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『考えない練習』心の三つの毒「欲」「怒り」「迷い」を克服する思考法

本日は小池龍之介さんの『考えない練習』をご紹介します。

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今、私はひとつの感情にとらわれていて1週間ぐらい気持ちが落ち着かなくて疲れています。

それで、久しぶりにこの本を手に取りました。
ピタッとその感情の出どころが整理された気持ちがしました。

人間は四六時中考えごとをしていて、小池さん曰く「思考病」に陥っていると言います。

考えるせいで、集中力が低下したり、イライラしたり、迷ったりする。

私はこの状況が、まさに当てはまっていました。

仏道で「心の三つの毒」は、「欲」「怒り」「迷い」を指すそうです。
つまり、「煩悩」ですね。

目で見え、耳に聞こえる情報に対して「もっと欲しい」と求める衝動を「欲」と呼びます。

反対に入ってくる情報に「受け入れたくない、見たくない、聞きたくない」と反発する心の衝動エネルギーのことを「怒り」と呼びます。

「怒り」は意味が広く、「やる気がしない」というネガティブな思考や、誰かを妬むこと、過去を後悔すること、そして寂しいこと、緊張するのも、根はひとつなんだそうです。

怒りの煩悩エネルギーを燃料として生じている、衝動。

このような負の感情に流されるたびに、怒りの暗い煩悩エネルギーの総量が増幅します。

すると、ストレスの元凶となったり、ネガティブ思考に陥りやすい人格が形成されてしまう。

これらの強い「欲」や「怒り」は煩悩とともに刻み込まれた情報となって、強い執着とともに心の中で何度も繰り返し残響すると言います。

時間の経過で忘れたつもりになっていても、いったん心に刻まれた煩悩の情報は、いつまでも潜在化して残るそうです。

無意識のうちに短時間だけ現れては消えるこの「思考」が引き金になり、次々と思考が連鎖して私たちを考えさせ続けます。

心の中の絶え間ない独り言は、増殖すればするほど。
心のメインメモリは無駄な雑念に食いつぶされてしまいます。

そうして、目の前にある風景や、人の表情をはっきりと認識できなくなったり。

自然の音や人の声、食べ物の味わいという実感が抜け落ちて、自分が今生きているという充足感が得られなくなるそうです。

実感がスカスカになると、幸福感が損なわれてしまいます。

では、正しい生き方を実践するにはどうしたら良いのでしょうか。

小池さんは、仏道における「八正道(はっしょうどう)」に触れながら、「正しく考える」ことが大事だと言います。

ステップごとに見ていきましょう。

▶︎ステップ① 自己ルールを課し、ブレない芯を作る

・正思惟(しょうしゆい)思考内容を律す
・正語(しょうご)言葉を律す
・正業(しょうごう)行動を律す
・正命(しょうみょう)生き方を律す

▶︎ステップ② 集中力を養う

・正定(しょうじょう)集中する
・正精進(しょうしょうじん)心を浄化する

▶︎ステップ③ 気づく

・正念(しょうねん)心のセンサーを磨く
・正見(しょうけん)悟る

トレーニングすることにより得られること。

・無駄な思考を排除する。
・その時に適切な必要最低限のことを考える。
・空回りする思考を排除。

心をざわつかせる煩悩を克服し「思考という病」から脱して、心の平穏を取り戻していきたいと思いました。




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森本木林(きりん)@読書研究家
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