正欲

ほぼ今日、0時を過ぎてから映画を観た。

わたしは3回目だったけれど、なんかこの映画はいい意味で記憶に残らない

だから毎回新鮮な気持ちでみれる
そんな、きれいな映画


あの人と一緒に観たい映画リストの、割と上位層

なぜかというと、わかってくれると思ったから

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一度目は、元恋人と観た。

至ってふつう過ぎる元恋人の、家族の中には
所謂、多様性で出来上がった姉がいた。

姉の (性的)思考、嗜好、指向。
ふつう過ぎる元恋人には自分の姉でも理解し難いところがあったのだろう

姉のことを理解するために、観たいようだった。


2時間ほど沈黙で、鑑賞して、感想をきいたら
1時間50分くらい寝てた?と思えるくらいのクオリティの返事が返ってきた。

「多様性って色々あるんだね」って、
小泉構文みたいな。

頭が良いのと、感受性が高いのと、言語化できる能力は必ずしも一致するとは限らないんだなと思った


このひとはやっぱりふつうなんだな
“わからない側” なんだな。

それ以降、「映画観よう」と誘わないまま終わった。

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2回目はひとりでみた。

結構メンタル的に不安定で、限界がきていたときに見た気がする。

友人のストーリーは、#結婚 #結婚 #結婚 #出産 #マタニティレポ #子供 #1歳の誕生日 #第2子

自分だけ置いてかれてる感じがした。
自分の夢を追うよりも、世間様に馴染みながらお決まりの幸せロードを歩んだ方が世の中を安心させられるかも。
結婚も、絶対今じゃないけど妥協しないといけないのかな。
わたしはもう大人なんだった。世界に馴染まないと。
独裁政治のような人生、もうそろそろ切り上げないと。
そんな、何もかも疲れた時に見た気がする。

1回目に観た時に、子供 とか 結婚 についてガッキーが葛藤する描写があったことを思い出して、縋るようにひとりで観た。
なにか答えがあるかも、とか期待していた気もする。

ネタバレを含むので一言だけ載せるが、

「この世界で生きていくために、手を組みませんか?」

というあの瞬間がこびり付いて離れない。
永遠の約束が、すべてこういうのだったらいいのに。

一生幸せにする、とか 幸せな家庭を作ろう、とか
いちいち重すぎる。幸せの誓いなんだろうけど、わたしにはどうしても中身がないように感じてしまっていた。

一緒にいることに理由は特に必要ない。
居たいから居る、でいい

ただ、通常の世界で生きるのが苦しいから生きるための手段として一緒にいようね。って
お互いがその居心地を求めているなら、あの一言はもう立派なプロポーズだと思った。

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3回目の今回。もう観ることないと思っていたけれど
最近出会った人が、きっと “わかる側”の人間なんだろうなって思った時、機会があれば一緒に観たいなって思っていた。

どんな考察をするのか気になった。

昨日、一緒に(遠隔で)観た。

所々 わたしたちが交わした会話たちと
一言一句同じ台詞が流れたときに、変に緊張した。

映画の中にいるみたいだ。

「いなくならないで」

映画を見たことないと言っていた相手が、映画を観るより前にわたしに言ってくれた言葉。

この映画でも「いなくならないで」は
結構強く伝えたかったシーンだと思う


別れたくない、とか
捨てないでよ、とかは何となくよく聞く言葉だけど

「いなくならないで」って表現、
わたしは向けられたことが無かったし
あったとしても映画の中だけだろうなと思っていたから言われた時は不思議な気持ちになった。


スペード、の中の、大也(ダイヤ)
同じ分類だけど孤立(独立)している

そういう着眼点を持って考察をした人は初めてだった。


いい映画だと言ってくれた。
やっぱりなんか、夢の中みたいだ

映画は大抵、ラストを知って
こちら側も結末に一喜一憂して、
「ああ終わった〜」ってなってしまうけど

この映画はラストがないから好きだな。
『多様性』は、終わりとか結末とかの概念が無いからなんだろうな。





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