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【#129】第50回衆議院議員選挙レポート(2024 10.27)


 まず冒頭にこの記事の趣旨を申し上げますが、衆院選の結果を受けた私の「感想」です。 今回私は「諸事情」で取材が全く出来なかったので「記事」という体で書く資格は無いのですが、前回の衆院選もレポート化したので今回もそれに合わせた形です。
 また、有料記事となっていますが大部分は無料で読めます。 有料部分に書いているのは私の比例投票先で、取材する立場として公表しつつ、一応個人情報になるため「鍵」をかけた形です。 興味のある方はご購入下さい。




選挙ドットコム より引用)


◆大惨敗の自民が、唯一プラスだったのは・・・

毎日新聞 より引用)

 「石破茂」という「カード」を使えたコトだろうと。

 抜群の知名度を誇りながら長年「反主流派」にいて、自民支持者からの期待は高いままながら触れるには躊躇した存在。 そのカードを今回、遂に使うコトが出来たのは、党内の多数にとっては、ずっと片づけられずにいた “不発弾”“処理” できたようなキモチになっているのではないかと。

 党内と支持者で評価が乖離している存在を、誰がやっても勝てるわけないシチュエーションで使い、「ね、やっぱり使えないでしょ!」と誇示できて、皆の認識が揃ったトコロでカードを「切る」ための選挙だった、と、自民党の人は思うしかないですね。(それにしても負けすぎですが・・・)

 「自公過半数割れ」という、私が常々願っていたハズのものを突然目の前に突きつけられると実感がなく戸惑ってばかりですが、政権の枠組みを変えるコトが出来たので、この選挙は自公の「負け」です。 ざまぁみろって!!

 これで下野するコトはないでしょうが、安定多数の議席に慣れすぎてダレきった自民がどういう動きをするか、見させてもらおうじゃないですか。


◆公明党の未来は、どっちだ!?

毎日新聞 より引用)

 余分に候補者を立てるので当選しない人が出る比例はともかく「全員当選の大勝利」である通常選挙(地方選挙など)の小選挙区で「11選挙区4勝7敗」となったのは衝撃で、しかもこれまで比例で出馬していた石井新代表が「ここから出る!」と指定して出馬したと言われる埼玉14区で落選するとは・・・

 公明党は選挙区候補が比例区と重複立候補しないのでお馴染みですが、それは信者支持者に緊張感を持たせるため」らしいです。 が、それで代表が落選してしまっては世話ないな、としか。

 それにしても、政権入りして四半世紀ですか。 第2次小渕政権からなので随分長くなりましたね。 その立場、いつまで続ける気ですか?
 かつての公明党は安定した議席数を持って「キャスティングボードを握る」コトを目標にしていましたよね。 それで存在感を示していたのに自民と組んで四半世紀経ち、自党の政策を通すコトより自民の横暴を黙認するコトが多くなり、ただの『駒』扱いに成り下がっていますが、それで良いのですか?

そろそろ、与党を降りてみたら如何でしょうか?

 そもそも政策自体は中道左派に近いのですから、自民と組むか立憲と組むかという振舞いで国会に「緊張感」を持たせる立場になれば存在感を増しますよ。
 これから政権の枠組みが変わり他党が加わると、更に与党内で存在感が薄くなる可能性が大。 さぁ、公明はそれでも自民にしがみつくのか、それとも与党を飛び出し・・・ は無いか。 ならば、ここまでコケにされても自民にしがみつくみっともない姿を見させてもらいますか。


◆立憲民主党の「作戦」と思わぬ「誤算」

THE PAGE より引用)

 衆院選を前に代表を泉健太氏から野田佳彦氏に替えた立憲。 私は泉氏が代表を続け、衆院選を集大成とすべきだと思っていましたが、今回の議席増を見れば、野田氏に替えたのは成功だったのでしょう。

 この選挙が始まる時、私はこのニュースが気になっていました。

 小沢一郎氏が「他党との候補者調整担当」に就いた、と。

 こっからはプロレス好きな私特有の「見立て」だというコトを考慮の上、読んでいただきたいのですが・・・

 前回の衆院選では小選挙区落選の憂き目に遭った小沢氏ですが、今回は対立候補が「裏金問題」で比例重複ナシと “自滅” をしてくれたので自分の身は安泰だと。 ならば安心して党の仕事が出来る。 それで就いた、他党との調整担当。 本人は「何をやればいいんだ?」とウソぶいていたらしいですが、お飾りでこのポストに指名されるワケがない。

