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「お昼寝」と「昼寝」ぐらいの違い

ジェノヴァのイタリア語学校で「昼寝」を意味する単語は「pisolino(ピゾリーノ)」と習ってから、何の疑問もなくその単語を使用していた。講師の先生がそう教えただけではなくて、辞書にもそのように記載されているので。そして、会話の中で使っていた時にも、しばらくは誰にも特に何の指摘もされなかった。

ところが、ある日、1年ぐらいたった頃だろうか、会話の中で口にしたたところ、知人の同じぐらいの年代の女性に「やだ、pisolinoだなんて、笑っちゃうわ!」と言われ、戸惑いながらも「なぜ、pisolinoが笑えるの?」と尋ねてみた。すると、彼女は「pisolinoっていうのは、子どもの昼寝よ。いい大人が使うのはおかしくて、笑えるのよ」と言うではないか!「では、大人の場合は何て言うの?」と聞くと、「一般的には、sonnelino(ソンネリーノ)ね」と。
この指摘を受けてから、「昼寝」が話題になった時には、他のイタリア人にも同じことを尋ねてみるが、やはりpisolinoは子どもの昼寝で、sonnelinoは一般的な大人も使う昼寝の単語とのこと。

これは一例だが、授業や辞書やテキストで学んだ言葉でも、こういった実用での違いということが時々あるのだ。これは、その違いを指摘されなければ外国人には、どうして気が付けるだろうか?

さしずめ、pisolinoは「お昼寝」で、sonnelinoは「昼寝」ぐらいの響きの差があるのだろう。
たしかに、日本語でも、よい大人が「食べたら眠くなって、お昼寝したよ」と言ったら、なんだか可愛く聞こえる(笑) この場合の「可愛い」とは「子どもっぽい・あどけない」という雰囲気のことだ。子どもに対しては、より丁寧に「お昼寝しようね」と話しかけるかもしれないが、自分の行動で「お昼寝した」とは、大人どうしの会話ではあまり耳にしない。
知らず知らずに赤ちゃん言葉を話しているとは、恥ずかしいというより、そら恐ろしい……


ちなみに、子どもを寝かせる時に使う「おねんね/ねんねしようね」の「(お)ねんね」は、イタリア語では「nanna(ナンナ)」で、なんと、な行の文字違い!

「子守歌」は「ninna nanna(ニンナ・ナンナ」


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Jacqueline
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