moon Gamer

昭和から今でも、主に技術方面でゲーム制作を生業にしています。ボードゲーム(ウォーゲーム・ユーロ/ドイツゲーム)、ビデオゲーム、アニメを趣味に生きてます。

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昭和から今でも、主に技術方面でゲーム制作を生業にしています。ボードゲーム(ウォーゲーム・ユーロ/ドイツゲーム)、ビデオゲーム、アニメを趣味に生きてます。

マガジン

  • Bible Gamer - 聖書とボードゲーム

    「Bible Gamer」は、キリスト教の文化や歴史、あるいは聖書(旧約聖書・新約聖書)の内容がテーマに直結したボードゲームやカードゲームについて、クリスチャン視点で紹介する記事で、これはそれらを集めたマガジンです。 元の記事は、季刊Ministry(キリスト新聞社)vol.41~48にかけて連載されていました(全8回)。本マガジンには、これら全記事に加筆修正を行った上で、簡単なご案内を含めた計9記事が含まれます。

最近の記事

Bible Gamer 第八夜 「十字軍」

禁じられた「十字軍」カードトレーディングカードゲームの始祖であり、現在でも最大のヒット作である「マジック:ザ・ギャザリング(M:TG)」には「十字軍(Crusade)」というカードがある。 だが、現在これは禁止カード、すなわち、公式戦では使用できないカードとなっている。 特定のカードが禁止カードに指定されること自体は、どのトレーディングカードゲームでも珍しいことではない。それらは、制作者の想定を超える強力さが発売後に判明し、ゲームの競技性が損なわれることを防ぐために使用禁

    • Bible Gamer 第七夜 「初代教会」

      イエスが刑死した後、まだ存命だった使徒たちの宣教活動は、新約聖書「使徒言行録」に記録されている。この時代は、信仰的にも教会史においても、いずれも特別な意味を持つ。 最初期の教団の存続は、献身的な個人行動と、それに支えられた緊密な集団活動との両方に依存していた。キリスト教にとって最初の、そして最も刺激に満ちたこのわずか数十年で、内にも外にも憂慮すべき多くの問題を抱えつつも、福音伝道の波は目覚ましい早さで拡大し、地中海世界全域に教線を伸ばし続けた。 こうして、パウロを初めとす

      • Bible Gamer 第六夜 「福音書」

        福音書すごろく自分のコマをふりだしからサイコロを振って進め、あがりを目指す絵すごろく(一般には単に"すごろく")は、現在でもポピュラーなボードゲームのひとつだ。 現存する日本最古の絵すごろくは、十五世紀に作られた「浄土双六」で、これは仏教由来の理念や教訓に基づいて構成されている。絵すごろくは、最初期から宗教的な世界観の中にあった。 キリスト教にまつわる絵すごろくも多くある。特に福音書はその題材としてよく用いられる。 福音書の様々な出来事を描いたマスを用意してつなげ、終盤

        • Bible Gamer 第五夜 「カタン」

          緊急事態宣言による巣ごもり需要で一時は品薄にまでなった「人生ゲーム」は、国民的な知名度と人気を誇るボードゲームだ。 「人生ゲーム」には、標準版の他にも、人気キャラクターとのタイアップや、時代の様相を反映した変形バージョン(令和版や鬼滅の刃コラボ版など)が毎年のように発売され、商品ラインナップは今でも増え続けている。 このようなビジネスモデルは海外でもよく見られる。たとえばアメリカ生まれの「モノポリー」がそうだ。 「モノポリー」のゲーム盤に印刷された地名や社名は、ほとんど

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        • Bible Gamer - 聖書とボードゲーム
          9本

        記事

          Bible Gamer 第四夜 「約束の地」

          「プロミストランド(Promised Land: 1250-587 BC)/以下『プロミストランド』」は、旧約聖書の歴史書をモチーフにした、壮大なスケールのボードゲームである。 本作は、2013年にクラウドファンディングで出資が募られ、世界中から集まった200人以上の出資者によって目標額を達成したプロジェクトだった。 モーセ死後、ヨシュアに率いられたイスラエルの民(本作ではヘブライ人)は、ヨルダン川を渡ってカナンへ侵攻し、その全域を掌握した。 カナンに定住後、ヘブライ人