 しかし今回、共産との共闘が上手く行かず、共産は立憲を気にせず候補をバンバン立てた、ように見えますが、実際は立憲が戦況を見極めた上で「一本化にこだわらなくてもイケる」となり、共産と手をうったと。
 実際、共産は一部で候補を取り下げているので調整をしている様子も見えるので、これが今回の立憲の作戦だったのでしょう。

 ただ、立憲にとって誤算だったのは、こんなにも自民が崩れるとは思ってもいなかったのではないかと。 恐らく自公が “ギリギリで” 過半数割れするコトを目指して作戦を立てて候補を擁立、調整したのでしょうが、それであるが故に想定以上に崩れた自民票を拾い上げるコトが出来なかったと。 そして、それを拾ったのは、いつまで経っても同じ「略称」を使い合ってる、あの党でした。


◆国民民主党で揺らいでいるものは「足元」ではなく・・・

THE PAGE より引用)

 「4倍増」という驚異的な伸びを見せた国民民主党。 以前から若者層に人気は有りSNSでも高評価なのにイマイチ伸びきれなかったのは、今回の結果に立って振り返ると、

(2022年参院選の広告)

 政策のターゲットを若者層に向けなかったせいだったのだろうと。 それが今回、

(今回のPR動画より引用)

 「手取りを増やす」という、若者層へダイレクトに響くキャッチコピーを掲げたコトが大成功し、大幅増と相成りました。

 これで公明が与党入りしたコトで手放した「キャスティングボード」を握るコトが出来た国民民主党。 来たるべき首班指名の際、自民は協力を求めてくるものと思われます。 そこで国民民主としては何かしらの政策を受けるよう要求するでしょうが、かつてトリガー条項復活の要求を袖にされた同党に、自民が受け入れるような政策が有るのか、、、 有るんですよ。

(選挙ドットコム より引用)

 いわゆる「103万円の壁」「178万円」に引き上げるという政策が。 この政策にどれだけの効果が有るのか分かりませんが、これなら自民も了承するでしょう。 与党入りするまで行くかどうかは分かりませんが、これを条件に首班指名で自民総裁の名前を書くのではないか、と見ています。

 ただ! 忘れてはイケないコトが二つあり、ひとつは代表の玉木雄一郎氏があっちへフラフラ、こっちへフラフラする、“コンニャク人間” だというコト。 プロレスで例えるならば「新日本プロレス社長時代の藤波辰爾」です(例:社長なのに会社の人事を東京スポーツ紙面で知る)。 早速、

選挙戦のマイク収めに登場し自身のアピールの場に利用した(断言)石丸伸二氏が何だか怒っている(説明するのもバカバカしい・・・)コトに対し猛スピードで謝罪していたりと、そのコンニャクっぷりを発揮しています。 SNSの支持者は「悪いと思ったらスグに謝れる政治家はいない」などと喜んでいるようですが、今までいなかったのはただ単にそんなバカな振舞いをする政治家がいなかっただけの話だというコトに、支持者はいつ気づくでしょうか。

 いずれにせよ国民民主党にとって最大の不安要素は急増した議員の資質でもブームに乗って増えた形の支持者でもなく、思考も行動もコンニャクな玉木代表その人だというコトです。

 そしてもうひとつ、これは絶対に忘れないし、許せないのが、

尊厳死「社会保障費抑制」の対策として持ち出して、人の命と金を天秤にかけやがったコト。
 尊厳死について、私はかつて全面的に反対の立場でしたが、昨年体調を崩した経験をへて、患者自身の状態と意思によっては考えても良いのではないかという考えに変わりました。 だからこそ尚更、人の命を金で計ろうという発言をしたコトは、絶対に許しません。 絶対に

 それにしても、7議席からの4倍増。 ・・・って、そんな少なかったっけ? って思ったら、一部議員が離党したんでしたね。
 そう、“政界のキングボンビー” とも言われる、あの人が率いる一派が。


◆万博と斎藤と「(誠)」に取りつかれた、維新

(MBS NEWS より引用)

