マーケティング的なことを書こうと思って始めたのに一週間遠回りしました。ようやく本題に入ります。 マーケティングが必要、マーケティングが足りない、マーケティング、マーケティング、マーケティング…重要性が声高に叫ばれている一方で、うまく使えていないという会社が多いのではないでしょうか。 私の経験した2社の中小企業はそうでした。 マーケティングは販売施策、マーケティングは広告宣伝、マーケティングは消費者調査…言葉の表面的なイメージや部分的な聞きかじりで判断して、都合の良い言葉
前略と言う言葉をよく耳にします。 経営戦略、事業戦略、商品戦略、価格戦略… どんな活動でも戦略とつけるだけで賢く立派に見えてきます。 戦略とは合意された方針であると言う表現もありますが、ではその通りに活動できるものでしょうか。 合議で進めれば戦略になる、そう言われても信じることはできないでしょう。 ではどうすれば活動に戦略を付与することができるでしょう。 最も簡単な活動の戦略化は一つ上の段から見下ろす事です。 階層化されたフォルダを一つ上がるように、見える範囲を一段階だけ広
私は文系です。 積極的文系ではなく、数学的思考に取り残された消極的文系です。 微分までは心を無にして数字を当てはめる事で基礎を乗り切りましたが、それまででした。 積分など評するべくもありません。 さて、そんな積分の話です。 円の面積や球の体積のように単純な形状であれば計算は容易ですが、放物線の内側の面積のように変化し続ける領域を計算するのは困難です。 日々問題を生み出す業務や、状況変化が激しいプロセス推進も計算し難いものです。 計算し難いものを計算する、積分はそんな為にあ
鶏が先か、卵が先か。 物事の発生には常に因果関係のいがみ合いがあります。 仕入れる量が少ないから単価が下がらず売価が高い。 売価が高いから販売数が伸びない。 販売力が乏しいから売価を下げざるをえない。 低い売価でしか売らないから高単価のラインが出せない。 高単価のラインがないから安物買いと売り手に見下される。 商品企画とそれに関わるプロセスでもいがみ合いはなくなりません。 良い商品がないから売れない、売ろうとしないから良い商品が作れない。 いつでも心の中で罵り合います。 そ
ここではたらかせてください! はたらきたいんです! プレイングマネージャーや管理職の叫びです。 個々で働かせてください! 個々で働かせてください! 働きたいんです! マネジメントも仕事の一つですが、育成、調整、処理に加えて動機付けまで求められると、冒頭の叫びを上げたくなるものです。 自分の機嫌は自分で取るべきであるように、自分の動機付けは自分でしなければなりません。
特徴と特長、どう違うかご存知ですか? 口頭ではどちらのことを言っているのかわかりません。 どちらも他との顕著な違いを表しますが、特徴が違うという事実だけを表しているのに対して、特長はその中の長所だけを抽出しています。 特長と表現する時には優れた点や魅力的な点を意味しています。 機能とはそんな良し悪しに関係なく、与えられた動作とその結果を表します。 仕様と同様です。 機能だけでは特徴を表すことはできても特長にはなりません。 何が優れているかを表してこその特長なのです。 機能や
以津真天(いつまで)は鳥山石燕の今昔画図続百鬼に登場する怪鳥です。 「いつまで、いつまで」と鳴き声を上げながら飛び回るのだそうです。 商品企画者にとっては耳の痛い鳴き声です。 見えない何かを企画として提案する時、不確定要素があるので納期を明確にできません。 できれば進めながら見えてきたら徐々に明確にしたいと思ってしまいます。 この妖怪以津真天はそんな後ろめたい気持ちを無視していつまで、いつまでと納期の確約を求めてきます。 決められない理由がある中で納期の確約を求める妖怪に対
問題と課題は違う、仕事をしているとそんな話を耳にします。 問題は理想と現実とのギャップ、課題はそのギャップを埋める為の取り組みだから、問題を論うのではなく課題として取り組まなければならないというのが一般的な論調です。 一般的な論調と言いつつ、上記のような棲み分けを空で言える人は決して多くありません。 私たちは問題と課題という言葉をいつからこんなに小難しく考えるようになったのでしょう。 問題と課題が違うことは小学生の時には感じていたはずです。 「今から問題を出します」 こん
