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顔なじみの白髪のシニョーレと褐色肌の青年
ウォーキング中によく会う人たちがいる。
その中でも印象的なのは、白髪のシニョーレ(男性)と同伴する外国人と思われる青年。
白髪のシニョーレの顔はまじまじとは注視したことはないが、七十代から九十代ぐらいだろうか。
外国人の青年は二十代から四十代ぐらい。褐色の肌に面長の顔で眼鏡をかけている。途中のベンチで休憩している際に外国語で電話をしているのを耳にしたことがあるが、何語が分からなかったので、南米のスペイン語圏の国出身ではなく(スペイン語ならば、意味は分からずともそうではないかと分かるかと)、バングラデシュやスリランカなど、その辺りのアジアの人ではないだろうか?と想像する。
(両人の推測年代の幅があるのは、どうも見定めが難しく)
おそらく、青年は白髪のシニョーレの介護者で、通いか住み込みで介護をしているのだろうか。シニョーレはひとりで歩くのはおぼつかないので、手を添えながら一緒に歩いている。
春も夏も秋も冬も……彼らはだいたい毎日のように一緒に歩いている。もちろん、わたしが歩いていない時のことは分からないのだが、土日でも見かける。
ごくごくたまに、青年ではなく、女性が代わりに一緒に歩いているところと、一度は、三人で歩いているところも見たことがある。女性はイタリア人か外国人かはパッと見ただけでは判別がつかないのだが、青年が休みの時の代替えの人か、もしくは、シニョーレの家族なのかと推測する。
シニョーレは、たいてい小綺麗で、一般的にもお洒落な服装をしているので、また、そこに目が留まりやすい。わりと新しそうな衣服も纏っている。ご本人がしょっちゅう自ら買い求めに行っていることは、介助が必要なところから考えにくいので、周囲のどなたかがコーディネートして着せているのではないかと思われる。
最近では、濃淡二色のピンクのストライプのワイシャツに白いチノパンを合わせていたのを目にしたが、小粋でお洒落だなと思った。
春先には、ショート丈の黒いライトダウンジャケットを着ていることもあった。
薄いブルーのシャツも涼しげで、目がいった。
彼らは時間をかけてゆっくりじっくり歩いているのだが、時には、午前中と夕方と同じ日に二回も目にする日もあり、ああ、がんばって歩いているのだなぁと、その様子に励まされた。
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