 抜けた国民民主が躍進し、入った維新の議席が減るという。 “政界のキングボンビー” こと前原誠司氏(以下、「(誠)」)の真骨頂が存分に発揮され(てしまっ)た維新でした。 議席減最大の要因はコレに尽きるのでしょう。

 ・・・って、コレで終わったらダメなので書き足すならば、万博のズンドコが露呈してから維新の凋落が始まり、斎藤元彦兵庫県知事の件で評判がガタ落ちする中で迎えた衆院選。 大阪では小選挙区全勝という前回を上回る結果を出すも他県では惨敗し、大阪のローカル政党の色合いが更に強くなってしまいました。

 さて、今後。 まずは首班指名ですが、現在の立ち位置でいえば自民より野田代表の立憲に近いハズなのでおそらく「野田佳彦」と書くコトになるのだと思われます。
 しかし今後の維新を思うと、万博もカジノも上手く行くハズもないであろう中で、ここからアガる要素が見えません。 ならば自民か立憲、どちらかにすり寄る戦略を取らざるを得なくなる可能性が高いでしょうか。

 維新という政党は橋下徹氏に始まり(松井一郎氏がそうだったかは分かりませんが)吉村代表“若きスター” をウリにしてきた政党ですが、吉村氏が段々と飽きられ、足立康史氏が引退し音喜多駿氏や小野泰輔氏が落選。 近づこうとした石丸伸二氏も国民民主に引っ張られそうな今、次の時代を担う “維新の志士” は現れるのでしょうか。

 本来(若くはないけど)、それが「(誠)」なのでしょうが、彼は、キンg・・・(以下略


◆共産よ、ジャイアント馬場に学べ!

TBS NEWS DIG より引用)

 初の女性委員長誕生、久しぶりの候補者大量擁立、そして今回の選挙戦を決定づけた赤旗のスクープと追い風だらけだったハズの共産でしたが、結果は2議席減らし、議席数が国民民主にも、れいわにも抜かれてしまいました。

 赤旗のスクープに見られる通り、間違いなく正しい主張をしているのだから、その発信を赤旗だけでなくネット等で大々的に発信すべきだとは思いますが、支持者層の高齢化や地方の議員選挙に見る党勢の凋落を見ると、起死回生の一手が見当たらないのが現状で何とも言えないのですが、ひとつ提案(というか、願望)が有るとするならば、

TAKAみちのく選手twitter-X より引用)

 1989年、プロレス界は新日本やUWFが「格闘技路線」と呼ばれる、殺伐とした戦いが人気の中で全日本プロレスが掲げたのが、

「みんなが格闘技に走るので、私、プロレスを独占させてもらいます」

というキャッチコピー。 明るく楽しく激しい、本物のプロレスはココ(全日)に有ります。 という強烈な宣言でした。

 これのように、共産には左派リベラル独占する方向に突っ走ってほしいなと。 それで党勢が挽回できるかは分かりませんが、他党が手放しつつある左派をまとめて引き受ける気概をみせてほしい。
 
 正しいことなら真面目に取り組めるし、真面目なコトは胸を張って続けられます。 それは党も、支持者も。 現在、左派リベラルの支持者は、どこに向かえばいいのか、誰を支持すればいいのか、路頭に迷いかけています。 そこに手を差し伸べるコトで支持を広げられるかもしれません。

 ただし、それをやるためには、支持者が胸を張って支持できる環境づくりをしていかなければなりません。 党を守るのか、左派リベラル支持者を守るのか、もう一度考えてみていただけないでしょうか・・・。


◆れいわの態度は、直ぐに問われる時が来る

れいわ新選組HP より引用) 

 3倍増9議席と国民民主に次ぐ躍進を遂げた、れいわ新選組。 議席数で共産を抜き、いよいよ中堅政党になってきました。

 ただ、この画像のメンバー全員が、比例当選なのですよね。 共産も社民も小選挙区で虎の子の1議席を今回も死守しました(奇しくもいずれも沖縄の選挙区ですが)。 両党ともれいわより議席は少ないですが、小選挙区議員がいるからこそ価値が出てくるのです。
 他方、全員 “銀バッジ” といわれる比例区選出のれいわは、議席数こそ多いものの輝きが鈍く見えるのは否めません。 勿論、小選挙区も比例区も同じ議席ですから価値は一緒ですが、小選挙区落選から比例復活した候補の惜敗率50%にも満たないというのは、何とも・・・

