愛がなんだ
大学生のとき、「愛がなんだ」を映画館で観た。
高校からの付き合いの、女3人で観た。
一人は、愛がなんだの予告でぶっ刺さり、
自分の状況をテルちゃん(主人公)に当てはめたがっていた女
もう一人は恋愛経験のない女
そしてわたしだった。
映画が終わったあと、わたしはため息をついていた。
ぶっ刺さっていた女は泣いていた。
もう一人は真顔だった。
恋愛経験のない女は、愛がなんだを観ても
愛がなにか分からなかったらしい。
もう一人の女は、自分と当時好きだった男の末路を映画越しに知ってしまい、ひどく絶望したようだ。
わたしのため息は、ひたすらに江口のりこさんがかっこよくて好きだと感じて出たものである。
三人で観ると、三通りの感想が出てきて面白い。
たしかに愛がなんだは、「報われない恋」をしている人が見たら感情移入してしまうかもしれない。
悲しくもなる。
わたしも、映画をみながら
「こういう気持ちの時もあったなあ」と納得していた。
もはや懐かしいまである。
わたしは若葉竜也が演じる「仲原」が刺さった。
「幸せになりたいっすねー」
あれから呪いのように脳内リピートしてきて人生壊そうとしにきてる。
好きだった女に相手にされない、けど想ってる犬みたいな、そんな微妙な役が特に似合う。
若葉竜也の本質が多分ソレで、監督は上手く見抜いてるんだと思った。適役として舞台にあげたの、監督の映画人生としても正解だったんじゃないかなと思う。