ブランディングは目標にならない
マーケティングの目的は大きく三つと言われています。
売上の拡大、利益の増加、ブランド価値の向上です。
これらは同時に狙うものではなく、どれかを選択することでより鮮明な戦略を描くことができるようになります。
どれかを狙うということは、他の二つの優先順位を下げて妥協するということでもあります。
利益を削り、ブランド価値を下げてでも売り上げを伸ばす。
売上を削り、ブランド価値が上がらなくてもいいから利益を確保する。
売上が伸びず、利益を削ってでも我慢の時期と捉えてブランド価値を高める。
このような判断が最初にあると活動内容が具体化しやすくなります。
これらの三大目的の内、ブランド価値の向上は戦略に取り込みにくいのでお勧めできません。
ブランディングは激しい競争環境にある現代社会において事業を成長させる重要な要素です。
重要な要素ですがブランディングを声高に宣言して鳴かず飛ばずに終わった事例が多くあります。
売上と利益の二つは目標であり、結果の指標でもありますが、ブランド価値の向上は目標でありながら結果の指標にはならないのです。
売上は金額で、利益は金額と率とで評価できますが、ブランド価値をどう評価するのでしょう。
一般的に言われるのは認知率です。
よく知られているということはブランドの存在価値を認めてもらっている、そう言えそうですが、売上や利益に変化を与えずに向上するブランド価値などあるのでしょうか。
みんなが知ってるのに誰も買ってくれないというのはただの嫌われものです。
認知が高まって売れるようになった、というのであれば売上が指標になりますし、価格帯の売上構成比が変わって利益率の高い高価格製品の比率が増えたというのも指標として評価できます。
ブランド価値の向上は誰もが求めるものです。
売上にばかり目を向けるべきではないというのも一理あるように見えます。
ですが目標として成果を可視化するのであればブランド力やブランディングというものは不向きなのです。