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馬について

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#眠れない夜に

あの海岸を馬と走ったりしたい【その④】

あの海岸を馬と走ったりしたい【その④】

その①はこちら
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馬と距離をおくことにした……一方で、もちろん私は、馬のことが嫌いになったわけでは全くなかった。
社会人2年目の春、雨に濡れる仙台のアーケード街をなんとはなしに歩いていると、見慣れたケモノの臭いが鼻を突いた。なんとそこに、小さな馬がぽつんといた。商店街のど真ん中である。

乗馬クラブというのは、経営的な難しさがあるのか、フィットネスとはまるで異なり、

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あの海岸を馬で走ったりしたい【その③】

あの海岸を馬で走ったりしたい【その③】

その①はこちら / その②はこちら

■2回目のモンゴル もう出オチみたいな感じだが、1回目のモンゴルで完全に取りつかれてしまった私は、大学4年の3月、つまり丸1年後に、全く同じ場所で行うそのツアーに再び参加した。
 このツアーは、リピーターが結構いる。重症患者(あえて患者といおう)になると、6回、7回の参加もいるほどだ。
 リピーターの面白さは、主催者との関係がある程度築かれているので、比較的よ

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あの海岸を馬で走ったりしたい【その②】

あの海岸を馬で走ったりしたい【その②】

その①はこちら

さて、無事に大学に入学した私は、大学生活の花形になるであろうサークルないし部活動を決めるべく、ひとまず馬術部を見に行った。
北海道札幌市の中心部、地下鉄3駅分にわたる広大な大学の敷地内の一番北側、獣医学部棟の近くにその馬場はあった。

今思い返せば、かなり立派な馬場だったように思う。厩舎の隅っこにひっそりとナズナが生えていて、その隣にはずいぶんと人に慣れた様子の野良猫が、わずかな

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あの海岸を馬で走ったりしたい【その①】

あの海岸を馬で走ったりしたい【その①】

私にはちょっと珍しい趣味がある。乗馬だ。通っているわけではなく、数か月に一度ふらっと外乗するのが現在のスタイルである。

今日は、いかにして私が乗馬というものに出会い、とぎれとぎれになりながらも、その関わりを保ち続け、今にいたるのかということについて、書いてみようと思う。

そしてこの記事が、ちょっと乗馬をやってみたい人の一助になればと思う。

■人生初の乗馬体験――平塚幼稚園の頃から、なぜか馬と

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