「人格の完成」について
日本語「人格」は「パーソナリティー」のこと
日本語「人格」とは「パーソナリティ」の翻訳語でした。
井上哲次郎の「人格の完成」とは
井上鉄次郎は、教育(能力開発”Education”の翻訳語)の目的を人格者=人格を完成した聖人 仏陀、キリスト、ソクラテスになることとしました。
大正期の人格の陶冶(教養とも ”bildung”の翻訳語)の流行
カントのPersönlichkeit(ペルゼンリッヒカイト)の翻訳がパーソナリティであり、それは人間の完全性の元となるこころのことでした。ペルゼンリッヒカイトの”bildung”(ビルドゥング 自分自身を神の像につくる)が人格の陶冶、人格の完成としてドイツから輸入されました。
人格を完成させるためには読書するという教養主義になりました。
教育基本法と「人格の完成」
教育基本法に「人格の完成」はクリスチャンの文部大臣田中耕太郎が原案を作らせた実現不可能な宗教願望でした。
パーソナリティについて
パーソナリテイは遺伝と学校ではない環境で決まる
パーソナリテイは遺伝4割、環境6割で決定されるとされています。
パーソナリテイ遺伝は4割、環境は6割
Heritability of personality: A meta-analysis of behavior genetic studies.https://psycnet.apa.org/record/2015-20360-001
パーソナリテイの変化は年齢
パーソナリテイの変化は教育ではなく年齢を重ねて起きるとされています。もっとも、もう1説あり高齢になると遺伝の割合がつよくなるというものです。
参考 Education の意味は能力開発