77:お葬式

他人の訃報を聞いた時ほど、
自分の生を感じざるを得ない。

お葬式もお別れの会も、極論生きてる人のためのものだ。
生きる人たちのエゴによって執り行われる。

粛々した気持ちと共に、
自分の余生を案じる人。
次は自分と考える人。
しめしめまだまだ生きられるぞと思う人。
亡骸を見て、生きてるという実感に咽ぶ人。

と、同時に
お葬式は死んだ人間の最後のご奉公の場でもある。
つい二、三日前まで生きていた人のことを、
昔の偉人が如く喋っている。
過去の過ちなんかは消え去り、
素敵な部分だけが残ってる。


これが仏様になるということか。


人類史上、誰も死に抗えた人はいない。
宗教も医療もテクノロジーも、
死が何か、正確には捉えられていない。

近い将来これは覆るかもしれないけれど、
死は永遠に繰り返されていくだろう。
そして生もまた然りであろう。

生と死は当価値。
無数の死が私たちを生かしている。
だから人は「生きる」のだろう。



追記、
こんなふうに考える自分を叱りたいよ。


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