自由な休日のぶらり常設展〜国立西洋美術館「もうひとつの19世紀」〜
先週末は久しぶりに人と会わない休日だったので、好き勝手過ごそうと思いつきで国立西洋美術館へ。
最初はキュビスム展を観ようと思っていたのだが、、、
チケット売場にて長蛇の列にガン萎え。
空いているとは言えないだろうと思いつつ、早々に行き先を常設展にシフトした。
特に「あれが観たい!」とターゲットがあるわけでもないのに、ひとり人流をはずれ軽い足取りで常設展示室へ。
ブーグローとの再会
「お!」と思わせてくれたのが小企画展「もうひとつの19世紀」が実施中だったこと。
私は19世紀イギリス文学を専攻していたので、ラファエル前派も大好きだ。
ただ、今回はフランスの画家ブーグローが目を引いた。
ブーグローの作品を観るのは冬以来。
地元の美術館で開催されていたヨハネ・パウロ2世美術館展では女性画がテーマとなっており、ブーグローは2点展示されていた。
今回はモデルが同一人物と思われる作品を観ることができた。
整理された構図、滑らかで美しい肌。
穏やかな微笑をとらえた正統派な肖像だが、この女性にはどこかはつらつとした印象がある。
ブーグローは女性、子どもをモデルとした絵もたくさん残した。
しかし、女性の官能美や子どもの無邪気さだけではない、多面的で複雑な表情を捉えるのが上手い。
そういう一瞬の切り取りが巧みですごく惹きつけられてしまった。
いつもの作品たち
小企画展以外では、何度も観てきた作品たちを改めて観察してみた。
いつもは企画展で体力を消耗しているが、常設展が第一の目的となれば、いつもと違ったところに目がいくものだ。
国立西洋美術館の常設展は椅子がそこかしこにあるし、展示室自体が広いのですごくゆったりできた。
特に良かったのは、彫刻展示室からの眺め!
彫刻展示室に辿り着いた頃にはもう夕方だった。
こんなに綺麗な場所だったっけ!?建物の良さにも気づく。
ワンコインで豊かな時間を。
これだけ観て、国立西洋美術館の常設展は500円。
テキトーに入ったカフェでコーヒーを頼んでだらだらするよりも、かなり充実した時間を過ごせる。
目的がない日でも大丈夫、学芸員さんたちのおかげで自由な鑑賞ができた。
なんにもない休日に、近くの美術館の常設展で肩の力を抜いて過ごしてみては?