UNISON SQUARE GARDEN 7/27 プログラム15th ライブレポ
(注! 私が見ていた場所の都合上、ステージの様子を具に見て記憶することができなかったので、主に私の感想みたいな内容なので、それでもいいよという方は読んでいただければと、思います)
こんにちは、DAです。
こんばんは。
今回はライブレポです!
7月27日に舞洲スポーツアイランドにて開催された、UNISON SQUARE GARDENの結成15周年を祝う記念のライブに、行ってまいりました。
今日はその、『UNISON SQUARE GARDEN 7/27 プログラム15th』のライブレポートを、書いていこうと思います!
なんと、このライブが行われた7月27日の前日から、会場付近は台風に見舞われ、開催も危ぶまれるような状況でしたが、無事開演時には雨も止み、雲間から太陽もライブの様子を覗くように顔を出しました。
がゆえに!
尋常じゃない湿気と、夏と人の熱で会場はもう、蒸し風呂のような暑さでした。
会場入りすると、雨で濡れた芝生と、むき出しになった地面の泥と、密着する人肌と…
と、想像してみてくださいな。めちゃめちゃ暑かったのです。
暑さが厳しくなればなるほど、ライブへの高揚感もぐんぐん上がり、今か今かと開演を待っていたところ、17:25。
開演の5分前に、会場もモニターから、FM802の方など、ユニゾンに所縁のある方からのビデオメッセージが流れてきました。
「UNISON SQUARE GARDEN、15周年おめでとうございます!」
という声が聞こえてくるたびに、会場からは暖かい拍手が起こりました。
オチケンさんの、「プログラム15th、まもなくスタートです!!」という声とともに、再度拍手が巻き起こり、ステージは青い照明で照らされ、『絵の具』の透き通ったメロディが聴こえてきます。
貴雄さん、田淵さん、斎藤さんが順々に登場し、会場のボルテージはさらに上がっていきます。それぞれに楽器を持って、マイクの前に立って、『絵の具』の最後のピアノの一音までたっぷり使って、会場中の視線を集めて、昂ぶった歓声も徐々に静まり、息も風も止まったような時間が流れます。
その静寂に、大きく息を吸う音が染み込んでいき、斎藤さんの歌声から始まった『プログラム15th』。
一曲目は、
『お人好しカメレオン』です。
「だから今 その声を捨てないで」
そのフレーズが、この記念すべきライブの一節目として、溶け込んでいきます。
手を振ったり、体を揺らしたり、タオルで口元を押さえて感極まったり、それぞれ違うことをしているのに、舞洲に集まっている人全員が、ユニゾンの一音一音を掴み取って、波になっていく様を目の当たりにして、ユニゾンのワンマンライブ初参加のDAは、一曲目からド感動してしまいました。
アウトロの弾き語りで、再び会場の熱は、斎藤さんの一点に集まります。
そして、斎藤さんは歌い切ると、
「ようこそ!」
と、言い放ち、
貴雄さんのドラムが、一点に集まった熱を会場中に霧散させていきます。
2曲目は、
『シャンデリアワルツ』です。
この曲で会場は、再び熱を帯びていきます。
熱の形をそのままに、次の曲
『君の瞳に恋してない』が、さらにそれを大きくしていきます。
「せめて君ぐらいの声は ちゃんと聞こえるように」
その大合唱が、舞洲の濡れそぼった地上から、風に乗って海にも空にも届きそうな、そんなパワーを感じました。
「今日は長いよ〜!」
と、アウトロを弾き終えて、斎藤さんがはにかみます。その額にはもう汗が滲んでいて、もちろん他のお二人の額にも、お客さんにも。
短いMCを挟んで、
次の曲は
『流星のスコール』です。
熱気が詰まっていた会場の人壁の間を、心地好い風が抜けていきます。
「明日になったらもう会えないから 今に賭ける」
「一回だけしかないなら 一回だけで十分だ」
「想い続けて想い続けてさ ここまできたんだよ」
この日のために書かれた詩ではないものの、積み重ねてきたものと、それが繋がって今ここにあるもの、その存在の大きさを強く感じました。
個人的な話で恐縮なのですが、ユニゾンのファンとしてはもう新参も新参ですし、あんまり私がユニゾンの15年間の重みを語るのも違うよなぁ、と思っていたのですが、そんな迷いなんて全部かっさらわれてしまったのが、この曲でした。
軽快なリズムで始まる次の曲は、
『instant EGOIST』です。
『流星のスコール』のような、心中を吐露するような楽曲の次にこの曲を持ってくる策士・田淵智也たるや、という感じのこのセットリスト。曲半ばでは、『雄叫び』と言っても差し支えないほどの田淵さんの叫び声が、舞洲の地に響き渡ります。
「溢れ出すリズムは君のもの」
「それでもふぞろいに出そろった
