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デモクラシーのプリンシパル:Majority Rule, Minority Rights マジョリティ・ルール マイノリティ・ライツ"

アメリカのデモクラシーの用語のようですが、日本では紹介されていませんね。というわけで紹介です。

和訳について

直訳すると

マジョリティのルール、マイノリティのライツ

です。

日本語では、

多数決の原則、少数派の尊重

という用語が相当するようですが、明らかな誤訳ですね。

マジョリティ ルールは多数決と翻訳されていて、ライツは正しいという意味ですが権利と訳されることが多いのです。

それを感案すると

多数決と少数の権利

とでもなりますか。

ウイキペディア英語版

その他英語サイト

表面的には、多数決の原則と個人および少数派の権利の保護は矛盾しているように見えるかもしれません。しかし、実際には、これらの原則は民主主義政府の基盤を支える双子の柱です。

多数決は政府を組織し、公的問題を決定する手段であり、抑圧への別の道ではありません。自己任命されたグループが他者を抑圧する権利を持たないのと同様に、民主主義においても、いかなる多数派も少数派グループや個人の基本的な権利と自由を奪うべきではありません。

少数派は、民族的背景、宗教的信念、地理的な位置、収入レベル、または選挙や政治的議論での敗者であるかどうかにかかわらず、政府や多数派が取り除くべきではない基本的人権を享受しています。

少数派は、政府が彼らの権利と自己同一性を保護することを信頼する必要があります。これが達成されると、これらのグループは自国の民主的制度に参加し、貢献することができます。

いかなる民主主義政府も保護しなければならない基本的人権には、言論と表現の自由、宗教と信念の自由、法の下での適正手続きと平等保護、そして組織し、発言し、異議を唱え、社会の公的生活に完全に参加する自由が含まれます。

民主主義は、少数派の権利を保護し、文化的アイデンティティ、社会的慣習、個々の良心、宗教活動を維持することが主要な任務の一つであると理解しています。

多数派にとって奇妙または異質に見える民族的および文化的グループの受け入れは、いかなる民主主義政府にとっても最大の課題の一つとなり得ます。しかし、民主主義は多様性が巨大な資産となり得ることを認識しています。彼らは、これらのアイデンティティ、文化、価値観の違いを脅威ではなく、強化し豊かにする挑戦として扱います。

少数派グループの見解や価値観の違いがどのように解決されるかについての単一の答えは存在しませんが、寛容、議論、妥協の意志を通じてのみ、自由な社会が多数決と少数派の権利という双子の柱を包含する合意に達することができるという確かな知識だけが存在します。

copiltによる和訳
https://www.principlesofdemocracy.org/majority

アメリカ国務省
民主主義の原則 – 概要:民主主義とは何か

• Democracy rests upon the principles of majority rule, coupled with individual and minority rights. All democracies, while respecting the will of the majority, zealously protect the fundamental rights of individuals and minority groups.

https://americancenterjapan.com/aboutusa/translations/3077/

民主主義は、多数決原理の諸原則と、個人および少数派の権利を組み合わせたものを基盤としている。民主主義国はすべて、多数派の意思を尊重する一方で、個人および少数派集団の基本的な権利を熱心に擁護する。

https://americancenterjapan.com/aboutusa/translations/3077/

日本語で言及しているサイト

「マジョリティ・ルール、マイノリティ・ライツ」
(池内)
「民主党は一九九四年のクリントン政権最初の中間選挙で惨敗し、四十年ぶりに下院の多数党の地位を失います。上下両院で少数派の立場で政権運営を行うことになったクリントンを保守派はひどく叩いた。今のアメリカ議会の分極化の先駆けのような時期でした。そんな時、テーマはもう忘れてしまったのですが、クリントンが議論が分かれる解決がつかないような問題について、聴衆の質問に答えながら政策を説明している場面を聞いていました。ああでもないこうでもないと議論を重ねてもすっきりした結論は出ない。しかしクリントンは、当面の政策を示す。
 そこでクリントンはすらっと、「結局、民主主義の原則、マジョリティ・ルール、マイノリティ・ライツ(多数決で決める、少数派の権利を守る)なんだよね」と、さらっと言ったんです。すると、そこで聞いている方もみんなが納得している様子があったんですね。あんなに激しく議論をぶつけ合っていたのに、この一言ですっと収まった。この場面を聴いていて私は、「民主主義って、こういうことなんだ」と初めて学んだ気がしました。
 考えてみると、日本は民主主義が長く続いていることになっていますが、この肝心のことを、米軍放送にかじりついてこの場面を聞くまで教わっていなかったような気がします。日本には「マジョリティ・ルール、マイノリティ・ライツ」と言って、不満でもその場は収める、というような民主主義の原則が根付いていないのかもしれません。日本の公民教育でそれをきちんと教えていないのかもしれないし、あるいは欧米とは違う民主主義が存在しているのかもしれません。」

政治の「再生産ストーリー」を超えて【待鳥聡史】【池内恵】
『公研』2015年12月号「対話」
 ※肩書き等は掲載当時のものです。
待鳥 聡史・京都大学大学院法学研究科教授×池内 恵・東京大学先端科学技術研究センター准教授 https://koken-publication.com/archives/486

多数決について

 意思決定方法の手段としての多数決研究紹介です。

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