          Bible Gamer 第四夜 「約束の地」

          Bible Gamer 第三夜 「ヨシュア記」

          旧約聖書の「ヨシュア記」は、モーセの後継者となったヨシュアが、イスラエルの民と共にヨルダン川を渡り、約束の地カナンを掌握する物語である。 その前半部は、イスラエル軍の武力侵攻によって一気にカナン全域が征服される様子が記されている。だがその一方で、イスラエル人が討ち払えなかった住民に関する記述もまま見られる。 つまりこれは、華々しい軍事的勝利の描写には後世の脚色が含まれており、イスラエルの人々がカナンに定着する実際のプロセスには、多くの苦難と長い時間がかかっていたことを示唆

          Bible Gamer 第三夜 「ヨシュア記」

          Bible Gamer 第二夜 「ノアの方舟」

          古来、文学や音楽など創作において旧約聖書は優れたネタ帳として用いられてきた。それはアナログゲームでも同様で、その中でも「ノアの方舟」は、よく採り上げられる題材である。 それはこのエピソードが、(少なくともキリスト教圏では)多くの人が知っているポピュラーな物語であることに加えて、その内容がとりわけゲーム的な構成だからだ。 実際、創世記・第6章の中盤から第7章の冒頭までは、まるで「神のルールブック」のようだ。 「ノアの方舟」ゲームの多くは、ノアが洪水に備える準備期間を主題に

          Bible Gamer 第二夜 「ノアの方舟」

          Bible Gamer 第一夜 「カルカソンヌ」

          アメリカや日本などと並んで、「ゲーム」を語る上で欠かせない国にドイツがある。たとえば、欧州最大のコンピューターゲームショウ「ゲームズコム(Gamescom)」は、毎年ケルンで開催されている。 このイベントは2018年に10周年を迎え、この年の総来場者数は37万人にも上った。開催期間や方式が異なるので単純に比較はできないが、総来場者数だけ見るなら東京ゲームショウよりも多い。 またドイツはアナログゲームも極めて盛んな国で、ゲームズコム同様、アナログゲームでも世界規模のイベント

          Bible Gamer 第一夜 「カルカソンヌ」

          Bible Gamer 前日譚 「ご案内」

          概要「Bible Gamer」は、キリスト教の文化や歴史、あるいは聖書(旧約聖書・新約聖書)が、テーマに結び付いたボードゲームやカードゲームを、クリスチャンの視点で紹介するいくつかの記事である。 元記事の掲載誌と発行年月 これらの記事にはオリジナルがある。元の記事は、「季刊Ministry」(キリスト新聞社)vol.41~48にかけて連載された(全8回)。各記事の掲載誌は以下のとおりである。 第一夜 Vol.41 2019年6月発行 第二夜 Vol.42 2019年9

          Bible Gamer 前日譚 「ご案内」

          Wars of Religion 《ユグノー戦争》 ルール疑問点と明確化まとめ

          先日公開した記事で、Fellowship of Simulations社「Wars of Religion, France 1562-1598」(邦題『ユグノー戦争』)の、主にルール日本語訳について問題点を以下で指摘しました。現在、この指摘を受けて、販売店で商品に添付しているルール日本語訳は改訂されたようです。 Wars of Religion 《ユグノー戦争》 ルールブック精察 https://note.com/moongamer/n/ncf7bbda294fa その後

          Wars of Religion 《ユグノー戦争》 ルール疑問点と明確化まとめ

          Wars of Religion 《ユグノー戦争》 ルールブック精察

          ■更新履歴2022.11.25 記事中の「移動コスト」を全て「コスト」に置き換えました。活性化した州の兵士ポイントに応じて支払うコストの額が決まるので、たとえ軍隊が移動していなかったとしても支払う必要があるためです。 2022.11.14 ◆14.6 宮廷フェイズにおける行動の解決(日本語訳 P5 左段)にカード名の誤りを追加 2022.11.14 ◆20 事件チット(日本語訳 P20 左段)に地名ミスを2件追加 2022.11.14 ◆18 特別ルール(日本語訳 P9 右段

          Wars of Religion 《ユグノー戦争》 ルールブック精察