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真っ白な電車は新鮮な気持ちと穏やかさを連れてきた

先日、大阪の出張があった。大阪日帰り出張はイベントへの出店で、新幹線からローカル線に乗り換えて向かった。はじめての大阪の電車であった。その電車に感動した。

感動した電車はOsaka Metro中央線。

座席が窓1枚に対して壁に平行に3つ並ぶ。走り出すと一方は前を向き、もう一方は後ろを向きながら進む。それも驚きたったのだが、遥かに上を行く驚きのポイントがあった。

私にとっての大阪は昨年、彼と三重〜滋賀〜大阪を車で巡った旅のときがはじめてだった。

めちゃくちゃに右へ、左へと車線変更をする環状道路になにもかもが盛り盛り!ぴかぴか!でっかい!な「もういいです…」と断ってしまいたくなるくらいの主張とアピールと数とでかさ。

なんでもかんでも盛りだくさん!

これが良くも悪くも私にとっての大阪のイメージ。観光としてちょっと行く、一時的なものなら良いけれど、この中に住むのは情報量が多くて苦しい…と思ってしまうような街だった。

それなのに、今日乗った電車Osaka Metro中央線は驚くべきことに電車内に広告がなかったのだ。

正しく言うなら、最近の映像やトビラ上部にある細い小さな広告はあった。でも、トビラの横にある大きな紙の広告やぶら下がってる紙の広告もなかった。

水色のような緑のような薄い色の椅子が点、点、点とあり、壁一面真っ白だった。

「脱毛しなきゃ」「お金貯めなきゃ」
「英語勉強しなきゃ」
みたいに煽られることがないどころか、

白く、文字も写真も無い。真っ白な車内。

電車としては新鮮な造り、そして見たことの無い真っ白な壁に穏やかな気持ちになった。ほっとした。

あのなんでも盛り盛りな大阪でこんな気持ちになるなんて思わなかった。

関東の電車にはいかに広告が多く、それも煽ってばかりの内容で、それは当たり前に疲れるよなぁと感じるのは普通のことだと思う。

そんなことを思っていたけれど、帰りのOsaka Metroは普通の電車で、横並びの座席と壁にも上からも広告が並んでいた。それでも、広告の内容は「初詣は伊勢神宮」が多く、それもシンプルなデザインが多くてなんだかほっとした。

関東は、東京は、なんでこんなにも比べさせて煽ってばかりの広告で溢れているんだろう。もっと違うものがあってもいいじゃないかと思う。




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葵月みず
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