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突発性難聴についてまとめてみた

突発性難聴は、突然片耳の聴力が失われるという驚くべき状態です。
特に原因が明確でない場合が多く、西洋医学でも解明が進んでいない部分が多いですが、東洋医学の視点からはどのように捉え、対処することができるかをまとめてみました。

本記事では、突発性難聴の原因やリスク要因、東洋医学的なアプローチ、実際に用いられる漢方薬について詳しく解説します。

①突発性難聴の原因とは?どんな状況で起こりやすいのか

突発性難聴は、急激に片方の耳の聴力が低下するもので、突然起こるため多くの人が戸惑う病気です。原因は多岐にわたりますが、以下のような要因が考えられています。

・内耳の血流障害
内耳は非常にデリケートな組織で、血流が滞ると機能不全を引き起こしやすくなります。

ウイルス感染
特に風邪やインフルエンザなどのウイルスが内耳に影響を与えることがあります。

過労やストレス
過度なストレスや疲労は体全体のバランスを崩し、聴力にも影響を及ぼします。

自己免疫反応
体が自己の内耳を誤って攻撃することが原因となることもあります。

特に長時間の労働や精神的ストレスを抱える人、また睡眠不足が続いている人は、突発性難聴のリスクが高まる傾向にあります。季節の変わり目、特に秋から冬にかけての体調管理が重要です。

②腎虚と気血の滞り 〜東洋医学の考え方から

東洋医学では、突発性難聴を体全体のバランスの乱れとして捉えます。その中でも、以下のような要因が突発性難聴の原因とされています。

腎虚(じんきょ)
東洋医学では「腎は耳に通じる」とされ、腎の機能が弱まると耳の不調が現れやすいと考えられます。特に中高年に多いこのタイプでは、腎を補う治療が有効です。

気血の滞り
気や血の流れが滞ることで、耳への栄養供給が不十分になり、聴力低下を引き起こします。特にストレスや疲労が原因でこのタイプの難聴が起こることがあります。

風邪(ふうじゃ)
外部から風邪(ふうじゃ)が侵入し、耳に影響を与えると考えられています。
この場合、体内の邪気を取り除く治療が行われます。

東洋医学的には、これらの要因を改善するために全身のバランスを整えることが大切です。腎を補うこと、気血の巡りを良くすること、そして外邪を排除することが治療の中心となります。

③突発性難聴に使われる漢方薬

実際に突発性難聴の治療に用いられる代表的な漢方薬をいくつか紹介します。これらの漢方薬は、体質や症状に応じて処方されるため、専門家に相談しながら使用することが重要です。

1. 八味地黄丸(はちみじおうがん)  
腎虚による耳の不調に使われる代表的な漢方薬です。腎を補うことで聴力を改善し、難聴の進行を防ぎます。

2. 六味丸(ろくみがん)  
同様に腎を補う効果があり、特に中高年の方の突発性難聴に用いられます。内耳の血流を改善し、栄養を行き届かせる効果があります。

3. 釣藤散(ちょうとうさん)
ストレスが原因の突発性難聴に対して使われることが多く、気血の巡りを良くし、耳周辺の緊張を緩和する効果があります。

4. 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)  
炎症や熱が耳に影響を与えている場合に使用されます。体内の余分な熱を冷ます効果があり、難聴の改善に寄与します。

まとめ

突発性難聴は突然の症状で不安を感じる病気です。
実際に耳垢が水を吸って聞こえにくくなるだけでも、一瞬混同する方も多いのが現状です。

東洋医学的なアプローチは、急性期(症状が出てすぐ)と慢性期(症状が出て時間が経過したもの)では対応が異なります。今回挙げたものは、慢性期での使用が多いものになります。

原因を考え、改善していく中で、体全体のバランスを整えることにも意味がありますので、お薬頼みではなく、生活から見直すことも忘れないようにしてくださいね。
腎虚や気血の滞りに注目し、適切な漢方薬を選ぶことは、難聴だけではなく、身体の質を向上させることにも役立ちます。
うまく取り入れていってくださいね。

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