足るを知る~リレーフォーライフで先輩教員が教えてくれたこと~
GW後半が始まりますね。間の一日である今日は、みんながソワソワ・・・明日から始まるお休みのことを考えて過ごしていたようです。
さて、今日はリレーフォーライフに参加し、先輩教員が語っていたことについてお話をします。
リレーフォーライフについて
リレーフォーライフという活動をご存知でしょうか?
日本では”公益財団法人 日本対がん協会”と各地の実行委員会が主催するイベントです。
「がん患者は24時間、がんと向き合っている」という言葉をスローガンに、参加者は24時間歩き、寄付金を募ります。
ほとんどの人がチームで参加し、一種のお祭りのような雰囲気の中、
交代しながら24時間のウォーキングをつなぎます。
がんで亡くなった方、サバイバー、そしてサポーターの心が一つになる素敵な催しです。
今の自治体になってからは参加できていませんが、その前までは尊敬する先輩教員に誘われて参加していました。その先輩は、文部科学大臣賞をとるようなすごい実践をしているような50代の美術の教員だったのですが、ちっとも威張らず、私のような若者にも優しく接してくれました。
先輩は言いませんでしたが、おそらく勤め先が病弱養護学校だったことから、考えることがたくさんあったのだろうと思います。
思いの綴られた灯篭がコースを創る
リレーフォーライフの会場は、参加者によってメッセージの綴られた灯篭が並びます。参加者はその周りを歩きます。何時間も歩いていると、どれだけ健康であっても疲労が隠せなくなります。そんな時にこのメッセージを見るのです。
このメッセージは誰が書いたのだろう。
どんな人がどのように生きたのだろう。
自分は何ができるのだろう。
つながっていく心の、魂のリレーが、参加者の足を前に前に進めます。
「足るを知るだよね。」
数時間歩くと、夜になります。
会場には灯篭で作られたHOPEの文字が浮かび上がります。
過酷な時間の始まりです。会場に鳴っていた音楽は止み、
静寂の中を歩くことになります。
人々は語ったり、黙ったりしながらひたすら歩きます。
そして、朝になります。朝日が会場を照らした時、
人は改めて朝日のありがたみを感じます。
そんな時、先輩教員がボソッと私に一言言いました。
若かった私は、恥ずかしながらその言葉を知りませんでした。「樽を知る・・・ビールのことかな?」くらいの阿呆さ加減でした。
調べてみると、以下のような意味です。
先輩は、その言葉の意味を私に教えてくれました。
若かった私は分かったような分からなかったような。でも、その先輩教員がサラッというその言葉が、とてもスマートで格好良くて覚えていました。
そこから静かに夜明けのリレーフォーライフを歩きました。
あの日から10年以上が経ちました。
教員として色々なことができるようになり、生活でも充実感が伴うようになった今、
あの先輩教員の言っていた「足るを知る」の意味が少しずつ分かってきたような気がするのです。
では、またね~!