商品企画は顧客の価値を考える仕事です。 その商品がもたらすメリットは何なのかを考えて方針を決めます。 静かな掃除機、甘すぎないチーズケーキ、軽く走れる電動自転車、長く充電できるバッテリー… 安易に考えるとこのように形容詞が乗った商品案が出てきます。 静かとは? 甘すぎないとは? 軽くとは? 長くとは? 形容詞は主観を表明する為にあるので、価値訴求のような他者に伝えるのには不向きです。 誰かにとっては静かでも、別の誰かにとっては騒がしいかもしれません。線引きのないまま錦の御
合気道の基本は△◯□と表現されます。 ぶつかるのではなく三角の頂点のように鋭く間合いを詰め、相手を丸く捌き、隙のない重さを持った四角のように制します。 流れるような動作の中にも三つの動きが隠されているのです。 商品企画にも基本の三つがあります。 それが考える、伝える、調整する、です。 まずは自分の中で起きる考えること。 深く静かに向き合うことで様々な考えが浮かびます。 次にそれを外に発信する為の伝えること。 自分がいて相手がいる、関係性の始まりです。 そして最後に調整するこ
週末何しよう。 洗濯して干さないと着替えがない。 溜まった食器も洗おう。 部屋の掃除をして、デスク回りを使いやすく整理しよう。 水回りの汚れが気になるので落とさないと。 冬物のコートを買いに行こう。 平日の為の料理の作り置きをしよう。 そんなことを考えながら迎えた休日にできることは精々2〜3個です。 朝寝して、慌てて洗濯し、ダラダラテレビを見て、ブランチ後に食器くらいは洗ってお出かけ。 買い物だけはどうにか予定通り。 思い当たる節はないでしょうか。 あるある、と思った人は
世の中は不安だらけです。 世界情勢や政治動向のような外側の不安から、家庭や健康といった内側の不安まで様々です。 中でも1日の大半を費やしてしまう仕事上の不安は格別です。 まるで霧の中を彷徨うが如く、自分の立ち位置を見失うことすら少なくありません。 五里霧中ともいうべき状況です。 さて、「里」というキロメートルにすると4kmに当たる長さの単位の由来をご存知でしょうか。 一説には人が1時間に歩く距離と言われています。 五里霧中、つまり5時間歩かないと抜けられない中にいるというこ
世の中には学ぶべきことが無数にあります。 小さな気付きも学びであれば、体系化された学問に向き合うのも学びです。 そんな無数にある学びも大きく分けて2種類の形態があります。 仮にジグソーパズル型とレゴブロック型と名付けます。 ジグソーパズル型はゴールが決まったものです。 掛け算九九の表や百人一首のように全体像が定まったものです。 どんなにボリュームがあっても終わりが決まっています。 一方、レゴブロック型にゴールはありません。 基本となる定型のピースはありますが、完成形と呼べ
消費者の購買行動をモデル化したものがAIDMAです。 注意を向け、興味を持ち、欲求を持ち、それが記憶された後に購買行動に移るというものです。 かつてはAIDAというシンプルなプロセスでしたが、店頭以外での接点が増えたことでMemory=記憶というプロセスが追加されました。 このように購買行動が分析される一方で、複雑な工程を辿らない、シンプルな購買行動で完了するものもあります。 例えばトイレットペーパーのような消耗品に細かな購買行動は適応されません。 関心の低いもの、差異の少
戦士は武闘家のように速くない。 その代わりダメージを引き受ける頑丈さがある。 僧侶の攻撃では敵を倒せない。 その代わり怪我も毒も治癒する回復呪文がある。 魔法使いは一回の攻撃で瀕死になる。 その代わり一つの魔法で敵を葬る魔力がある。 勇者は器用貧乏で何にも特化していない。 その代わり物語を進める力がある。 営業も、設計も、調達も、それぞれに固有の力を持っているけど、商品を生み出すという物語を進めるのは商品企画なのです。
商品企画書と呼ばれるものはメーカーであればどの会社にもあります。 書式や内容は異なっても、企画を伝える為の手段として存在します。 その商品企画書は誰の為にあるのか? 誰に向けた商品企画書かで中身は大きく変わってきます。 部署内でアイデアを通す為のもの、他部署を動かすきっかけに使うもの、経営層の承認を得る為のもの、取引先に売り込む為のもの。 求められる状況によって最適な内容は少しずつ変わってきますが、その都度調整していては手間がかかって仕方がありません。 一網打尽にできる方