見出し画像

経営リーダー育成・選抜ための人材アセスメント研修~戦略的視点かつ客観データで見る次世代リーダーの資質と可能性

1.経営リーダーとは

経営リーダーとは、企業の未来を描き、その実現に向けた指針となる存在です。日々変化するビジネス環境や技術のイノベーション、そして予測できないリスクが交錯する現代で、経営リーダーには、管理職を超えた広い視野と決断力が求められています。


経営リーダーは、企業の方向性を定めるだけでなく、人材、資本、情報を上手に組み合わせ、新しい価値を生み出す役割を果たします。優れたリーダーは、組織の隅々に目を配り、経営理念や目指すビジョンを社内外に浸透させる力を持っています。このようにして、リーダーは部下を支え、企業文化を築いていきます。

さらに、グローバル化が進む今、経営リーダーには、国内外の様々なステークホルダーと信頼関係を築き、異なる価値観や文化を超えて共通の目標を見つける力が必要です。単なる数字の管理や短期的な利益の追求だけでなく、事業を通して社会に持続的な価値をもたらすことも、リーダーの使命となっています。

経営リーダーを育成・選抜するには、実際の経営課題に取り組ませる「タフ・アサインメント」がとても有効です。困難な状況で意思決定を経験することで、単なる知識にとどまらない、本物のリーダーシップが育まれます。企業が未来へ進むためには、このような経験を積んだ経営リーダーが不可欠です。彼らこそが、次世代に企業の価値をつなぎ、さらなる飛躍の基盤となるのです。

2.経営リーダー育成・選抜の背景

経営リーダーの育成・選抜が求められる背景には、企業を取り巻く環境が急速に変化し、不確実な未来に対応できる人材が必要とされていることがあります。テクノロジーの進化やグローバル競争の激化により、企業にはこれまで以上に柔軟で素早い対応が求められ、リーダーには変化を見据える力が不可欠です。特に日本企業は、バブル崩壊後の長い停滞を経験し、国内外での競争力の低下が課題です。この現状を打破するためには、既存の体制を見直し、企業を導く経営リーダーの育成が急務です。

日本企業では、かつて「年功序列」や「終身雇用」といった独自の雇用慣行がリーダー育成の基本でした。このように時間をかけて社内でリーダーを育てる方法は、安定した時代には効果的でした。しかし、急速な変化が求められる今、こうした方法では、リーダーに必要とされる迅速な意思決定や国際的な視点を備えることが難しくなっています。特に、海外の企業が高度な専門知識や多様なキャリアを持つリーダーを早い段階で育てる一方で、日本企業も若いうちから次世代経営リーダーの育成・選抜を進めなければ競争に勝てない現実があります。

さらに、多くの日本企業では、リーダー候補者を選ぶ基準や育成方針が明確になっていないケースが多いです。先進的な企業では、リーダー候補を早い段階で見極め、役職ごとに必要なスキルや経験を明確にし、異業種や海外での経験を積ませるなど、計画的な育成を行っています。このような育成を取り入れることで、リーダーとしての資質を効率よく磨き、変化に対応できる柔軟な経営体制が構築されます。

このように、変化を恐れず積極的に挑戦できる経営リーダーを育てることが、企業の持続的な価値創造につながるのです。

3.経営リーダー育成・選抜の5つのお悩み・課題

経営リーダーの育成・選抜は、企業の将来を左右する極めて重要な取り組みです。しかし、選抜基準の曖昧さや評価の一貫性の欠如、実践的な育成プログラムの設計の難しさなど、リーダー育成には多くの課題が横たわっています。

🔷リーダー候補の選抜基準が明確でない

多くの企業では、経営リーダー候補の選抜基準が不明瞭なため、適切な人材が選ばれないという課題があります。必要なスキルや資質が明確に定義されていないことで、選抜の際に主観的な判断や既存の階層に頼った評価が行われがちです。この結果、次世代リーダーとして相応しい人材が見逃され、評価が偏り多様性が損なわれるリスクが高まります。また、選抜基準がはっきりしないと、候補者が自分のキャリアの道筋を描きにくくなり、モチベーションの低下にもつながりかねません。