 何はともあれ、中堅政党になったれいわが今後どういう役割を担い、どういう振舞いをするのか。 それが問われるの機会が、首班指名選挙でしょう。 決選投票となった時に、れいわがどちらの名前を書くか。

 これ、予感というか予言というか、なのですが、もし首班指名の際に「白紙投票」「退席」をして、例によってtwitter-Xで長文の言い訳理由説明を書き綴るようなコトが起きる気がします。 その際は「あっ、また(まだ)それなのね」と存分に呆れかえる予定です。 元れいわ信者だった私としては、そんなしょーもない振舞いはしてほしくないのですが・・・


◆社民よ、世代交代はよ!

社民党政見放送 より引用)

 沖縄2区の1議席を死守したものの、それのみに終わった社民党。 どう考えても比例で獲れる要素が無かったので予想通りでしたが、気になったのは相変わらず福島党首が目立ちまくる党の姿勢。

 画像のように大椿ゆうこ氏が副党首になり、二名並び立つ場面が増えてきましたが、やはり福島党首が喋る機会が多し、何より目立つ・・・
 私は2022年の参院選終了時から、社民党は世代交代を進めてジェンダー政策に振り切った党に移行すべきだと主張していますが、そのキモチはこの選挙を経て更に強くなりました。
 福島党首が2028年まで議席が有るので、そのうちに党首を若手(大椿氏など)に譲り、大胆なリニューアルを図るべきではないでしょうか。

 マジで、「どっこいどっこい」なんて叫んでる場合じゃないですよ・・・


◆参政党伸び悩みの原因は、↓

THE PAGE より引用)

 3議席を獲得したとはいえ、2022年参院選の熱狂を思えばもう少し伸ばしても良かった参政党ですが、伸び悩んだ原因は簡単で、

(2022年参院選の頃)

「ゴレンジャー」と呼ばれた “複数スター制” を捨てて神谷代表の独裁体制になったコトに尽きるでしょう。

 代表格が5人いて、支持者が “推し” をそれぞれみつけ、党名の通りボトムアップのシステムが続いていれば、(主張の内容はともかく)保守党なんて目じゃないほどに伸びていたでしょうが、自らそれを捨てて完全にのシステム(独裁、トップダウン)になるんだから、世話ねぇわな、と。

 今回当選した3名もキャラが薄くて独裁体制からはみ出せないし、松田氏は代表を外されたのに続いて当選者が出た南関東ブロックで出馬予定だったのを東京ブロックに変更されたせいで代議士になる機会を逃すという不遇っぷり。 「ゴレンジャー」から「オンリー・ロンリー・オレンジマン」になる日は、もうすぐそこに近づいているのかもしれませんね。


◆これは「日本保守党」なのか?

TBS NEWS DIG より引用)

 「作家」と「ジャーナリスト」という政治経験の無い2名によって結党した日本保守党。 今回、河村たかし氏という政治経験豊富な人物を選挙区で当選させるなど合わせて3議席獲得し、新党がスタートするにはハードルが高い衆院選で複数議席獲得できたのは、れいわや参政党より良い結果が出たと言えます。

 が、これからは河村たかし氏がバンバン露出するのが容易に想像できる一方、近畿ブロックで自身を1位に置けば当選できたのに「3位」という絶対届かないであろう順位に並べ、明らかに政治家になる気がないコトが明らかになった百田尚樹代表の姿勢を見ると、コレは「日本保守党」なのか「減税日本」なのか分からなくなってくるのではないかと私は思っています。

 東京ブロックで議席が獲れず有本香事務総長が当選出来なかったのは意外でしたが、私が期待していたのは議員になった有本氏と議員になる気がないのにトップに君臨している百田代表が、派手な内ゲバを披露してくれないかと期待していたので、残念です(笑)。
 既に百田代表と衆院東京15区補選に出た飯山陽氏の間でバチバチやり合っているのを見ると、「左派は内ゲバする」なんて言われるけどよっぽど右派が内ゲバしてるよなぁ~、と改めて思ったのでした。


 以上が、今回の選挙を見た(翌日の)、私の感想と見立てでした。

 では、有料部分では私の比例投票先を載せます。 もし興味のある方がいましたら、ワンコインで御購入してみて下さいませ。


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