者の問題解決力やリーダーシップ、結果に至るまでのプロセスを把握できます。
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STARモデルが有効である理由は、その明確な構造にあります。これにより、採用面接者や評価者は受け手の能力を具体的に評価しやすくなります。単に成果を聞くだけでなく、状況に応じた対応や行動プロセスの詳細が明らかになるため、評価がより深まります。
例えば、新規プロジェクトを推進する際に、どのような状況でどのような課題があり、実際にどのような方法で解決に至ったかをSTARモデルに基づいて説明することで、その人の行動が具体的に示されます。このように、過去の行動を評価することで、ビジネスにおける判断の精度・信頼性が高まります。
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2.ビジネスシーンにおけるSTARモデルの活用方法
ビジネスシーンにおいて、STARモデルは評価やコミュニケーションの強力なツールとして活用されます。このモデルは、具体的なエピソードを「状況」「課題」「行動」「結果」の4つの要素で整理し、相手に効果的に伝えることを目的としています。これにより、対象者のスキルや判断力を深く理解でき、採用面接や評価の場面で非常に役立ちます。
STARモデルがビジネスシーンで有効なのは、過去の実際の行動に基づいて評価ができる点です。状況に応じた具体的な対応やアプローチを確認することで、対象者がどのように問題解決や意思決定を行ったかが明確になり、評価の精度が向上します。
例えば、営業チームのリーダーが新規市場開拓に挑んだケースをSTARモデルに基づいて説明する場合、市場の状況(状況)、直面した課題(課題)、実行した戦略(行動)、そして最終的な結果(結果)を順序立てて説明することができます。これにより、リーダーの能力や手腕が具体的に伝わります。
このように、STARモデルは評価や採用面接において、対象者の行動を深く理解するための強力な手段として活用されています。
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3.STARモデルを使った採用行動面接とは?
STARを使った行動面接とは、応募者が過去の具体的な経験を通じて、その行動や能力を評価する面接手法です。STARモデルに基づいて、応募者がどのように問題に対処したかを詳細に説明させ、その行動から将来のパフォーマンスを予測することが目的です。
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この手法は、応募者がどのような状況で、どのような課題に直面し、どのような行動を取り、最終的にどのような成果を上げたかを明確に把握するために使われます。例えば、「過去に困難なプロジェクトに直面した際に、どのように対処しましたか?」と質問し、その答えをSTARモデルに沿って整理することで、応募者の問題解決能力やリーダーシップを具体的に理解できます。
STARを使った行動面接では、応募者の実際の経験に基づいた回答を求めるため、単に理論的な回答ではなく、過去の実績や具体的な行動を明らかにできる点で、採用担当者にとって信頼性の高い情報を得る手法とされています。
STARモデルを使った行動面接の質問例を3つ挙げます。それぞれ、応募者の過去の経験や具体的な行動を評価するための質問です。
例①「過去にチームで困難な目標に直面した経験がありますか?その際、どのように状況を把握し、どんな役割を果たしましたか?最終的な結果はどうなりましたか?」
この質問は、チームでの協力やリーダーシップのスキルを評価するためのものです。応募者が困難な状況下でどのように対応したかを知ることができます。
例②「厳しい納期やリソース不足の中でプロジェクトを遂行したことはありますか?その時、具体的にどのような戦略を立てて課題を解決しましたか?結果としてどのような影響を与えましたか?」
この質問は、応募者の問題解決能力やプレッシャーの中での行動を探るものです。状況把握や実行力に注目した評価が可能です。
例③「クライアントや上司からの要望に対して意見が食い違った経験はありますか?その際、どのように対応して問題を解決しましたか?結果的にどのような成果が得られましたか?」
この質問は、コミュニケーションスキルや対人関係における問題解決能力を評価するためのものです。応募者が対立や摩擦にどう対処したかを知ることができます。
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4.人材アセスメントにおけるSTARモデルを使ったフィードバック面談とは?
人材アセスメント実施後に具体的で効果的なフィードバック面談を行うために「STAR」を使います。このアプローチを使って、2つのタイプのフィードバックを行うことができます。1つは肯定的フィードバックで、相手やチームの優れた成果を述べます。もう1つは改善のためのフィードバックで、より効果的なアプローチに導きます。
STAR の構成要素である状況/任務(Situation/Task)、言動(Action)、結果(Result)に沿ってフィードバックします。
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ST—状況/任務:相手が直面している問題、課題、任務、チャンスなど。
A—言動:その状況や任務に対処するために、相手が言ったことや行ったこと。あるいは、どるべきだったのにとらなかった言動。
R—結果:人やチームの言動により(良くも悪くも)何が起きたか、その結果どのような影響があったか。
✅肯定的フィードバックの例
状況 (Situation/Task): あなたは、新規プロジェクトのリーダーとして、短期間でプロジェクトの立ち上げを行うという難しい課題に直面しました。
行動 (Action): タイトなスケジュールにもかかわらず、効果的なタスクの優先順位を設定し、チーム全体が協力して短期間で必要なリソースを集め、目標に向かって一丸となるように指揮を執りました。
結果 (Result): その結果、予定よりも1週間早くプロジェクトを完了させることができ、クライアントから高い評価を得ました。チーム全体の士気も向上し、次のプロジェクトへの意欲が高まりました。
✅改善のためのフィードバックの例
状況 (Situation/Task): あなたは、重要なクライアントとの契約をまとめるための提案書を作成するチームの一員でした。しかし、プロジェクトの進行中に情報共有が不足しており、最終的に提案書の一部に重要な内容が欠落していました。
言動 (Action): チームのミーティング中に情報共有の重要性について触れる機会がありましたが、特定のタスクに対する役割分担が曖昧だったため、結果的に情報が漏れてしまいました。
結果 (Result): 提案書の一部が不足していたため、クライアントは最終決定を遅らせ、追加の説明を求めることになりました。
改善案 (Action): 今後は、定期的に進捗確認のためのミーティングを設け、各メンバーが自分の担当するタスクについて他のメンバーと情報を共有する場を確保することで、情報漏れを防げます。
改善された結果 (Result): もしこのアプローチが実行されていたら、提案書の作成プロセスはスムーズになり、クライアントへの対応も迅速に行うことができ、信頼関係の強化につながったでしょう。
このように、STARモデルを活用することで、肯定的なフィードバックや改善のためのフィードバックが具体的かつ効果的になります。
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5.マネジメントサービスセンター(MSC)のアセスメントソリューション
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7.会社概要
会社名:株式会社マネジメントサービスセンター
創業:1966(昭和41)年9月
資本金:1億円
事業内容:人材開発コンサルティング・人材アセスメント
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