リーダーに求められる要素は業界や企業の文化、戦略によって異なりますが、スキルや知識のみならず、価値観や行動様式などの柔軟性を考慮した基準が不可欠です。多様な観点で適切なリーダー人材を見出すために、選抜基準を客観的かつ明確に策定し、組織全体で共有することが重要です。

🔷早期育成プログラムの設計が難しい

リーダー候補の早期育成は企業にとって課題となっています。若手社員は日々の業務を通じて基本的なスキルを習得しますが、経営リーダーとして必要とされる視野の広さや決断力、影響力を磨く機会は限られています。早期育成プログラムは、単なる研修ではなく、実践的な経験や多角的な視点を提供する内容である必要があります。

さらに、リーダー候補が育成プログラムに参加しつつ通常業務もこなすことは負担になりがちです。過剰な負荷がかかると、候補者がストレスを抱え、成長が妨げられるリスクもあります。このため、現場の上司やチームの協力を得て、業務に組み込みながら実践的な学びが得られる工夫が求められています。

🔷リーダー候補者の評価が一貫していない

リーダー候補の評価基準が明確でないことが、評価の一貫性の欠如を招いています。多くの企業では、リーダー候補者の評価基準が部署や上司ごとに異なり、候補者が一貫した基準で評価されない問題があります。これにより、候補者が不公平に評価されるリスクが生まれ、偏った評価が行われる可能性も高まります。

また、評価プロセスに透明性が欠けると、候補者に評価の正当性が伝わらず、評価結果に対する納得感が得られません。候補者が評価に対する信頼を持つためには、全社的に統一された評価基準を設定し、定期的なフィードバックを通じて改善点や期待を伝えることが重要です。透明性と一貫性のある評価は、リーダー育成の信頼構築にもつながります。

🔷異なる業務環境でのリーダーシップ経験が不足

リーダー候補者がさまざまな状況でリーダーシップを発揮するには、多様な業務環境での経験が必要です。しかし、実際には多くの企業で候補者が同じ部門や領域で長期間キャリアを積む傾向が強く、広い視野や柔軟な適応力を養う機会が不足しています。このような環境では、経営リーダーとして重要な経験を十分に積むことが難しくなります。

リーダー候補には異業種や海外拠点での経験、他部門での異動機会を提供することで、新たな視点を養い、未知の課題に対応する力を身につけさせることが可能になります。異なる業務環境を経験することは、候補者が現状に満足せず、新たな挑戦に対して積極的な姿勢を育む上で効果的です。

🔷経営リーダー候補者に対する育成・選抜戦略が体系化されていない

経営リーダー育成・選抜の重要性は認識されていますが、多くの企業で育成・選抜戦略が体系化されていないことが課題です。リーダーシップに必要なスキルや知識を効果的に習得させるには、段階的な計画と育成戦略が必要です。しかし、体系化されていない育成・選抜計画では研修や評価が場当たり的になり、育成効果が十分に発揮されないことがあります。

経営リーダー候補者の育成・選抜には、短期的な研修だけでなく、長期的な視点での育成・選抜プランが必要です。特にリーダーシップ育成には、職務経験や異業種での経験、経営層との交流など、多様な要素が組み合わさることで効果が発揮されます。戦略的な育成戦略と全社的な支援体制を整え、経営リーダーとしての資質を備えた人材を育成することが求められています。

4.経営リーダー育成・選抜へ取り組むべき4つのこと

経営リーダー人材の育成・選抜においては、経営層、取締役会、人材委員会、人事部門、事業部門などの関係者が相互に連携し、それぞれの役割を十分に果たしながら、継続的にPDCAサイクルを回し続けることが重要です。

