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魚肉について 後編


現状の勉強の進み具合

【なぜ料理を失敗するのか】 ←済
【料理のさしすせそ】 ←済
【調味料】 ←済
【肉、魚、穀物、野菜、果物】
 ●牛肉 ←済
 ●豚肉 ←済
 ●鶏肉 ←済
 ●魚肉 ←今回はここ
 ●米
 ●小麦
 ●野菜
 ●果物
【卵、乳製品】
【油脂】
【ダシ】
【飲料】
【調理方法】
【心理、文化、遺伝】

魚をクールブイヨンで茹でるとくさみが取れる理由

水は中性(pH7)であるのに対してクールブイヨンは白ワイン酢(pH2.5)、白ワイン(pH3~3.5)、レモン(pH2.0付近)などが含まれるため、全体的に酸性になっている。
魚のくさみの原因の一つトリメチルアミンは酸性の水に溶けやすく、アルカリ性の水に溶けにくい性質がある。
さらに、酸性の水に溶けた場合は揮発しないが、アルカリ性の水に溶けた場合は揮発して臭いを感じる。

また、クールブイヨンはタマネギ、ニンジン、セロリからポリフェノールが抽出されており、もう一つのくさみの原因であるカルボニル化合物(脂肪酸の酸化物)はポリフェノールと結合して、魚介から取り除かれる。
これらの野菜や香草の香りが魚介にくっついて臭みを覆い隠す役割をしている。

魚を煮るとき、汁を煮たてる理由

煮汁を煮立ててから魚を入れる理由としては
①魚の表面のタンパク質がすぐ凝固するため、内部のうま味が溶け出すのを防ぐ
→実験によれば、85gのヒラメの切り身を
●室温から入れて加熱すると76.6%の重量になる
●沸騰した煮汁に入れると80.0%の重量になる

一方で全魚のアジの場合は、どちらも88%の重量になり変化が見られなかった
これは、表皮があるためうま味が煮汁の方に出にくいため
→一匹の全魚を煮る場合は、必ずしも煮汁が沸騰してから入れる必要はない
(さらに、沸騰してから魚を入れると皮が破れる恐れがある)

②汁のなかにひたされている時間が短いため、中まで身が締まって硬くなるのを防ぐ
③魚のなまぐさみが熱のため揮発し、匂いが汁に溶け込むのを防ぐ

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