【第7回】小学校の自由研究が、プチ小説家のデビュー作になったおはなし📚
「詩のボクシング」。声と言葉のスポーツともいわれるその存在を、みなさまはご存知でしょうか。
こんばんは🌕文月ノベルです。
「詩のボクシング」とは、ボクシングのリングに見立てた舞台の上で2人の朗読者が自作の詩などを朗読し、どちらの表現がより観客の心に届いたかを競うイベント。
小学校に入学してからというもの、暇さえあればまるで石像のように動かず家や図書室で本を読んでいた私が、それと出会ったのは小学校3年生のときでした。
本から受け取った数えきれないほどたくさんの自信、勇気、優しさ、感謝。
ーーー恩返しが、できないかな。
その思いで私は、どこかの誰かがすこしでも、救われたり、優しい気持ちになったり、自信を得てくれることを信じて、詩を書き綴り、そして初めて「詩のボクシング」という舞台に立ったのです。
▽小学3年生のときに綴った想い
それでは、本日は小学生3年生で書いた詩をお届けします。1年生のころの詩と比べると、すこしだけ大人の気持ちが芽生えていたのかなあ、と、なんだかむずがゆい気持ちになってしまいました(*´-`)。。。
◇魔法の言葉
魔法の言葉は 素敵な言葉
いっぱい使うと 心があたたかく
良い気持ちが いっぱいになる
魔法の言葉が 日本に広がれば
いや、
世界中に広がれば
世界中の人の心に伝われば
魔法の言葉 いや ありがとうが
この星に 広がれば
◇虹色の沼
お花が いっぱい 重なって
小枝が 枠を 作ってて
どんどん どんどん 作ってく
誰かが 作った ものじゃなく
自然の 力で つくってて
どんどん どんどん 歩いて行くと
不思議な 世界が 待っている
虹色の沼 五色沼
◇花火
ヒュルーヒュルーヒュルー
ドドーン パッ 「かぎ屋」
ヒュルーヒュルーヒュルー
ドカッーン 「たま屋」
大きな 歓声
大きな 拍手
大勢の人たち みんなが 感動している
花火が みんなを 幸せにしてる
◇願いごと
あっ 流れ星!
願いごと 願いごと・・・
あっ 茶柱!
願いごと 願いごと・・・
あっ 虹!
願いごと 願いごと・・・
神様のヒトリゴト
「お願いばかりしていないで
自分でなんとかしなさ〜い」
こうして自分の思う詩を思うままに綴っていた私ですが、「詩のボクシング」のリング上で、同い年の友人の詩を聞いたとき、幼い心にはじめて、ーーー悲しみなのか怒りなのか嬉しさなのか正体の分からないーーー、おそらく"嫉妬"という一種言い難い感情が生まれたことを覚えています。
一瞬にして会場を笑い声で溢れさせる詩を話す同志。
「なぜ彼は、詩であんなに人を笑わせることができるの?私もそんな詩を書くべきなの?」
その才能を羨み、自分の詩は本当にこのままで良いのかと、そんな迷いが生じた、小学3年生の夏となったのでした。
果たして、その悩みは解決するのでしょうか...?
ちなみに。
五色沼ってこんな沼です。
見る場所、角度によって色が変わるから不思議です。
原理とかはもうどうでもよくて、ただただ、きれい。そう、思っていたいです。