出典:経済産業省 企業価値向上に向けた経営リーダー人材の戦略的育成についてのガイドライン

🔷ビジョンや経営戦略を実現するためのポストおよび要件の明確化

経営リーダーを選抜するためには、企業が目指すビジョンや経営戦略を具現化するために必要なポストを特定し、そのポストに求められる要件を具体的に明確化することが出発点です。「リーダーシップがある」や「スキルが高い」といった漠然とした表現ではなく、特定のポジションで期待される役割や、実際に必要とされる能力を細かく定義することが求められます。例えば、戦略立案を担うポストには戦略的思考力が不可欠であり、変革を推進するポストには柔軟性と影響力が必要とされるでしょう。

これらの要件を組織全体で共有することで、経営層や人事部門がリーダー候補者を選抜する際に評価基準の一貫性が確保され、共通理解が生まれます。また、候補者自身も、自分に求められるスキルやキャリアパスを把握しやすくなるため、キャリアに対するモチベーションも高まります。

🔷人材の把握・評価と経営リーダー育成候補者の選抜・確保

経営リーダー候補者を適切に選抜するには、社内の人材の能力や特性を的確に把握し、客観的かつ公平に評価する必要があります。人材評価では、360度評価や自己評価、上司の評価など、複数の評価手法を組み合わせることで候補者の特性やスキルを包括的に理解します。さらに、リーダーとして必要な資質のうち、スキルだけでなく、行動特性や価値観の観点も含めることで、候補者の多様な側面を総合的に評価できます。

また、候補者の選抜は単に実績や成績に基づくものではなく、将来的な成長性やリーダーシップの可能性に注目する視点が求められます。特に、ビジョン実現のためには、中長期的な視野でリーダーとしての成長が見込まれる人材を発掘し、確保する体制を整えることが重要です。多角的評価に基づく透明な選抜プロセスが、候補者および他の社員に納得感をもたらし、信頼性のあるリーダーシップ選抜が実現します。

🔷人材育成計画の策定・実施と育成環境の整備・支援

経営リーダー候補の育成には、長期的な視点での人材育成計画の策定と、計画に基づいたプログラムの実施が鍵を握ります。育成計画では、候補者に求められる能力を段階的に高めるための研修や実務経験の提供が必要です。また、リーダーシップを発揮する場を早期に設けることで、候補者が実務を通して学び、リーダーシップを養う機会を増やします。

さらに、育成環境の整備は人材育成の成果に大きな影響を及ぼします。具体的には、候補者が挑戦しやすい文化の醸成や、適切なサポート体制を整備することが求められます。例えば、上司やメンターからのフィードバック、異なる業務環境への異動機会など、多様な経験を提供することでリーダーシップの実践力が高まります。候補者が成長しやすい環境を整備することで、企業全体のリーダーシップ育成が促進されるのです。

🔷育成結果の評価と関連施策の再評価・見直し

育成プログラムが効果を発揮しているかを確認するためには、育成結果の評価を定期的に行い、フィードバックを提供する仕組みが欠かせません。候補者が実際にどのようなスキルを身につけ、リーダーシップをどの程度発揮しているかを評価することで、プログラムの有効性が明確になります。この際、評価項目は事前に明確化しておき、候補者が何を期待されているかを把握できるようにしておくと効果的です。

さらに、育成結果をもとに、育成プログラムや選抜基準の改善点を見直し、継続的に向上を図ることも重要です。企業環境や経営戦略が変化する中で、リーダー育成の要件も変わり得ます。そのため、施策の再評価を通じて常に柔軟に対応し、最新の経営環境に適したリーダーシップ育成を目指すことが、企業の競争力をさらに高める要因となるのです。

