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89. 浮気と、自己愛。

学生の頃、写真を撮るのが上手な男の子と付き合っていました。
彼は会うとまず、服や髪型を褒める前に私の写真を撮りました。一緒に過ごす楽しい瞬間や嬉しい表情も、全部写真に収めました。たまに、怒っている姿も。


大人になって、一緒に仕事をしたカメラマンさんが言ってた。写真を撮る時、カメラマンは被写体に恋をしてるって。

私は彼が私以外の女の子の写真を撮るのをなんとなくモヤモヤした気持ちで見てたけど、そうか、あれは、私にとっては浮気だったんだ。
数年ぶりに、あの頃の幼い気持ちが腹落ちした。

私の場合、もし相手に浮気をされたらたぶん、「相手に裏切られて悲しい」じゃなくて「相手に自分が愛されてないことが悲しい」だと思う。愛されてない私を自認するのが苦しい、私が私に向ける自己愛を踏みにじられた!となってしまいそう。ああ、どこまでも自分主語な人間で、我ながらちょっと嫌だな。


そういえば数ヶ月前に開けたピアスの穴がやっと安定してきた。
それに合わせて髪型を少し変えたり、ちょっとずつピアスを集めたりしてる。楽しい。自分を可愛くしていくときに生まれるエネルギーは、とても健全で前向きで、良い。

人に求めすぎず、私が私を愛して、人には優しくありたいものですね。いやほんと、難しいな。

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