心ステンドグラスはキレイだろう?」
まさに、そんなふうに音楽の波に乗るお客さんに、ユニゾンビギナーDAは本当に本当に感動しました。全部のライブがこうあれ、とは思わないけれど、こんなライブをするバンドが、今までもこれからもずっとあり続けて欲しいなと、思ってしまいました。
心地好いリズムが止んで、その流れを一気に巻き込むような『リニアブルーを聴きながら』イントロが、舞洲の地を打ち抜きます。
そして、さらに増幅した熱にまた新しい流れを生む『Invisible Seasation』に続いていきます。
野外の『Invisible Sensation』もまた、気持ちいいのなんのって。
2番で掻き回された熱気が時間をかけて整えられて、
「高らかに 空気空気両手に掴んで
咲き誇れ美しい人よ」
という歌詞の通りというかなんというか、両手を大きく広げて縦横無尽に動き回る田淵さんが、モニター越しでない姿で、人の隙間から覗くたびに、
「このライブって、夢じゃないんだな」
と、思いながら見ていました。私のところから見えたのは、米田淵だったけどね。あそこにいる人達が、本当にこの音を奏でているんだなぁ、と。
その後、再び短いMCを挟んで、
日が傾いて、ほんの少しだけ涼しくなった舞洲に響く次の曲は、
『8月、昼中の流れ星と飛行機雲』です。
歩くような速度で奏でる『8月、昼中の流れ星と飛行機雲』に乗って、ちょうど私の視線の先に2匹のトンボが飛んできて、また一緒にどこかへ飛んでいく様子が見えて、
こういう景色も、野外ならではものだよなぁ、と思ってしまいました。
「曲がりくねった道のりだったけど
ちゃんとさ 今はちゃんとさ ほらね
君へと 向かってる…はず」
私はずっとこの曲をラブソングだと思っていたのですが、そう括ってしまうにはあまりにも惜しい、『愛の曲』だということを、この日強く感じました。
(ふかーいユニゾンファンが知っている、何やふかーい事情や意味があったりするのかもしれませんが、ビギナーなのでその辺は多めに見てくださいね。踏んでたら、無知を笑ってください。)
会場中の水分に染み渡るようなメロディが止むと、ドラム〜ベース〜ギターと、弾けるようなセッションが始まります。
落ち着いた熱を、底から掻き上げるようなメロディアスなベースの音色と、掻き上げられた熱をさらに扇ぐようなギターとで、会場のボルテージはどんどん上がっていきます。
そのままの熱で始まった次の曲は、
『オトノバ中間試験』です。
「(Hey, dead or alive!)」
「(Oh, pardon me?)」
と、拳を突き上げて叫ぶ会場の声は、ステージから鳴るコーラスの声も掻き消してしまうほど。
それでも、まだ遊び足りないお客さんに課せられた追試は、
『カウンターアイデンティティ』です。
「僕らは声が枯れるまで 存在し続けるんだよ
太陽に背を向けながら」
追試にしてはいささか重すぎるメッセージが、痛いほどに突き刺さり、穿つような歌声が暑さで泥濘んだ大地を翔けていきます。
(根底に同じものが一貫して存在するものの)その印象をころころと帰るようなセットリストと同じように、ステージの上の彼らの表情もころころと変わります。
はにかむように踊るように奏でたかと思いきや、次の曲では痛みを伴って心中を絞り出すような表情を見せる、ユニゾンのライブっていつもこんなふうなんですか?とユニゾンビギナーDAは、もう度肝を抜かれっぱなしでした。
熱を溜め込んだ会場に、風なんかは吹いてないのに、心地好く髪を靡かせるメロディが響きます。
次の曲は、
『Catch up, latency』です。
「だから記念日と称してしまえ
皮肉は却下だぜ、クワイエット」
と、『この日だけは、気を抜いて祝って欲しい』と言い続けてきた彼らからのメッセージがここにも散りばめられていました。
落ちサビから大サビに向かうその隙間で、我先にと拳を突き上げてステージに熱気を送るお客さんの様子が、とても印象的でした。
走る速度はそのままに、『あの曲』に続きます。
次の曲は、
『プログラムcontinued(15th style)』です。
最新のシングル曲である『Catch up, latency』から続く『プログラムcontinued(15th style)』には、同じ速度で進み続けてきたユニゾンの15年間の歩み、というものを感じざるを得ないような、そんな曲順だなぁ、と思います。
「今日ぐらいは祝ってくれないかな」
と、斎藤さんが歌うと、お客さんから大きな歓声が湧きます。「おめでとう!」と叫んでいた人ももしかしたらいたかもしれませんが、誰もがユニゾンの15年の歩みを讃えているように感じました。