経営リーダー人材の育成には、経営者が強い意志をもって主体的に関与し、リーダー育成を企業戦略の中核として推進する姿勢が求められます。人事部門もまた、従来のサポート機能から脱却し、事業目標と直結する「戦略的人材育成部門」への変革を遂げる必要があります。育成の場面では「全体最適」の視点を重視し、現場の上司やリーダーが次世代リーダー育成を直接担う体制の再構築が求められます。また、社外取締役や投資家は、リーダー育成の方針と進捗を厳しく監視し、企業価値の持続的向上に向けた取り組みを支援する役割を果たします。加えて、日本型雇用慣行を見直し、個々のキャリア自律を促すことで、時代に即した経営リーダー育成を図るべきです。

5.経営リーダー育成・選抜と人材アセスメントの重要性・関係性

企業が長期的な戦略に基づいて次世代の経営層を育成・選抜するには、360度評価、行動観察、適性検査といった客観的なデータと、多面的な分析が求められます。人材アセスメントは、候補者の能力を評価するだけでなく、企業のビジョンや戦略に基づき、例えばリーダーシップスキルや意思決定力の強化といった具体的な育成課題を明確にし、そのための個別的な育成プランを策定するための指針としても機能します。

人材アセスメントは、経営リーダー候補者の資質や能力を多角的に評価するための強力な手法です。行動観察や適性検査、面接など、複数の手法を組み合わせることで、候補者の強みや改善点が浮き彫りになります。これにより企業は、単にスキルや実績に基づくだけでなく、候補者が経営リーダーとして長期にわたり価値を生み出せるかどうかを見極めることが可能です。具体的には、人材アセスメントの結果から判断力やリスク対応力、周囲への影響力といったリーダーシップに必要な要件を精査できるのです。

さらに、人材アセスメントはリーダー育成の方向性を具体化するための指針として活用されます。アセスメントで得られたデータを基に、候補者の今後の課題や開発目標が明確に設定できるため、長期的な育成計画の立案が可能になります。この点で、人材アセスメントは経営リーダー育成の道しるべとなり、経営リーダーが企業の価値創造にどのように関与できるかを見通す手段ともなります。

6.マネジメントサービスセンターのグローバル多言語階層別人材アセスメントソリューションズ

🔵グローバル経営幹部向けアセスメントセンター方式~エグゼクティブ・アクセラレーション・センター

・分類​:シミュレーション型診断およびパーソナリティ診断テスト​
・対象階層:​上級管理職(執行役員・部長)
・対応可能言語​:日本語、英語

🔵上級管理職(部長職以上)向け能力診断オンライン・シミュレーション・人材アセスメント~Leader3 Ready®

・分類​:シミュレーション型診断およびパーソナリティ診断テスト​
・対象階層:​上級管理職部門長、部長などの管理職
・対応可能言語​:3言語日本語、英語、中国語(簡体字:中国本土、
       シンガポール、マレーシア、繁体字:台湾、香港、マカオ)​

🔵初級・中級管理職向けオンライン・アセスメント~Manager Ready®

・分類​:シミュレーション型診断
・対象階層:​初級・中級管理職​
・対応可能言語​:6言語
日本語、中国語(簡体字&繁体字)、英語(アメリカ、イギリス、インド)、フランス語、​ドイツ語、スペイン語

🔵リーダーシップ・ポテンシャルを早期に特定するオンライン・アセスメント~Early Identifier®

・分類​:パーソナリティ診断(選択回答のみ)
・対象階層:​入社10年未満の一般社員、
      入社3年目以降の次期管理職候補者、管理職志望者​
・対応可能言語​:6言語 日本語・英語・フランス語・ドイツ語・
        スペイン語・中国語(簡体字)

🔵初級管理職・次期管理職候補向けオンライン・アセスメント
~Leadership Snapshot

・分類​:パーソナリティ診断(選択回答のみ)
・対象階層:​初級・中級管理職
・対応可能言語​:4言語:日本語、英語、フランス語、スペイン語​

7.おすすめコンテンツ

8.会社概要:MSC|株式会社マネジメントサービスセンター

創業:1966(昭和41)年9月
資本金:1億円
事業内容:人材開発コンサルティング・人材アセスメント

いいなと思ったら応援しよう!