BIRDY. 横山哲也

BIRDY. 開発責任者 1981年愛知県豊田市出身。早稲田大学卒。ウェブデザイナーを経て、2011年に家業の横山興業株式会社へ入社。2013年、バーツールブランド「BIRDY.」を創立。2019年「世界が尊敬する日本人100人」(Newsweek日本版)に選出。

BIRDY. 横山哲也

BIRDY. 開発責任者 1981年愛知県豊田市出身。早稲田大学卒。ウェブデザイナーを経て、2011年に家業の横山興業株式会社へ入社。2013年、バーツールブランド「BIRDY.」を創立。2019年「世界が尊敬する日本人100人」(Newsweek日本版)に選出。

最近の記事

石垣忍さんと、初めての試飲会を開いた

「石の華」のオーナーバーテンダー、石垣忍さんとの出会いは、私と「BIRDY.」にさまざまなものをもたらしてくれました。 というのも、開発中のシェイカーがもたらす効果と石垣さんがシェイカーやカクテルに求めていることがシンクロしているように感じたからです。 そこで、石垣さんのフィードバックをシェイカーのアップデートに生かすべく、石垣さんと「BIRDY.」の試飲会を実施することにしました。 「振りたい」と言ってくれた石垣さんは、果たしてどんな感想をもつのだろうか。わくわくしな

    • バーテンダー、石垣忍さんとの出会い その2

      前回、「BIRDY.」に大きな影響をもたらしたバーテンダーとの出会いについてお話ししました。その名は石垣忍。東京・渋谷「Bar 石の華」のオーナーバーテンダーです。 石垣さん自身、シェイカーを製造する会社にオーダーして自分が設計したシェイカーをカスタムメイドした経験があり、シェイカーの内部構造はどうあるべきか、独自の理論やさまざまなアイデアをお持ちでした。 シェイカーの内部構造の理想的な形状は球体なのですが(なぜ球体が理想的なのかについては、いずれお話しします)、シェイカ

      • バーテンダー、石垣忍さんとの出会い その1

        このようにジャパニーズ・バーテンダー・ブームが巻き起こるバーシーンで革新的なシェイカーを提供するとなれば、その使い手たちについての理解や知識が欠かせません。 日本酒バーには足繁く通っていたものの、オーセンティックバーやカクテルバーについてはまったくの門外漢でしたから、まずはバーテンダーやバーツールの勉強をしなくてはなりませんでした。 「BIRDY.」の開発当時、私のバイブルだったのが、漫画『バーテンダー』(原作:城アラキ、漫画:長友健篩)。 カクテルのこと、シェイクやス

        • 2010年代の日本のバー事情

          バー巡りのお話をする前に、まず、2013年当時の日本のバー事情についてご説明しましょう。 2010年代は日本のバーテンダーが世界を席巻した時代でした。 みなさんはカクテルコンペティションというものをご存知でしょうか? 世界各地から国内大会を勝ち抜いたバーテンダーが集い、それぞれの技術や作法、エンターテインメント性を競い合うというもので、カクテル文化を発展させようという目的のもと、世界的な種類メーカーの主催により実施されています。 酒類メーカーの数だけコンペがあると言っても

          職人が0.1ミクロン単位で磨き上げるシェイカー

          ギムレットの飲み比べで天地がひっくり返るような経験をしてから、さっそく工場にフィードバックを持ち帰りました。 金属の研磨にはサンプルで行ったLAP研磨だけでなく、バフ研磨、電解研磨(電気を流して金属表面を溶解させることで研磨効果を得る方法)、サンドブラスト加工などいくつかの方法があり、試作品の製作にあたってはさまざまな研磨パターンを試すことに決めました。 すぐにも違った研磨パターンを試すべく、次のサンプル制作に取り掛かりたかったのですが、私も本業がありますから出張支援して

          職人が0.1ミクロン単位で磨き上げるシェイカー

          人生最大のアハ体験

          前回、内側を磨いたステンレスタンブラー、通称“試作品第1号”を、行きつけのバーに持って行った話をしました。 飲み比べした水割りで何がおこってるのか? このタンブラーで作ったウイスキーの水割りをマスターと二人で飲み比べたのですが、味わいは明らかに違う。試作品第1号の水割りは、普通のガラスのタンブラーで作ったものより格段にクリアな飲み口になっている。 一体、なにが起きているのか。これを解明しなくては。 マスターと捻り出したのは、ステアしたことで、タンブラーの中で液体に運動

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          金属加工ひと筋の工場は、「高品質・高付加価値」のため何に目をつけた?

          前回、新規事業の生み出すために「工場内で行っている金属加工のプロセスを切り分けてみた」とお話ししました。 なぜ、そんな面倒なことをしなくてはいけなかったか?   そもそも私たちが新規事業を立ち上げようと思った背景には、これからは従来の「ものづくり」の「つくり(つまり製造工程)」よりも、「もの」の部分、アイデアや仕掛け、製品の哲学、製造の背後にあるストーリーが重視されるのではないかという考えがありました。 ※開発当時読み込んだ「MAKERS」 日本では横山興業のような「つく

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          ウェブデザイナーが金属加工の現場に飛び込んでみたら

          「BIRDY.」というファクトリーブランドの開発責任者をしている横山哲也と申します。 「BIRDY.」は2013年に誕生したブランドで、バーツール(バーでバーテンダーがカクテルを作る際に使う、シェーカーやメジャーカップ、バースプーンなどを総称してバーツールと呼びます)をメインに展開しています。 高品質な日本製のツールは海外のバーテンダーに高く評価されていることもあり、現在は世界22の国と地域に輸出され、各国のトップバーテンダーに愛用いただいています。 「BIRDY.」が拠

          ウェブデザイナーが金属加工の現場に飛び込んでみたら