『記念日』の『記念日』たる楽曲に瞼を濡らしていると、もう随分日が傾いていることに気が付きました。数時間前まで厚い雨雲に覆われていた太陽も、彼らの記念日を祝いにきたように顔を出して、空は淡い桃色に染まります。
次の曲は、
『黄昏インザスパイ』です。
「聞いて欲しい声がある
届いて欲しい人もいる
多い 少ない は関係ない」
決して、ここを目指してきた15年間ではなくて、音楽と直向きに付き合い続けた先に今日があって。3対24,000ではなく、3対1×24,000なのだという、ユニゾンの骨子を知らされたような気がしました。
そして、桃色に染まった空に春が来ます。
次の曲は、
『春が来てぼくら』です。
Bメロまで丁寧に積み上げられたメロディが、サビで大きく花開いていきます。
モニターに映るのは、満遍の笑みでベースを搔き鳴らし、歌声を重ねる田淵さんのなんて幸せそうな表情。本当に来てよかった、とこの時、本当に本当に強く思いました。
そして、ここでMCです。
(MCの詳しい内容は、全然ちゃんと覚えていないので、MCについては他の方のスバラシレポをご参照ください!すみません!)
今では、
「ライブで客を煽るのって、ダサくないですか?」
的なことを言っているユニゾンですが、15年前のライブでは、ガンガンお客さんを煽っていて、15年経って、僕らも大人になりました、といった意のMCを経て、斎藤さんが
「次は、その頃よくやっていた曲をやります」
と言って始まったのは、
『水と雨について』です。
もしかして、さっきまでの台風も演出?と思ってしまうようなこの選曲。セトリおじさんの恐ろしさたるや、という感じです。本当に。
『水と雨について』の、歪んだギターの音色を包み込むようにして始まるの次の曲は、
『Harmonized Finale』です。
サビで大きく上がる手は、意図して揃えているわけではないのに、心地好い波を作っていきます。
ほんと〜〜に個人的な感情のアレで申し訳ないのですが、
「大層な虚栄心に満たされる方が怖い
描く景色を気安く壊すな」
という歌詞が、私、大好きでして。その歌詞を歌う斎藤さんの、柔らかいけれど強いその表情が見られてよかったなぁ、と思いました。めちゃ個人的な感想でした。
「何回だって I'm OK まだ立てるから
君を追いかけるよ その未来まで」
と、ほんの少しだけ涼しくなった会場に、歌声が染み渡ります。
染み込んだその上から、また次のメロディが畳み掛ける、次の曲は
『cody beats』です。
「片思いをしてるようないないような
曖昧なバランスで浮かんでる」
これは邪推も邪推、なんとなく読み流していただきたいのですが、
この歌詞は、今までもこれからも続いていく(続いて欲しい)、バンドとお客さんの関係性を描いているのでは、と、その時強く思いました。
寄り添うわけじゃないけれど、偶然どこかで交わることがあって、好きな音楽が鳴っていたから近くに来てみたよ、という人が15年の間にたくさん集まって。
想い合っているいるけれど、一つの線というわけじゃない。
そんな関係性の半直線がこれからも続くように、と願いたくなってしまいました。
そんなおセンチな気持ちの上に、新品の熱がブチまけられます。
次の曲は、
『10% roll, 10% romance』です。
「110%のシンパシー リンクしたってしばらく内緒にしよう
だってこんな君を近くで見れるのは
有史以来僕だけかも ねぇ」
というこの歌詞。やっぱり、想い合っているけれど、片思いの関係性なんだなぁと。俗に、『両片思い』というのかもしれませんが、まさにそんな関係性だな、と。
24,000人もの人がいて、ほとんど人の中に埋もれているような状態なのに、外でもない自分に向けられているように感じてしまう、そのカラクリは、私には全く、解けないけれど、
「まぁ、田淵が楽しそうだからなんでもいいか!!」
と、あんな笑顔を見たら、誰だってそう思ってしまうと思います。マジで。
気が付くとすっかり日も暮れていて、ここからは『夜のUNISON SUQUARE GARDEN』の時間です。
「on drums, Takao Suzuki!」
と、斎藤さん叫ぶと、貴雄さんのドラムソロが始まります。
序盤は、斎藤さん、田淵さんとのセッションのような形で始まり、その鋭いグルーヴが徐々にドラムだけの音として研ぎ澄まされていきます。
青い照明の中で、黄色いピンスポットに照らされた貴雄さんの姿がモニターに映し出されます。
そのモニターに釘付けになっていると、時折ノイズのように『三日月』の映像がカットインしてきます。
ドラムが熱を帯びて、次のフェードに進むたびにその月が少しずつ満ちていき、貴雄さんが雄叫びをあげて頭を振り乱しながら、ドラムが壊れんばかりのパワーで音を響かせる頃には、モニターには満月が映し出されます。
