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前記事には書ききれなかった、紅茶にまつわるお話〜紅茶と水瓶〜紅茶の好みの自由〜
数年前沖縄に行った際に、大好きなやちむんを見に行こうと寄った地域のお店。
両側に木が多い繁る道を進み、お店の入り口らしき小道に入る。ぐるりと窓と回廊に囲まれた、洒落た建物の入り口には、大きな水瓶があり、木の枝が木陰を作っていた。
その木の枝に、5、6個の、紅茶のティーバッグがぶら下がっていた。多分イエローラベル。(いや、そんなことより)
え、どういうこと・・・?と視線を落とすと、水瓶には水草奥行きを作り、水面にも平たい水草が浮いていた。めだかがぴよ〜ぴよ〜と何匹か泳いでいるのが見えた。
え?おまじない?いや、厄除け…湿気取り?自然色抽出?もうわけが分からず、頭の中はぐるぐると楽しいパニック。
もう一度、めだかの、その頭上を見る。まごうことなき、やっぱりね、紅茶のティーバッグだった。
↓この記事です
確か、
「なんか、かわいいでしょ」
って言われたと思う。
いやーーっ、もう最高ですうー!!ラブ・ユーです!!と叫びたいのをこらえ、
写真にも収めて、お店のひとにも、うんうん、可愛いですと伝えた。それを可愛いと思う人がいるなんて、ハグしたいくらい嬉しかった。
*****
先週のこと、職場の隣の席の後輩さんの電話(動かせる電話台で少し高い位置にある。わかるかな)に、紅茶のティーバッグがぶら下がっていた。明らかに、もう出したあとの紅茶のティーバッグ。
この後輩さん、そんな奇抜な人でもないのだけど、少し一般的な人とは違った考え方(でも逸脱しすぎない)をするので、もう本当に大好きなのだけどね、なんかしばらく見入っちゃったよね・・・。
もちろん、
「あのさ、それって・・・」から始まり、同時に、沖縄のことを思い出したよね。
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あと、もう一つ。
そのぶら下げてるティーバッグを見ながら、その後輩さんと
「一回出したらもう出ないんですかね〜」(もちろんそのためにぶら下げたわけではないようで)
「うん、出ないでしょ〜」
と言いながら、思い出したこと。
おじゃる丸に出てくるよなあ、1回目、2回目、3回目、を洗濯物のように部屋中に干してる女の人(名前忘れちゃった)。笑
大切なお客様のときはとっておきの貴重な1回目(1回出したティーバッグを干してあるもの)を振る舞うのだが、すごくそれが印象的(びっくり?笑)だったんだと思う。今でもそのくだりを覚えてるから。
その後にふと気付いたんだけど、
父が、
「紅茶ある〜?ちょっとでいいんだけど」
「今いれたとこ〜。(ティーバッグです)
もう少し早ければもう少し濃い目に出して、少しお湯足して、少ないけど半分ずつにしたのに…。
新しいのいれようか?」
「ううん、それでいいよー。薄くていいから」
そう言って父は、私がコップから出して横に避けたティーバッグを指さした。
「えっ薄いのがよかったらこの出したやつを薄めた方がいいよ」
「いいよ、これくらいが」
と言って、一口飲み干す分くらいのお湯にそのティーバッグ入れて、飲んでいった。
紅茶は最初から最後まで抽出されるものが違うと思っているので、同じような薄さでも、どこの部分かで味が違う(図解したいくらい)んじゃないかな。最初に香りが出るし、きっともうコク深さの部分も出切ってるだろうし…
頭の中でぐるぐる思っていた私は、急に、
そうだね、どこをおいしいとか飲みたいって思うかは、そのときの口によっても体調によっても、人によっても違うから、人がとやかく言う事じゃないね。って思った。
そういう正解は、ただの押し付けになるときもある。
そういえば、祖父(この件の父の、父)も紅茶好きで、ストレートティーに角砂糖2つがお決まりだった。
レモンティーも好きで、そこにレモンのスライスを入れて取り出し、カップを傾ける細い指(私はそれを受け継いでいる)を思い出す。
その祖父も、一つのティーバッグで多く出すのではなく、軽めに1杯飲んだあとに引き揚げたティーバッグを、何度かお湯に浸して飲んでいた。
思い出して、なんだかクスリと笑ってしまった。