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#poem
2021年8月2日 即興詩「across the sky」
夕闇の空
僕は空を飛びながら
これまでのことを考えていた
これまでのことを
ひとしきり考えたら
すぐに夜になってしまった
そのくらい
これまでのことが
たくさん生まれていた
隣を飛ぶカラスは
僕に言った
「いつまでも
そのままでいられると思うなよ
僕たちは
今を生きるのに必死だぞ」
「うるさい
僕だって必死さ」
そう答えてふと
必死に生きているかどうか
少し疑問に感じてしまった
それぞれ見
2021/06/23 即興詩「川の向こう側」
明日がくれば
明後日が来れば
まるで時間が何かを連れてくれるものだと
いつからか思い込んでいた
悲しい気持ちがあるから
川を渡ろう
流れの中に生きることを
少し傍に置いて
今ここで
伝えることがあるとすれば
それは 少なくとも
今生きている ということ
あなたがいるから
私がいるということを
これから会う全ての人へ
これまで会った全ての人へ
伝えなきゃいけない
なんたって 僕は感謝しているよ
2021/06/22即興詩「便秘」
誰かにジェラシーを感じているうちは
健康的ではないと思う
諦めきれないもどかしさを
今もなお抱いている証拠
ざっくり言えば
「便秘」しているのだ
やり切ることが人生の目的だとするならば
そのように成し死にゆく人は
一体どのくらいいるだろうか
私など 少なくとも
今は死んでも死にきれない
かといって
やり切る生き方を毎秒できるかというと
そんな強迫観念に駆られて生きたくはない
窮屈もまた
健康で
2021/06/21 即興詩「trustable 」
形だけ見せる
中身は見せない
見せない理由を
彼が知っているとは限らない
どこを見ても
そんな風に見えるのに
実は違うなんてことは
この世の人の数だけある
信じた自分を褒めていい
裏切られた自分を憐れまなくていい
それで終わらせられるなら
次はもう始まっているのだから
それで終わらないのなら
ちゃんと中身を見て
それから
それから
形だけで通ることは
それでいいじゃないか
誰だって
本人だ
2021/06/19 即興詩「仲間」
仲間入りしたかった
ただそれだけの気持ちに
自分で
勝手に
いろんなものをくっつけた
どうして誰も認めてくれないの
どうせ私はだめだから
どうしたらみんなと仲良くできるの
たくさんの「どう」は
何の解決にも向かうことなく
私の中に蓄積し
長い年月を経て
無気力へと変わっていった
ただ仲間入りしたかった
みんなと楽しくしたかった
そのためには
そのためにも
そのためなら
私の喜びのためではなく
2021/06/18 即興詩「風邪」
何も信じられなくなる
誰も信じられなくなる
そんな 人によって程度の違う「風邪」は
季節の変わり目に もしくは
人生の変わり目にやってくる
信じることを
時に快く
時に恩着せがましく
裏切られてもいいと謳い
いざ裏切られて深く傷つき
もう信じないなどと
風邪を拗らせ
治った頃には
身体が弛み
元気になれば
また あなたを信じる
何を信じようとも
誰を信じようとも
この億千万の一つの星は
ごく自
2021/06/17 即興詩「あなたとわたしの境界」
見たいものを 見たいままに
それが 自由の源泉
あなたの世界が美しいのは
あなたが自由を知っているから
その自由を奪えば奪うほど
あなたの世界は 魅力を失う
指先に触れる全てを
壊してしまうとしたら
きっと僕は 一緒にいない方がいい
壊したいんじゃなくて
ただ 少しでも
認めてほしかった
認められたかった
したいことを したいように
それが 自由と世界の境界線
踏み出していいこと 悪いこ