ほんとうの個性とは
#哲学 #個性 #普遍性 #川柳 #ダジャレ ——— 池田晶子さんの本には、「無私になることで真の個性が生まれる」という趣旨のことが書かれていました。これは、私利私欲を捨てて無我の状態になることで普遍性とつながり、そこから本当の個性が生まれるという内容だったと思います。
初めて読んだ時は納得したのですが、よく考えてみると、そもそも人間に無私になることは可能なのだろうかという疑問が浮かびました。私たちの頭の中では常に様々な思考や感情が渦巻いています。人間は自分の主観というOSの外に出ることができず、全てを自分の主観で捉えるしかないという原理に気付いたのです。
つまり、私たちが何かを唱えたり、認識したり、考えたり感じたりする時、それは必ず自分の中で行われることであり、完全に自己を消し去ることは不可能ではないでしょうか。さらに、人間は物事を何らかの欲望や関心、目的と結びつけて捉えているため、そういった側面からも無私は実現できないのではないかと考えました。
しかし、池田さんの言うように、自己を保ちながらも普遍性に向けて自分を開いていく、あるいはつなげていくというプロセスは、個性を豊かにする上で重要だと確信しています。つまり、私たちは自分の欲望、関心、信念、価値観から完全に自由になることはできませんが、それらを認めつつ普遍的なものへと結びつけていこうとするプロセスには、人間の精神的な成長が見られ、その延長線上により豊かな個性が育まれるのではないでしょうか。