✓できたてごはんを君に/行成薫
▽あらすじ
ダイニングカフェの新規開店に向け、
看板メニューのカレー開発に励む璃空。
一方で妻の杏南はワンオペ育児で疲弊していて・・・。
(「スパイスの沼」)
「梅屋」の変わったトンカツの出生の秘密とは?
笑子と林大和の優しいやりとりが心にくる。
(「ほほえみ繁盛記」)
大好きだったラーメン屋の店主が亡くなり、
その味を再現するべく立ち上がったすみれ、
たくさんの人の力を借りて味の復活を目指す。
(「オンリーワン・イズ・ナンバーワン」)
若きパン職人・照星は、小麦粉アレルギーで
パンを食べられない子供と出会う。
それなら小麦粉不使用の超絶うまい
米粉パンを俺が作る!と決意するが…
(「ハッピーバースデー・トゥー・ユー」)
▽感想
この本はすごく良かった!
食事をするには稼がなきゃいけない、
それに合わせて家庭だって無視してられない。
何かを成し遂げるには、
マイナスがつきものなのかもしれない、
放って逃げるのだって簡単な事。
それでも、向き合って
お互いを尊敬しあって
その過程の中においしいご飯があること、
そのご飯が誰かのためになっていること、
そしてそれを実感した時の喜び。
作っている人はなにを考えているのか。
誰かのためにと考えている人に
「レトルトでいいよ」という残酷さ。
本当は その食品が食べたいのに、
食べれないひとたち、
そしてその人と達のために
人生をかけて食べさせようとしてくれる人たち。
この本は、
食事に対して、食べる人たちに対して
真剣に向き合って、ときにはぶつかって
食べること、作ることの意味や喜びを
教えてくれるとてもいい本でした。
話が繋がっていて、特に最後の話は涙が出た。
よくできているお話達でした。
✓できたてごはんを君に/行成薫/集英社文庫
↳サンプルもありますので、ぜひ
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