旅から眺めるエコ③: フランス プラスチック削減年表
今回のイタリア・フランス旅日記では、機内のプラスチックの削減(エールフランス)やパッケージレスの店(イタリア)などに触れつつ、環境へのアクションが加速している様子を紹介しているが、個別の事例だけをあげてもあまり説得力がないようにも感じた。
そこで、今回は自分に一番馴染みのある国フランスを例に、2016年かのプラスチック削減政策を年表形式にまとめつつ、変化の様子を追っていきたい。
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これ以前もレジ袋は有料だったので、無料配布の禁止でなく、レジで使い捨てプラ袋を渡すこと自体が禁止に。
もともとフランスではマルシェ(市場)が根付いていることもあり、マイバック、カート、かごなどを持参で買い物に行く人が多かった。
↓南仏名物マルシェのかご
*生鮮野菜・果物の包装への適応は2022年まで待たれる。
この年にフランスへ行ったが、びっくりするくらいプラスチックが減っていた。鳥の丸焼きを買った時に、ロウ引きしていない普通の紙袋で渡され、ギトギトになって困った。
スーパーでは量り売りの野菜を入れるプラ袋が、紙に替わっていた。
旅行中、荷物の整理などにちょっとプラ袋があれば便利だなという時も、店でプラ袋を全然もらえないので、これ以降の旅ではプラ袋を持参することに。
その後も適用範囲は拡大されていく。
*オキソ分解性プラスチックは光や熱に晒されることで早く劣化するプラスチックだが、細かく散り散りになっても生物分解されず、マイクロプラスチックとして長期残留する。(参照サイト: http://www.jbpaweb.net/wp-content/uploads/2020/06/sankabunkaisei_iken.pdf)
飛行機や街中でプラ製品が減っていたのはこのためだったのか、と納得。
↓飛行機で感じた変化
生鮮食品のプラ包装に関しては、こちらに分かりやすく紹介されている。
この辺りまでくると、フランス全体のプラスチックに対する意識も大部変わっており、推進しやすくなるのではと予想。私的には、日本でもスタバやマクドでもっと再利用容器の利用が増えればいいなと思う。
更に2024年以降は、ここまでやるの?という攻めた政策が続く。
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政府発表の記事でなるほどな、と思ったのは、フランス政府はプラ政策を新たな産業、雇用創出機会ととらえている点。(参照サイト:https://www.ecologie.gouv.fr/archives-presse-2012-2017/Interdiction-des-sacs-plastique-au.html)
2016年のプラ袋禁止前の発表によると、レジ袋の8割は輸入品とのこと。また、2021年からは使い捨てビニール袋の製造・輸入が禁止されている(参照サイト:https://www.ecologie.gouv.fr/lutte-contre-pollution-plastique)石油系プラスチックの輸入をやめ、自国で代替素材の開発や販売、またはリサイクルのシステムが拡大すれば、経済面でもプラスになる。
日本ではプラ包装が溢れているが、「これ全部を廃止したら、関連団体からの圧力がすごそう…」と常々想像していたので、フランスの政策が妙に腑に落ちた。ここまで大きく舵をきれたのは、プラスチックを輸入していたところも大きいのかもしれない。
日本のメーカーも色々技術を持っていると思うので、代替素材の開発、プラを削減した輸送システム、プラ再利用システムなどを、ぜひ開発・発展させていってほしい。
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今回の記事執筆には、いくつかのインターネット記事を参考にした後、フランス政府のHP(経済・財務相:https://www.economie.gouv.fr、環境省:https://www.ecologie.gouv.fr)を、翻訳ソフトDeep Lの力を(かなり)借りながら参照しました。
正確な情報になるよう気を配りましたが、記載内容に誤りがある場合は、教えていただけますと幸いです。
2022/11/6 22:55 加筆 修正