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基準は誰なのか?

秋にソロキャンデビューを果たして以来、真冬のハンモック泊をやってみたくて仕方がない。
綺麗な星を見ながら、眠りにつくというのを経験してみたくてたまらない。
ところが、星がきれいなところというのは、たいてい寒い。
山の上で、人がいなくて、明かりがないところと相場が決まっている。
そうなると、果たしてハンモックで眠れるのだろうか、という疑問が浮かぶ。
ただでさえ、寒がりなのに、氷点下の夜を凍えながら過ごすだけの経験になりはしないだろうか。

そこで、寒くないシュラフを買おうと思いたち、クラファンで人型のシュラフを手に入れた。
NASAが宇宙服に採用している断熱素材をつかっているとかで、説明によるとマイナス20℃まで耐えられる、という。
そいつはすごいぜ、いい買い物をしたなとワクワクしていた。
しかし。
たった今、エアコンのない自室で、夜中の作業中にこのシュラフを着用して過ごしているのだが下半身が寒い。
室温は20℃、どう考えても凍えるような寒さではないのに、だ。
下に着ているのが、夏用パジャマだからだめなのかと、冬用パジャマを着てみたが、変わらない。
寒い。
おそらく、私の体が冷え切って発熱していないためなのだろう、せっかくNASAが採用した断熱素材による保温機能が、全く役に立っていない。

これはシュラフではなく、私の素行が悪いためだと思う。
お風呂上がりにすぐシュラフを着れば、たぶん暖かかったのだろう。
体が冷えるまで、だらだらと、アマゾンから届いた漫画を読んでいたのがよろしくなかった。
せっかくお風呂で温まったのに、熱エネルギーをあらかた失ってしまった。
着用タイミングは大事。
覚えておこう。

ところで、それにつけても思うのが、これを着てマイナス20℃に耐えた人は、いったいどんな人だったのか、ということだ。
20℃の自室でさえ、夜になると底冷えを感じるこの私、絶対にマイナス20℃の世界では生きていられないだろう。

「マイナス20℃まで耐えられる」と書くのなら、せめて、サンプル数をn=1000くらいは用意し、男女比、年齢構成までばらけさせたうえで、マイナス20℃の極寒地帯に送り込み、朝まで音を上げなかった人がどれくらいいたのかという平均値をとって、正確なところを書いてほしい。
1000人のうち、何人がリタイアしたのか。
熟睡していた人は何人いたのか。
60代女性が、マイナス20℃でもノーダメージで過ごしていたというなら、その人の筋肉量や、出身地(雪国生まれか否か)などのデータも公表してほしい。
ただ単に、「マイナス20℃まで耐えられるシュラフ」では、もう、信じることができない。

寒いのでもう寝ます、起こさないでください。

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はんだあゆみ
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