すると、斎藤さん、田淵さんも再び加わって、息が止まるような激しいビートは会場中を熱気の渦に巻き込みます。
まるで、満月の夜にだけ狼の姿になる3人が、舞洲の地で大暴れしているような、そんな気がしてしまいました。このまま取って食われるんじゃないかと。
そして、狼男3人は鋭い眼光のまま次の曲に突っ込んでいきます。
次の曲は、
『天国と地獄』です。
この曲だけじゃなく、このブロックは本当にずっと、頭の中のネジがどこかへ飛んで行ってしまったようなお客さんも、勝手気儘に大暴れ。
もし、今この場でマッチの火でも着けたら、酸素が足りなくてすぐに消えてしまうだろうな、と、そんな熱気でした。
「天国と地獄を数えろ」
バンドの演奏と大合唱のぶつかり合いは、次の曲にまで続いていきます。
次の曲は、
『fake town baby』です。
挑発するような斎藤さんの目線がモニターに映し出され、その後ろでは、爆速で田淵さんが走っていきます。残像が見えそうでした。
「fake town baby」
と拳を突き上げながらの大合唱。
静まることのないお客さんのボルテージは、次の曲でさらに上がっていきます。
次の曲は、
『徹頭徹尾夜な夜なドライブ』です。
「東の空から 夜な夜なドライブ」
と、イントロからすでに大合唱。
「ワタシドコ ココハダレ ダアレ?」
と、またサビでも大合唱。
音楽が楽しくて楽しくてしょうがない人だけが、こんなにたくさん集まってるんだから、楽しくないわけないよな〜!と、もうキマりキマりガンギマり。
大サビ前の「東の空から夜な夜なドライブ」大合唱では、もうユニゾンとお客さんと、どっちがデカい声を出せるか対決!みたいになっていて、私としては、本当にとてもとても楽しかったです。楽しかったです!
そして、テンションはそのままに、あのキラーチューンが始まります。
次の曲は、
『シュガーソングとビターステップ』です。
Aメロで、踊るように暴れまわる田淵さんにお客さんが歓声を飛ばして、その歓声の上に斎藤さんのギターと歌声が乗って、間奏ではその全部をまるごとかき混ぜるように貴雄さんのドラムが光ります。
上がるところまで上がり切っても、まだまだ上がるボルテージのまま『シュガーソングとビターステップ』の最後の一音が響きました。
そして、本日ラストのMCに続きます。
斎藤さん、貴雄さん、とMCを回し、それぞれがそれぞれに15年の想いを語っていきます。(詳しい内容は他の方のレポを見てください!すみません!)
そして最後に、田淵さん。
斎藤さんに促され、マイクの側に立つと、お客さんから大きな歓声が起こります。
「たぶちー!!」という声があって、割れんばかりの拍手があって、それがずっと止まず、モニターから見る田淵さんの表情は、「おめでとう」と心からの拍手を送りたくなるような、そんな表情でした。
貴雄さんがお客さんに向けて、両手で鎮めるようなアクションをして、田淵さんのMCが始まります。
「UNISON SQUARE GARDEN っちゅーのは、すげぇバンドだな!!!
今日はよく来た!!またやるぞー!!!!」
と、田淵さんは満遍の笑みで叫んで、斎藤さんにMCを返しました。
そして斎藤さんが頷き、最後のMCを終え
次の曲に続きます。
次の曲は、
『さわれない歌』です。
「僕が今日も旅に出る理由は
多分君には教えないけれど
届くなら let me sing, let me sing
誰にも触れない歌をずっとね」
MCで言葉にするより、音楽にその全てを詰め込んできた15年間の歩みは、誰にも邪魔できないけれど、ちょうどいい温度感、距離感でこれからもずっと続いていくのだろうな、と、そう感じると同時に、ここに来て彼らの歩みを祝えたことに、感謝しなければいけないな、と感じました。
もしかしたら、少し目尻が滲んでいたかもしれない、彼らの笑顔は、きっとずっと忘れることの出来ない記憶になったように思います。
会場全体を、割れんばかりの拍手が包んで、
続く曲は、
『桜のあと(all quartets lead to the?)』です。
「All quartets lead, leads to...? say la-la-la...」
この曲でも、大合唱が巻き起こります。
「今日はアンコールはありません」と、先のMCで伝えられていたから、かどうかは分りませんが、その合唱は、最後の最後にお客さん一人一人がユニゾンへ送る讃美歌のようにも感じました。
「with 喜怒哀楽 大丈夫さ、
どこまでも行くだろう」
と高らかに歌い上げて、アウトロに続き、
貴雄さんが大きく
「ラスト!!!!!!」
と叫んで始まったのは、
『オリオンをなぞる』です。
イントロが聴こえてくるや否や、お客さんのテンションは上限突破!
