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第5章<成長する>適切な能力開発を実現させる

この章では、「成長する」という必須要件において、いかに卓越した組織になるかを示す。次のような方法で実践することにより、エネルギーが生まれる。


1.成長するの必須要件とは

・行動の促進:学習と能力開発の手法(学習そのものだけでなく)を取り入れることにより、ビジネスで必要とされる新たなリーダーシップの取り組みが促進される。

・個人仕様の学習:学習者は、独自の成長ニーズとモチベーションに合った学習経路を作ることによって、より積極的になる。

・個人特性のより効果的な活用:個人がもともと持っている強みを活かしつつ、自分の特性を受容し、阻害要因が持つリスクを管理するようになる。

・大規模で思い切った能力開発を目的とした任務:経営幹部が成長の速度と頻度を劇的に向上させる能力開発を目的とした任務を作り出し、割り当て、進捗を追跡確認する。

・リーダーを目覚めさせる成長経験の共有:ラーニング・ジャーニーは、グループ学習と職場適用を融合させ、リーダーのやる気を引き出し、育成プロセスを強化する。

2.リーダーシップスキル開発に向けて訓練に力を注ぐ~コンピテンシーとキーアクションを開発する

この章では、人材開発の加速化の5つ目の必須要件「成長する」を紹介する。リーダーは、いかにして学び、いかにしてビジネスに貢献するのか。そしてそのためには何が役立つのか。ここからの章では、能力開発を適切に進めるプロセスと、そのプロセスにさらに磨きをかける方法を説明しよう。

前にも述べたように、学習は成長とは異なる。学習が成長につながるのは、継続的に学習が行われて職場で適用されたときのみだ。リーダーが準備のできていない状態から即戦力のある状態になるには、常に成長し続けなければならない。だが残念なことに、一般的にその実現は難しい。組織はリーダーの能力開発への投資を増やしているが、リーダー自身には著しい成長が見られない。

だが、大きな見返りを生む方法を取り入れている組織も一部ある。DDIが顧客とともに行った161の調査の結果、リーダーシップ学習の原理を適用すれば、良い変化(成長)が早く起き、組織の財務状況が改善することが判明した。調査に参加した組織のうち93%で改善が見られ、リーダーの準備度が平均36%上がった。間違いなく、成長を加速することは可能だ。

3.成長につながるリーダーシップ学習の基本原則

あなたが学習デザインに長けた人なら、階層によって学習ニーズが異なり、それぞれに合った学習法が存在することを理解しているだろう。例えば上位層には、エグゼクティブ・コーチングや経営幹部向けにカスタマイズされた学習デザインなど、特別な方法が必要だ。一方、リーダーになったばかりの人には、能力開発のニーズが共通していることが多いので、標準的な(そして拡張可能な)方法を使う。そして、中位層にはいくつかの方法を組み合わせて使うことが有効である。

だが階層にかかわらず、より上の階層のサクセス・プロフィールに向けた育成の加速に成功しているのは、基本原則に従っている組織である。基本原則は、学習の速度や定着、適用に好影響を与えるという点で、キャリアのあらゆる段階において普遍的であることが証明されている。学習プロセスを取り入れる際に成功する組織とは、具体的には以下のような組織である。

・アセスメントを怠らない。
成長とは、強みや弱み、能力開発の優先事項に関する正確な洞察の上に成り立つものである。サクセス・プロフィール全体を測定することはもちろん大事だが、育成の加速に成功している企業は、アセスメントの際により細かい(キーアクションレベルの)測定も行う。どの階層の学習者にも、全体像だけでなく、どのように成長するかについての具体的な方策も必要だからだ。

・スキルを学ぶだけでなく、実践するプロセスも設計している。
スキルを実践することで、スキルを使い、改善するための能力と自信を向上させることが可能になる。学習プロセスにフィードバックのある実践を組み込み、成り行き任せにするのはやめよう。

・なぜそれをやるのかをしっかりと示している。
学習の目的(見返り)は、学習の手段と同じく重要である。しかし最も成功する組織は、ただそう唱えるだけではない。組織と個人双方の利益を深く掘り下げて、広い関わりと支援を築く。

・学習者が優れた模範となる人から学ぶ機会を作っている。
新しいスキルを学ぶとき、他者がそれをうまく使っているのを見るのに勝る学習法はない。目標とするスキルを効果的に応用しているモデルを観察する機会が学習プロセスの中に含まれていれば、スキル習得の効率はもっと上がる。経営層であってもこのようなモデル学習が有効だ。

・上司の支援を必要だと考えている。
学習者は早くから頻繁に上司と話して、成功を共有したり、問題や障害を解決したり、必要なコーチングを受けたりするべきである。どの階層にとっても価値のあることであり、上司が特別優れたリーダーである必要も、すべての答えを持っている必要もない。

・学習アクセラレーターによってプロセスを活性化している。
学習アクセラレーターは、学習プロセスを活性化させるシンプルなツール(携帯アプリ、SNSツールなど)である。学習後の自己測定を促したり、競争相手やコミュニティーを作ったり、必要なときにヒントや洞察を共有する機会を作ったりして、学んだ内容を強化する。

・「70/20/10の法則」に捕らわれない。
「70/20/10の法則」に対する誤解が広く浸透しているおかげで、公式学習(教室での授業、eラーニングなどを含む、全体の10%)に重きが置かれないことが多い。だがこのモデルは、公式学習を軽く扱ったり省略したりしても良いと言っているわけではない。われわれの調査と経験によると、能力開発が成功した組織では、より公式学習に時間を割き、10%よりはるかに多い場合があることがわかっている。

・学習経路の完了に力を注いでいる。
スキルの習得は、上達と自信獲得のための学習経路をたどることで、成長につながる可能性が最も高くなる。フォローアップがないと、スキルが落ち、能力開発の取り組みの見返りが得られなくなってしまう。(図5.1参照)

5.1図 個人仕様の学習経路

4.おすすめ人材アセスメントソリューション

①コンサルティングソリューション

②オンラインシミュレーションアセスメント&アセスメントシステム

③オンライントレーニング&ディベロップメント

5.DDIとは

DDIは、世界最大手の革新的なリーダーシップ・コンサルティング企業です。1970年の設立以来、この分野の先駆者として、リーダーのアセスメントや能力開発を専門としてきました。顧客の多くは、『フォーチュン500』に名を連ねる世界有数の多国籍企業や、『働きがいのある会社ベスト100』に選ばれている世界の優良企業です。
DDIでは、組織全体におよぶリーダーの採用、昇進昇格、能力開発手法に変革をもたらす支援をすることで、すべての階層において事業戦略を理解し、実行し、困難な課題に対処できるリーダーの輩出に貢献しています。
DDIのサービスは、現地事務所や提携先を通じて、多言語で93カ国に提供されています。また、同社の研究開発投資は業界平均の2倍であり、長年にわたる実績と科学的根拠に基づいた最新の手法を駆使して、組織の課題を解決しています。

◆DDI社の4つの専門分野

DDI社は、4つの専門分野を中心に、長年の実績と科学的根拠に裏付けられたソリューションと、より深い洞察を提供し、優れた成果を生み出しています。

6.会社概要

会社名:株式会社マネジメントサービスセンター
創業:1966(昭和41)年9月
資本金:1億円
事業内容:人材開発コンサルティング・人材アセスメント

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