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石垣忍さんと、初めての試飲会を開いた

「石の華」のオーナーバーテンダー、石垣忍さんとの出会いは、私と「BIRDY.」にさまざまなものをもたらしてくれました。

というのも、開発中のシェイカーがもたらす効果と石垣さんがシェイカーやカクテルに求めていることがシンクロしているように感じたからです。

そこで、石垣さんのフィードバックをシェイカーのアップデートに生かすべく、石垣さんと「BIRDY.」の試飲会を実施することにしました。

「振りたい」と言ってくれた石垣さんは、果たしてどんな感想をもつのだろうか。わくわくしながら当日を迎えたことを覚えています。

当日はプロダクトデザイナーにも同席してもらい、まずは石垣さんに向けて開発の経緯と、シェイカーが味を変化させるという「BIRDY.」の基本的な考え方についてプレゼンを行いました。

前回、石垣さん自身が理想のシェイカーを追い求めてカスタムメイドに挑戦したと紹介しましたが、カスタムメイドのシェイカーは内側にラインを入れて液体と氷のなじみ具合を向上させていたようです。
 
まずはサンプルのシェイカーで、ダイキリ(記憶が確かならば)を作っていただきます。

こちらは完成後にインタビューをさせてもらった際の写真、ダイキリではありません

振ってもらった感触は上々で、「カクテルの口当たりが軽くなることで飲みやすさがアップし、香り、甘さが強まる。味わいが全体的に上品に変わるだけでなく、カクテルの質感(テクスチャー)が明らかに変化した」というコメントをいただきました。

次に、シュガーシロップを使わずに「ダイキリ」を試作していただきました。
 
石垣さんのすごいところは、その場で判断せず、いつも「データをとりますね」とおっしゃるところです。

シェイカーであれば、何ヶ月かテストしてデータを取り、相性のいいカクテル・悪いカクテルを見定め、その理由まで検証してフィードバックしてくれます。

石垣さんが共感するのは目新しさではなく、データとして定量化されたもの。

ロジカルに「よりおいしい」を突き詰めていく姿勢は、「BIRDY.」の開発の方向性に大きな影響を与えてくれたと感じます。
 
また、この試飲会では「BIRDY.」のデザインについても大きな前進がありました。

理想的なシェイカーの形状は、液体や氷といった中身の移動(回転)を妨げる角のない形状、言うなればラグビーボールのような形です。

そこで、従来のシェイカーよりも内部の角をとり、全体的に丸みを帯びた、正統・王道のラインに仕上げることにしました。

デザインのテーマはずばり、「王道」です。
シェイカーの底や口の形状についても石垣さんにアドバイスをいただきました。

ここまで使ってきたサンプルは、市販のO型シェイカーを職人に研磨してもらったものでしたが、石垣さんから「2層構造のボストンシェイカーで試してみたい」というリクエストをいただいたので、彼のシェイカーを預かって工場で同様の研磨を施してみることにしました。

プロダクトデザイナーと設けた第1弾のデザインの締め切りは、1ヶ月後。
果たして「BIRDY.」1.0はどんな仕上がりとなるのでしょうか。
 
続く

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