現実では伏黒パパより禅院直哉の方がマシな話 ~もるげんよもやま話~
今回、じつは全く別の投稿をする予定でしたが、急遽おも……興味深い現象が発生しているので筆をしたためております。
本来の用件はこのあと、ちゃんと腰を据えてお話しする予定です。
その”興味深い”内容というのがtwitter(現: X)の精神科医クラスター内で噂になっている某メンタルクリニックのことです。
オンライン診療で診断書を出しますよ、ということを謳うクリニックなのです。それはそれで、思うところはあるのですが、その先が強烈でした。
「薬物治療をしません」
「カウンセリングもしません」
「休むことだけしかできません」
という「どこのうつ病ガイドラインを読んだらそんな治療方針を打ち出せるんだ」みたいな内容でした。
休むことは適応障害やうつ病における最初期の重要な治療です。
しかし、うつ病ガイドラインでは軽症ならCBTなどの精神療法、中等症以上なら精神療法や薬物療法が必要になります。
抑うつ症状を呈する双極症(双極性障害、躁うつ病と呼ばれたもの)や統合失調症では薬物療法の絶対的な適応になります。
また、抑うつ状態だから絶対休職する、というわけではなく、個々の病状に合わせて考えなければなりません。
本人が休職を望む場合もありますが、時には「このレベルなら薬物療法や環境調整を行い、もう少し頑張ってみるのはどうか?」と提案するのも専門家の役目だと思います。
休職のためだけに診断書を作ります!治療はしないけどね!、というのは一精神科医として、「それどうやねん」と思うわけです。
実際、twitter(現: X)では多くの精神科医の方々がその点に苦言を呈している方は多くいます。
これだけでも一つの話題なのですが、今日話したいのはここじゃないんですよ。
なんと、Twitterでご本人が登場し、弁明を始めてしまったのです。
「患者さんのためにやってます!!」って。
思わず「お前何してんだ!!下がれ!!」と(アスランのように)叫んでしまいました。
すでに皆からの心証が最悪な中で、ここで弁明というのは考えうる限りの悪手。炎上前にすべきなのは「弁明」ではないのに。
しかしここはネットのガンジス川。流れてきた発言に食い付かないわけがないのです。
あとはもう、精神科医クラスターが挙って「素人質問で恐縮ですが」と学会発表で教授がどんどん質問を投げかけるかの如く大量の引用祭りです。
ここまで来ると、ちょっと同情してしまいました。
改めて、このネットの海で生きていく難しさを実感した次第なわけであります。
たまに見せる人間性には弱いよね
そして、集中砲火を受けているこの方を見て、自分のうちに何ともいえない感情が湧いてきたのです。
それはまるで、決して主人公に勝てないはずなのに戦いに挑む敵役というか、最後の最後で人間の心を取り戻してしまったマッドサイエンティストのような。
こういうキャラは多くの読者の心を掴み、人気になる傾向があります。
最近だと、「呪術廻戦」の伏黒甚爾になりますかね。
吹っ切れた価値観を持っていたり、倫理を捨てたようなキャラが、ふとした時に人間らしい悩みとかを持っていると、人間はぐっと引き寄せられるのです。
超雑な言い方をすれば、人間はギャップ萌えに弱いわけです。
一方で、徹頭徹尾クズになるとそれはそれで人気にもなります。
同じ呪術廻戦より禅院直哉ですね。
こいつは最後の最後までドクズなので、清々しさがあります。昨今、コンプラがなんだとか言いますが、やはり人間はこう言う尖り切ったキャラにも惹かれるわけです。
現実でそれはコメディにもならない
フィクションでは伏黒パパも禅院直哉もそれぞれの魅力はあるのですが、こと現実ではちょっと違うわけで。
少なくとも禅院直哉のように最初から最後までクズなら、このキャラはこういう風に動く、とこっちも理解できるわけです。
そういう生き物であると割り切って付き合えるわけですよ。
しかし、中途半端な倫理観を持っている場合には相手がどう動くか分からないものです。
そして得てして中途半端な倫理観に乗っ取った、ありがた迷惑な何かをしてしまうわけです。
フィクションであればキャラの新しい一面として迎え入れられるでしょうが、現実でそれをされると「お前何やってんの?」とこちらは困惑するしかないわけです。
と、ここまで書いておいてこれ、伏黒パパと禅院直哉の例えよりも、「This コミュニケーション」のデルウハと吉永のほうが正しいんじゃね?と気付いてしまいました。
これがどういう内容かはぜひ、本編を読んでみてほしいです。
絶体絶命の窮地の中、主人公のデルウハが様々なコミュニケーションを通してハントレスという少女たちと戦う、アクションサスペンスマンガです。
ま、現実にはデルウハも吉永も同僚には居てほしくないですが、しいて言うならデルウハのほうがまだ何するか予想できるので……。
というわけで今日はもるげんおすすめマンガである「Thisコミュニケーション」の紹介でした。
流石に目下、炎上中の話題を深掘る勇気はまだもるげんにはなかった。具体的には医療倫理の話とか。
今後、有料記事でそういうことも書いてみてもいいかなとは思っております。読みたいって方がいればぜひコメント残していただけると幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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