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地元に帰省して人生で1番好きだった元彼と5年ぶりに話をしたら、意地っ張りな自分が嫌になった

今回も久しぶりの帰省となった。YouTuberの企画並みにコンビニを何軒もハシゴしながら、ただひたすら中身のない話を続ける。地元あるある、田舎だからみんな車を持っていて予定がないと駆けつけてくれる子もいるので、突然話題に上がった人を誘うことがある。そして今日連絡した相手は私もよく会う男友達で、気づけば夜中に落ち合うことになった。そして偶然そこにいたのが彼だった。

疎遠になってから5年。なんとなく地元の大勢がいる集まりで会うことはあるものの、いろいろあったせいで周りから気を遣われてしまっているようだった。そして当の本人たちも自己中心的な好きを真正面からぶつけ合っていたせいで、いつの間にか距離が遠のいていっていた。昔の恋の代償がここまで長引くとはきっとお互い思っていなかったよね。

合流すると車を2つ横並びに駐車した。
窓が開いて助手席に見えるのは懐かしいあの顔で、運転席に座る友達越しだったのが私にはちょうどよかったと思う。
しばらく全員で他愛もない話をした後に、お手洗いに行くと席を立った彼が戻ってきたのは何故か私たちが乗っている車の方だった。そこから約5年ぶりの2人の会話が始まる。

18歳、上京した私と地元に残った彼。
初めてお互いが意識し出したのは中学2年生の頃、1年ちょっとの関係を終わらせたのは私の方からだった。もうその理由は覚えていない。(もしかしたらすごく惜しいことをしたんじゃないかと思ってしまうこともある)

私の人生における好きの基準を作ったのは彼で。好みのタイプを作ったのも彼。特別かっこいいわけじゃないけどくしゃっと笑う顔が好きだった。犬みたいに懐っこくて、ちょっと不器用だけど好きな子にはまっすぐな人だった。そんな彼を困らせたことが何度あっただろう。

付かず離れずの関係がダラダラと続き、くっつきそうなタイミングは実際に付き合った時を除いても3度はあったと思う。
でも「私、遠距離無理だから…」なんてありきたりな理由で先延ばしにしてしまっていた。そうすればどこかであの人はずっと私を好きでいてくれるんじゃないかなんて思って、ちゃんと言葉にしてNoは伝えなかった。そしてまた距離ができても、どちらかが好きになって同じことを繰り返すんじゃないかとも思った。今ならはっきりとわかる、そんな訳ないのに。でもそう勘違いしてしまうくらいに長い間、お互いにとって特別な人だった。

5年ぶりに話す私たちは、環境も何もかもが変わっているけど、何故か久しぶりな感じがしなかった。顔立ちや喋り方が変わらないせいかな。そして昔と変わらないように、強がりながら大袈裟に口を開けて少し強い言葉でぶつかり合ってみる。そうしたら気まずさを通り越してあの頃に近づけるかなとも思った。
もちろんこれから新しい何かを始める気はない。ただお互いにとっては今でもなんだかんだ…ちょっとだけ普通とは違う存在であることには変わらないみたいだった。

かつては会う度に好きになってしまっていたんだよね。理由はわからない。なんならバカみたいだけど年に数回地元に帰って会う度に好きになっていたんだと思う。口には出さないしもちろん友達にも言わなくてもそれを何度も繰り返してた。2人で話した結論としては、ただタイミングが合わなかった。悔しいからそういうことにした。

別れ際には今までごめんねの握手をした。傷つけすぎてしまって、意地を張りすぎてしまって、そのごめんねにはたくさんの意味が込められているせいで正解を端的な言葉で表すのが難しい。なんだか泣いてしまいそうだった。めちゃくちゃにどうしよもないくらいにすごくすごく好きだったなあって、そうだよこの感じだったなあって。手を合わせるといつも「お前の手小さいよな、赤ちゃんみたい」って言う。あなたなら荒っぽい言葉も許せてしまった。それに釣られて私も強い言葉を使うようになった。また過去に引き戻されそうになる。けれど私は「またそれだ。その話しかできないの?」なんて強がってみる。お願い、今泣くのはだめ。我慢できる。

昔の私に教えてあげたい。
永遠なんてないよ。[好きな人がそこにいる]ただそれだけのために地元に戻れとは言わないし、その選択を取らなかった今の自分も好きだ。けれど、もっと自分の気持ちに正直になってもいいんじゃないかな。

「俺たち本当に似てるよな。いじっぱりで素直になれなくて…ちょろくてさ(笑)」そうだよ。「好きだよ」って私がやっとの思いで伝えられた時にはもう手遅れで、「そんなこと言われたってもう遅いよ」って言われた成人式の三次会をよく覚えている。(場所は確か某チェーン店居酒屋で、忘れ物チェックをしながら雑に好意を伝えて玉砕した)

「俺たちって一緒になったらうまく行ってたのかなあ」選ばれなかった私はまた強がって「それはどうかね」と返した。もう好きじゃないけど特別だった人。私と付き合ったなら今の子より幸せにするよ。それくらい好きだったよ。あの時はね。

彼は[強がりで素直になれなくて綺麗な言葉を使えない私]とは正反対の人を選んだ。「そういえば28歳になってもお互い相手がいなかったら結婚しようって俺言ってたよね」笑いながら言われるその約束は去年辺りだったかな…?想定より早めに有効期限切れとなった。

もうあんたのことなんて絶対好きになってやんないから!!!いくら優しくされたって、憎まれ口を叩かれたって、頭と顔の境目がわからないくらいにぐちゃぐちゃに撫でられたって。全部大好きだったけどもうそれは過去なんだから。

話さなきゃよかったのか?綺麗な思い出にだけ恋をしていればよかったのか?なんて思うけど、もう全部全部手遅れなんだよ。私が今もあんたの隣にいた可能性を1ミリも出して来ないで欲しかった。なんなら「お前なんてありえない」そうぶった斬ってくれればここまでの傷は負わずに、笑い飛ばせたのかもしれないのに。

幸せになってね。きっと「当たり前だろ」って返されるんだろうね。だったら「今でも、ずっとお前は特別な女だ」なんて言うなよバカ。ほんのちょっと、すこーしだけあの子が羨ましいけど、すごくすごく私が入り込めないくらいに幸せになれ。

それでも、私はずるいからどこかでこの思い出たちを忘れないで欲しいとは思っている。あんたが死ぬ時、走馬灯に一瞬出演させてよ。この程度のわがままは許してほしい。それくらいのこと叶えてくれないと割に合わないよ、本当に。

あームカつくほどにだいだいだいだい好きだ(った)
今頃、あんたが結婚してなかったらね、私、、大切な物をたくさん…何もかも捨ててあそこに戻っていたような気がする。
あんたの望む優しい奥さん、私にぴったりだったのに。勿体無いね。ほんの1ミリでいいから後悔していてよ。

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