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「第19回このミステリーがすごい!」大賞の新川帆立さん『元彼の遺言状』の3つの魅力とは?
私はミステリーってほとんど読んだことがなかったのですが。
新川帆立さんの『元彼の遺言状』がとても面白くて、惹き込まれました!
新川帆立さんって、どんな女性なのでしょう。
「2021年第19回 このミステリーがすごい!」大賞を受賞した本作はどんなミステリー小説なのか?
今回は「3つの魅力」として迫ってみたいと思います。
1.荒川帆立さんの異色の経歴がスゴかった!
先日1月9日に放送された、TBSの「王様のブランチ」のブックランキングに、荒川帆立さんがご出演されていたのを偶然拝見しました。
ご自身も東京大学法学部出身の現役弁護士でありながら、もともと小説家になりたくて夢を叶えたということを知りました。
さらに、司法修習中に麻雀のプロテストに合格という、異色のご経歴に興味を持ちました。
荒川帆立さんご本人も、とても可愛らしい方!
小説のタイトル『元彼の遺言状』も、なんとも謎めいています。
面白そう!という直感しかありませんでした。
それで、普段読まないジャンルの「ミステリー」を、きっかけに読んでみようとその場でAmazonでぽちしてみました。
2.ストーリーの斬新さに驚き!”元彼”の遺言状?
小説は気が強くて、お金が大好きな美人の弁護士、剣持麗子が主人公です。
どことなく、著者の新川さんを彷彿とさせますね。
「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」
元彼の森川栄治が残した前代未聞の遺言状をもとに、元カノたちや親族を巻き込んだ遺産相続レースが始まります。
麗子は最初、依頼人と共謀して、元彼の莫大な遺産の分け前を狙っていきますが・・・。(あとはネタバレになるので省略します。)
法律の知識がなくても、さりげなく解説してくれてあるので、抵抗感なく読めます。
同時に、法律やお金の勉強になることも多いんですよ!
ストーリーはジェットコースターみたいな展開。
なんだか、ドラマを観ているみたいな疾走感です。
「いずれ映像化するのだろうなぁ!」と、勝手に想像しちゃいました。
登場人物たちのキャラも立っていて、それぞれが個性的なのも魅力です。
だいたい、主要人物である元彼すらも最初から亡くなっているわけで・・・。
一筋縄ではいかないんです。
「え、この先どうなっちゃうの?」という期待感は否応なしに高まります。
デビュー作とは思えない、緻密な伏線の張り方が見事です。
3.有能なバリキャリ&美人弁護士の女性が主人公!
お仕事小説としても際立っていると感じました。
主人公の剣持麗子は大手の弁護士事務所で働いています。
報酬に不服だったらボスにも噛みつき、決して忖度しません。
恋愛中も至って冷静沈着。
過去の恋は通り過ぎてしまえば、さらっと忘れる。
元彼が亡くなったと知らされても、感傷に浸りきることもない。
お金ファースト。
「損か得か?」を頭の中で高速回転させていきます。
綺麗ごとばかりの世の中にイラついて、その反動でギラついているような女性。
生きるのが上手なんだか、下手なのかわからない感じも、とても親近感が湧きました。
女性がバリバリ働き、転んでも起き上がろうとしていく姿勢にも共感!
大企業の経営、弁護士同士のヒエラルキー。
官僚とは?
普段あまり見ることのできない裏の世界のこと。
元彼の数々の恋愛から、家族関係の軋轢や確執まで。
徐々に浮き彫りになっていきます。
人は秘密を見たい生き物。
いろんな要素が混ざっているからこそ、次がどうなるのか気になってしまう!
美味しいミステリーに仕上がっているように感じました。
ぜひ、新しい才能のミステリーを、旬な今こそ堪能してみてくださいね!
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