今週の選挙(2024 5.26投票)
今週は何といっても静岡県知事選が大注目なのですが、例によって他で散々語られているものは私が触れても仕方が無いので省いています。
また、“選挙出まくりマン” 小西彦治氏が相生市長選のドタキャンの衝撃が冷めないうちに静岡県藤枝市長選に出馬してきましたが、そちらについては、
コチラで書いています。 随時更新しているのでチェックしていただきたく。
では、残りの選挙9件を見ていきましょうか。
◆【取材済】静岡県・藤枝市議会議員補欠選挙(定数1/2人)
自民党系の現職が亡くなられたコトを受けて行われる選挙で、消防団長の新人と立憲公認の新人で争う一騎打ちです。
消防団長は亡くなられた現職と同じ地区に住んでおり自民系。 後任候補と見て良いでしょう。 普通の市議選ならコレだけで当選確実なのですが、今回は補選。 市全体の票が2人の候補に集まる中でより多い支持を得られるのか。 そして今や “足かせ” にもなりかねない「自民」の看板がどう作用するのか気になります。
そんな中で「公認」候補を出してきた立憲。 (自民の失点と相対評価によるものだとはいえ)世論調査でも支持率が上がって来た勢いを感じさせます。
候補は介護や歯科関係の仕事を務めてきた女性。 爽やかな印象でポスターを投票基準にしている有権者(特に男性)なら一票投じたくなるでしょうが、スタッフの数は消防団長陣営より少なく選挙運動も不慣れ。 その姿を見た人は不安に感じてしまうかもしれません。
知事選が同時に行われるため両陣営に国会議員が知事選の票を掘り起こす目的で補選候補の応援演説をするという地方では珍しい熱の入り方を見せているこの選挙。 果たしてどちらが勝つのか。 そして知事選により貢献できた候補はどちらになるのでしょうか。
続きまして、残り8件の選挙を御紹介。
◎東京都・東京都議会議員補欠選挙/目黒区選挙区(定数2/5人)
4月に行われた目黒区長選に出馬するために辞職(都ファと立憲の議員)したために空いた2議席を埋める選挙で、目黒区議を辞して出馬した無所属新人候補と、共産党公認で区委員長の新人と、区長選出馬で失った議席を取り戻しに来た立憲公認の元職と、自民党公認で元衆院議員の新人と、鍼灸師の新人の4人で争います。
立憲の元職は自ら手放した議席を取るための立候補なので、その姿は “間抜け” に見えてしまうかもしれませんが、先月の区長選で露出したばかりなので返り咲きは固そうに見えます。 気になるのは区長選では共闘した共産党が自党で候補者を擁立しているコトでどれだけ票が分散するか、です。
元目黒区議の無所属新人は目黒区長の息子。 区議も2期5年務め(充分ではないが)経験も有ります。 SNSを見ても為書きなどは載っていないので “属性” が分からないので、一体どうなるのか。 twitter-Xの「フォロー」を見る限り都ファや維新と親和性が高そうに見えましたが・・・
苦しそうなのが自民党で、ただでさえ元が立憲と都ファの議席を獲ろうというのだからハードルが高いのに、公認候補が東京都出身ながら衆院議員時代は京都から出馬しており、選挙自体も2009年以来15年ぶりです。 本日(木曜日)に「応援します 小池百合子」と書かれた女帝顔写真入りのシールをポスターに貼りだしたようですが既に選挙終盤。 効果が出るか疑問ですし、都ファ支持者も素直に票を入れてくれるのか。 自民にとって、修羅場が続きます。
そして元鍼灸師ですが、父は元目黒区議で芸能レポーターとして有名だった須藤甚一郎さん。 知名度を生かし区議を6期務めましたが2020年に逝去。 その意思を継ごうと選挙に出始めましたが、昨年の区議選、先月の区議補選と落選。 芸能レポーター時代の父を知っている人はアラフィフ以上でしょうし、無党派層の票で勝っていた父の票がそのまま息子に流れるワケもなく・・・。 そろそろ振舞いを考える時期かなと思います。
◎山梨県・小菅村長選挙
4期目を目指す現職に村役場の元課長が挑む一騎打ちです。
前回は僅か「2票」差で当選した現職。 多選のフェーズに入るコトを有権者はどう判断するでしょうか。
ところで、私が注目しているのは勝敗よりも投票率。 前回は驚異の「94.39%」でした。 全国的に投票率が低下する中、9割超を維持できるでしょうか。
◎静岡県・静岡県議会議員補欠選挙/静岡市清水区選挙区(定数1/4人)
自民党公認の食品販売会社役員と無所属の公認会計士、無所属の警備員と無所属の郵便局員の4人で1議席を争います。 この選挙は、
免許が失効に気づきながらクルマの運転を続け、公務にも運転して向かったそうで、当初は議員を続けるとしていましたが県議会会派から辞職勧告決議案を出すコトに決まり、県民からも辞職を求める嘆願書が提出されたため辞職。 となったコトを受けて行われますが、この人は当選時、国民民主党公認で知事を支持する会派に所属していました。
このような状況なので、公認会計士の新人は国民民主党の人なのですが「公認」の看板を出せず「無所属」で戦っています。