「オリオンをなぞる こんな深い夜
つながりたい 離されたい
つまり半信半疑あっちこっち」
と歌う頭上には、わずかでしたが小さく星が見えるようでした。
「昨日までをちゃんと愛して
見たことない景色を見るよ
「ココデオワルハズガナイノニ」」
と歌うからには、やっぱりここでは終わりません。
最後の曲は、
『センチメンタルピリオド』です。
セッションの後に、
「センチメンタルピリオド」と斎藤さんが叫ぶと、聴き慣れたイントロが始まります。
そういえば、と思ったのは
『センチメンタルピリオド』のMVも、こんなふうに雨上がりの草原で、泥がむき出しの地面で。でも、15年前の彼らはあの時、白い小さな箱で奏でていましたが、今日は違う。
24,000人の前で、数多の色が降り注ぐ照明の下の大きな箱で奏でている。
新参も新参、ド新参の私ですが、その歩みの形に、本当に息が止まってしまいそうだと、そう感じました。
「低空の低空を走ってるのが僕なら」
お客さんも拳を突き上げ、歌います。
「低空の低空を走ってるのが僕なら
紐解くステイドライフ、この手は離さないでいよう
そして一つずつを噛み締めてる
そのスタイルはどうでしょう
まるで使い古した暫定状態
それも別に悪くねぇよ、バイバイ
わかってるよ、バイバイ」
そう奏でる3人は、泣いているようにも笑っているようにも見えて、きっとここに集まったお客さんも、鏡に写したように同じ顔をしていたのでは、と思います。真相は分りませんが、きっとそうだと、私は思います。
最後の一音まで、舞洲に集まった24,000人の誰よりも、いっとうユニゾンの3人が一番音楽が好きで、楽しんでいて、それが伝わるから、私も、これを読んでいるあなたも、UNISON SQUARE GARDENの音楽が好きなんじゃないかと、今、これを書いていてそう思います。
満足そうに笑って、片手を上げてステージを去る斎藤さん
いつものようにジャンプしてスタッフにベースを預けて、ステージの端から端まで動き回りながらお客さんに向け、言葉を投げる田淵さん
ドラムセットからステージセンターに来て両手を上げ、深いお辞儀をする貴雄さん
それぞれが、それぞれのアクションではあるものの、その表情は同じだったように思います。
3人が去った後も、お客さんからの拍手は鳴り止まず、
最高にカッコいいロックバンドの記念日は、こんなにもカッコいいのか、と私も長い拍手を送りました。
これにて、終焉…と誰もが思った(であろう)その時、
ステージ上から、大きな音が響きます。
15発の花火が、舞洲の夜空に輝きます。
記念日のライブといえど、いつものUNISON SQUARE GARDENを貫き続けた中の、唯一の特効がこの花火。
潔いにもほどがある。最高にカッコいいライブでした。もうそれしか言えん。
『プログラム15th』と、銘打ったこのライブ。
たった一回のメモリアルライブだと、先情報では知っていたものの、想像していたそれの何倍もカッコいいライブでございました。
何気ない記念日をお祝いしたら、星も降るし、箱舟に乗って、ペガサスもキリンも、なんなら春まで来てしまう、そんなロックバンドが、15年間歩んできて、これからもどこかで、超新星アクシデントみたいな出会いを起こし続ける、そんな未来を思い描くのは、きっと私だけじゃないだろうと、思っています。どうかな、多分、私だけじゃないはず。
『UNISON SQUARE GARDEN 7/27 プログラム15th ライブレポ』これにて、お開きです。
私に、UNISON SQUARE GARDENに出会うきっかけをくださった方、全員に、本当に心から感謝しています。ありがとう。
このライブで得た、誰にも譲れない高揚感を、この夏どしどし作品にぶつけるつもりです。今年の夏は、暑いぞ!
TEXT DĀ