14年目の8月31日
8/31を魔のXデーとしてから、14年もの月日が経った
明けても暮れても思い出す、辛く悲しかった1年目
あの人はもう死んだ と自分に言い聞かせた5年目
徐々に忘れてきた10年目
「あ、わたしもう26なんだ」
「ていうことはあの人は28なのか」
「じゃあ、もう誰かと結婚とか、してるよね」
そしてまた思い出す14年目
思い出すも何も、思い出すような顔も知らなければ声も知らず、背の高さも愛おしい匂いも知らず
わたしは14年もの間、自分の想像の男を愛しているのである。
でもこの世に存在している事実。
どんな形でもいいから、新宿駅前ですれ違うだけでいいから
死ぬまでの間の一瞬でいいから
1メートル以内に居てくれないかな
それだけでわたしは生きられる。
今年も愛してるよ