そこを突いて自民公認候補が議席を奪い取れるか。 昨年の県議本戦(定数4/5人)では自民が2候補を立て、票がもう一方に偏ったせいで落選の憂き目となりましたが今回は同時に行われる知事選の自民系候補が静岡市出身なので、それが追い風となるか。 私個人としては、この県議補選で自民が勝てないようなら知事選は予想以上の差がつくような気がしているのですが・・・
◎和歌山県・御坊市長選挙
2期目を目指す現職に環境保全団体代表の新人が挑む一騎打ちです。
御坊市は二階俊博氏のお膝元で、自民党はもちろん同党を離党した世耕氏や連合和歌山に岸本県知事も応援しているというコトなので、盤石です。
そんな圧倒的不利の中、立候補してきた新人。 無投票にせず民意を問う場を有権者に提供した点は素晴らしいと思いますが(“選挙出まくりマン” を除く)、この方、日本保守党(以下、ポン守)の党員。 先週の小田原市長選に続いて2週連続でポン守絡みの人が首長選出馬してきました。
ポン守は一般党員なら党費が年6,000円。 月500円で入れるというハードルの低さで広く党員を集めているため、今後もこういった方が現れるケースが増えてくるのでしょう。 さて、どれほど票を獲得できるか。 供託金没収ラインを超えられれば御の字でしょう。
◎広島県・府中町長選挙
2期務めた現職が退任を表明し、次の座を巡り自公連合推薦で1期途中に町議を辞して立候補した人、共産が支持する2期途中で町議を辞して立候補した人、無所属で1期途中で町議を辞して立候補した人、会社社長、元中学校教諭の新人5人で争う選挙です。
広島市の東隣に位置する府中町は県内自治体で最も人口密度が高く(2024年4月1日現在)、平均年齢が4番目に若い(2020年10月現在)自治体です。
30代の候補が2人出ていますが、これは隣の海田町で行われた昨年11月の町長選で43歳の新人が71歳の現職を破ったコトが影響しているのかもしれません。 そのうちの1人が自公連合推薦の元町議なのですが、町議を1期務め上げられなかった点と「お姿」が心もとなく感じます。 ただ選挙公報(PDF)を見ると他候補よりは見やすく出来ているので組織力の強さも有るので有利かと見えますが、前述の海田町長選は自民推薦の現職が敗れているので、いくら岸田首相のお膝元といえど安泰ではありません。 さて、どうなるでしょうか。
◎山口県・周南市議会議員選挙(定数30/40人)
現職27人、元職1人、新人12人が立候補し、党派別では公明が4人、共産が3人、自民、国民民主、社民、幸福実現党(以上公認)、立憲(推薦)が1人ずつ立てた、女性候補6人出ている選挙です。
共産は1人が立候補せず、現職2人元職1人で現有議席確保を目指します。 前回は16位(不出馬の人)26位27位。 落選10人という激戦の中で勝ち抜けるでしょうか。 厳しい戦いだと思われます。
自民と社民は現職です。 社民候補は前回5位で(合併前の徳山市議を含め)6期務めているベテラン。 現在元市長(!)や他の無所属議員を集めて市議会第二会派を組んでいます。 自民王国で岸信千代ちゃんのお膝元である周南市で野党系議員というのは貴重な存在。 多選なのが不安ですが7選なるでしょうか。
国民民主と立憲、そして幸福実現党が新人を擁立。 前回立憲が推薦候補を出していたかは不明ですが、国民民主は前回が次点落選で今回再挑戦。 幸福実現党は県代表で2009年から国政選挙に駆り出されていた人が市議選初挑戦です。 幸福実現党の地方選挙の流儀通り落下傘候補ではなく周南市在住の方です。 “創始者” が亡くなられて党の存在意義が分からなくなってきた、と思いきや地方で少ぉ~しずつ議席を伸ばしている同党。 当選すれば54人目(党HP調べ)の地方議員誕生となりますが、果たして。
その他、「再挑戦」というワードを初出馬の前回に続いて今回も掲げている候補や73歳のタレントなどの “味わい深い” 候補もいる選挙。 結果が楽しみです。
なお、日刊新周南さんが、分かりやすい候補者の顔写真つき一覧表を出しているので詳しく知りたい方はご覧ください。
◎徳島県・小松島市議会議員補欠選挙(定数1/2人)
現職が亡くなられたコトを受けて行われる選挙で、67歳の元副市長と27歳の漁師の新人2人で争う “年の差40歳” の一騎打ちです。
市職員として30年務め副市長までになった人と、ミュージシャンを目指して上京するも帰郷し漁師になったという、年齢も含め何もかも対照的な2人。 元副市長の実績か、27歳の若さか、市民はどちらを選択するでしょうか。
◎高知県・日高村長選挙
4期務めた現職が退任を表明し、次の座を村の元総務課長と村の元企画課主幹という、いずれも村の職員だった人による一騎打ちです。
37歳の元企画課主幹は地域密着型の政治団体を立ち上げ、YouTubeやSNSを駆使して戦っていますが、59歳の元総務課長には公明党が推薦を出しています。
公明党が単独で推薦を出すというコトは・・・ “そういうコト” なのでしょう。 果たして元企画課主幹は、その「厚い壁」をブチ破れるか。 注目です。
以上です
候補者の皆様の御健闘をお祈り申し上げます
※ “選挙出まくりマン” を除く