真夜中のおしゃべり
あのコは今も得意気に話してるみたい。本当のことから目を逸らしながら。誰かがそう言っていた。
キミは今日も自分のおしゃべりに夢中。まるで自分以外存在していないみたい。そんなに一生懸命、誰にむかって話してるの?まるで言い訳するかのように。
誰もキミのせいだなんて言ってないよ。だから聞かれてもいない言い訳はしなくて大丈夫。
暗がりにいる時間が多すぎたのかな。
明るい場所は苦手だなんて、神妙な顔して言ってるけれど、全部負け惜しみにしか聞こえない。キミが本当は明るい場所にいたいってこと、案外まわりのみんなは気付いてるよ。だけどみんな優しいから、何も言わずそっとしてくれてるの、気付いてないでしょ?
素直になれたらもっとラクになれるのに、それすら認められないキミは滑稽だ。そんな姿を見続けたくなかったから、言葉少なにその場を立ち去った。
あれからずいぶん経ったけど、あのコはいまも得意気に話してるみたい。そしてあのコは今日もまた、滑稽だ。
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