多摩川上流、羽村堰で野鳥観察
雨上がりで曇りの日曜朝。
夕方から天気が崩れ、来週はずっと雨と天気予報が告げていた。
曇りだけど野鳥を見に行こうと、カメラを持って自宅を飛び出す。
目指すは東京西部、羽村市にある取水堰。
羽村堰は多摩川河口から53㎞上流にあり、多摩川の水を江戸に届ける玉川上水の取水口として作られた。
付近で野鳥がたくさん見られるとのことで、一度行ってみたかった所だ。
日曜日でも人が少なく、静かな時間を過ごせそうだ。
登山客で賑わう青梅線に乗り、羽村駅を目指す。
羽村取水堰は、羽村駅から徒歩10分。
空気が明らかに澄んでいておいしい。
ウォーキングだけでもリフレッシュできそうだ。
人影はまばらで、見かけたバーダーさんは1人だけだった。
橋を渡ったところでいきなりジョウビタキに出会う。
このあたりの野鳥は警戒心が強いのか、あっという間に逃げて行った。
この季節の梅の木には、必ずと言っていいほどメジロがいる。
彼らは花の蜜に夢中になっているせいか、逃げようとしない。
君たちは梅や桜が良く似合うね。
取水堰横にある浅間岳という山に登ってみる。
途中から登りがきつくなり、息が上がる。
20分ほどで山頂に到着。暖かい日だったせいか、汗だくだ。
地元の高齢者の方たち数名とすれ違う。
ちょっとした運動には良い高さだ。
森林浴もできる。
エナガ、ヤマガラ、シジュウカラなどの声が聞こえるが、葉をつけた木が多くなかなか姿を拝めない。
遠くで「ヒッヒッヒッ」と声が聞こえる。
もしやルリビタキでもいるんだろうか。
声のする方へ行くには、雨上がり後で滑りやすい坂道を進む必要がある。
どんくさい私、上を見ながら歩いたら絶対転ぶな。
潔く諦め、川べりで鳥を探そうと下山する。
川からのバシャッという音に目を向けると、ダイサギが口に大きな戦利品をくわえて立っている。
ダイサギは魚をあっという間に丸飲み。
よく窒息しないなあと感心する。
丸飲みされた魚を消化する胃袋は、さぞかし強靭なんだろうな。
川辺には葦がたくさん生えている。
小鳥たちの絶好の隠れ場所だ。
少し奥まで歩いてみる。
ホオジロやツグミに気を取られていた私。
帰宅後の写真確認時に、ジョウビタキがいたことに気づく。
まだまだバードウォッチャーとして修行が足りないと、心の中で地団太を踏む。
ヨシ原近くを歩いていると、小鳥たちがバッと飛び立つ。
まるでカワラヒワがなる木みたい。
野鳥の会の人は、これを見てパッと「はい○羽」って数えられるんだろうね。
数えてみると41羽。カワラヒワの体重は17-30gというから、これだけいても700-1200gしかないことになる。
私の体重を分けてあげたい。
対照的に一羽で行動する小さな猛禽、モズ。
今日の彼は全体的に黒色強め。尾まで黒い。
個体で色目が異なるのがおもしろい。
目の前の枝にシュッと明るい色の小鳥が留まる。
多摩川では、オオジュリン以外にシベリアジュリンというそっくりさんも目撃されているらしい。
足の色やくちばしの形から、この方はオオジュリンなのだろうか。
野鳥観察はこういった種類を特定する過程も楽しい。
野鳥に興味の無い人からしたら、みんな「茶色系の小鳥」に過ぎない。
私自身も、野鳥に興味を持つまでは「小さくて茶色い鳥=スズメ」としか認識していなかった。
見た目は似ていても、海を渡ってくる鳥もいれば、ずっと日本に住む鳥もいる。
ずっと見た目が変わらない鳥もいれば、恋の季節に衣替えする鳥もいる。
彼らの好物はそれぞれ異なる。
彼らの生態を知れば知るほどおもしろい。
山(丘?)を昇り降りして少々疲れたので、川べりで一休み。
川のせせらぎを聴きながら食べるおにぎり。
ああ、おいしい。
トンビがピーヒョロロロと鳴いている。
彼らは餌付けされていないようだ。
私のおにぎりを気にする様子は無く、風に乗って南の空へ飛んで行った。
今日も非日常の時間を楽しみ、リフレッシュできた。
最近は更年期のせいか、あまり遊びすぎると翌日に疲れを持ち越してしまう。
雲が増えてきたことだし、そろそろ帰ってゆっくりお風呂に入ろう。
羽村堰を後にする。