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【読書記録】銀河鉄道の夜/宮沢賢治
本のこと
銀河鉄道の夜
宮沢賢治
メモ
「けれどもほんとうのさいわいは一体なんだろう」ジョバンニが云いました。
「僕わからない」カムパネルラがぼんやり云いました。「カムパネルラ、また僕たち二人きりになったねえ、どこまでもどこまでも一緒に行こう。僕はもうあのさそりのようにほんとうにみんなの幸(さいわい)のためならば僕のからだなんか百ぺんやいてもかまわない」(ジョバンニ)
「なにがしあわせかわからないです。ほんとうにどんなつらいことでもそれがただしいみちを進む中でのできごとなら峠の上り下りもみんなほんとうの幸福にちかづく一あしずつですから」(灯台守)
感想
国語の教科書で読んだことはあったけれど、大人になってからは読んだことがない。
内容も詳しく思い出せない。
そこで本屋さんで見かけて読んでみた。
不思議で、とても綺麗な印象を持つ。
複雑な境遇を持つジョバンニが、カムパネルラと一緒に銀河を走る汽車で旅をする。
その中で、様々な人や景色に出会う。
「星の王子さま」を読んだときのような感じ。
最後、カムパネルラが友だちを助けるために川へ入って溺れてしまう。
突然の悲しい別れに驚くけれど、その前のジョバンニとカムパネルラの「ほんとうのしあわせはいったいなんだろう?」というやりとりを思い出した。
カムパネルラにとっては、友だちのために命を投げ打つことが「ほんとうのしあわせ」だったんだろうか?
その前、ジョバンニは「みんなの幸いのためなら自分の犠牲を厭わない」と言った。
自分はそれほどに周りの人たちについて思いを巡らせることはできない。
自分の周りにいる大切な人を大切にするだけで精一杯だ。
何が幸せかは人によって違うけれど、誰かの幸せを願うことは、とても美しい気持ちだと思う。
自分もそんな心を忘れずにいたい。