好きなんだ、モン
冬が来てしまいました。いや、もう立春すら過ぎてしまいました。
それは、僕が好きなモンの季節が終わったということでもあります。さびしい・・。(モン、はケーキのモンブランのことです。敬愛の情を込めて呼んでいます、決して入力が面倒くさいとかではありません)
もちろん、年中食べられるモンもあるけれど、栗の季節は秋であり、特に和栗を使ったモンは季節限定であることが多いし、個人的にも季節限定であるべきだと考えています。
年末だったか年始だったか忘れてしまったけれど、深夜にzoomでモンブランを語る機会がありました。
と聞かれた(こんなに怖い口調じゃないです)のが始まりでしたが、「ケーキのモンブランが、好きなんです」と話し始めたら、聞き上手の皆さんに励まされて、たくさんのことを話しました。
それを思い出しながら、書き始めました。
好きの概要
自分が好きなものを楽しんでくれるというのは、とてもありがたいことです。僕にとって、話すことと書く事は、なかなか同じではありませんが、いろいろな場面で「あいつは、モンブランが好き」と知ってもらう機会が増えました。
上の記事は、昨年、8月の祝日である”山の日”にモンを食べた時の話。初めてnote編集部おすすめ記事に選んでいただきました。嬉しすぎる・・。
記事に、祝日くらいモン食べてもいいじゃないかと書いていますが、8月の山の日だけでなく、11月の文化の日も個人的に「モンの日」と呼んで、モンを食べていました。我ながら・・。
どのくらいモンを食べたかなぁと思い、スマホを確認。モンを食べた時にはだいだい写真を撮っています。4年前から始めたアルバムの中には、・・・180枚ものモンの写真が・・思ったより多くて、僕も驚きました。
あまり自覚は無かったのですが、この4年間でならせば、およそ1週間に1つ、モンを食べていることになります。
ただ、冒頭に書いたようにモンの季節があるので、時期が来ると週に何個か食べている時もあります。一方で、通年でモンが食べられるカフェも重宝しています(食べないわけじゃない)。我が家では、秋に「栗のための特別会計」が認められています。
ラーメンやカレーなどが好きなら、週に1回食べることは、まったく不思議ではないはずです。まぁ、食事ではなくケーキなので控えめにしないとダメですが。
さて、長い前置きとなってしまいましたが、少し姿勢を正して、モンのことを僕なりにもっと考えていきたいと思います。
好きの理由
好きになるのに理由なんかない、という言葉もありますが、僕がモンを好きになったのには明確な理由があります。
それは、モンが日本で独特の進化をしているケーキだから。そして、総じて美味しいからです。いろんな形があって、それは店ごとのセンスでもあり、工夫でもあります。
突飛な味が少ないのも、僕が好きな理由です。淡い甘さと、こっくりした食感、それに合わせるホイップと台のバランス。小学生の時から、ケーキと言えばモン、でした。
ね、分かりますか(笑)
これは単純に僕の勉強不足で、ほかのケーキだって発展しているとは思うのですが、モンは店によって形が様々だと思うのです。それを許容しているのは、日本ならではという感じもします。北海道には、また違ったモンがあるようですが・・。
モンブランは、そもそもフランスに発祥があるケーキです。しかし、もとはイタリアの田舎菓子らしいことを読んだ記憶があります。ちなみに、発祥と言われている、パリのカフェ「アンジェリーナ」のモンはこちらです。日本にもお店があります。
僕は、これを初めて食べた時に、すごく甘くて驚きました。そして、分かってはいましたが、ほとんどがクリームです。台はメレンゲでしたが、全体的に重厚なモンでした。
このマロンクリームが、ショートヘアの女性をイメージしているらしく、ちょっといいなと思って、ショートストーリー(旅する日本語)を書いたりしました。
そのフランスのモンを、日本流にアレンジして売り出したのは、東京の自由が丘にあるケーキ屋、その名も「モンブラン」です。写真を見てください・・元祖モンとは異なる雰囲気になっていると思いませんか。
マロンクリームはフランスのものよりも黄色く、鮮やか。
いまさらですが、モンブランの由来は、フランスにある雪山の風景。白い粉糖がその象徴なのかも知れません。日本初のモンは、果たして雪山なのか・・。なんて意地悪なことを思ってしまうくらい、変わりました。
ちょっと調べてみたら、この「モンブラン」の店主(迫田千万憶・・読み方が分からない・・)は、モンを広めたいという意思から、商品名を商標登録しなかったらしいのです。モンが店ごとに変化する礎を築いた人がいたのだと、勝手に感銘を受けました。
モンの特徴あれこれ
モンは、いくつかの素材によって構成されていて、僕はそれを、外側(マロンクリーム)、内側(ホイップクリーム)、台(ケーキの土台のような焼き菓子部分)に分けて呼んでいます。もちろん、分解して食べているわけではありません。大事なのは、バランスです。・・・なんのこっちゃ。
僕が考えるモンの魅力のひとつに、形がそれぞれ違うというのがあり、カットケーキタイプ(ホールケーキを切り分けてる三角や、四角のやつ)、ドーム型、ロールケーキなどがあります。
さらに、先ほど書いた部分ごとに、それぞれを見ていきましょう。
外側のマロンクリームは、色も風味もかなり差があります。ゼラチン質と混ぜてぷるんとしたものもあるし、硬さも違うし、なによりも盛り付け方が、まるっきり本家からは変わっています。最近は和栗や、渋皮と言った素材の違いもあり、モンの顔です。
内側のクリームも、生クリーム(ホイップ)から、カスタードや、ホイップとカスタードを混ぜたもの、チョコレートムースなどもありますね。さらに、中に栗粒やダイスカットされた栗が入っているかどうかも、その店の独自性が出ます。
台は、本家はメレンゲ(卵白と砂糖を泡立ててオーブンで焼いたもの)でしたが、カップケーキ、スポンジ、タルト、フィナンシェ、クッキー、ガレット・・焼き菓子だけでなく、最近では”大福”も台になっています。
こんなに要素があれば、味もさまざまです。僕は、急に酸っぱいベリー系とクリームとの組み合わせが苦手で、モンの中にはアクセントとして採用されているものもありますが、甘いままでいいのに、と感じてしまいます。
すでに、溢れんばかりに紹介していますが、これまで食べてきたモンの中で、強く印象に残るモンたちを紹介したいと思います。もう、たまらないですよね(何が)。
日本全国を食べ歩いたという経験はなく、数少ない中での紹介となり、エリア的にも広がらず、偏りがありますことを最初にお詫びします。
まずは、ケーキの概念を超えて、“飲む”モン。
台は、その店が得意とする焼き菓子を使うことが多く、それに注目すると食べるのが一層楽しみになります。名物、と謳っている焼き菓子が入っていると、なんだか得した気分です。
マロンクリームはあまり工夫できないからなぁと思っていましたが、そんなことはありませんでした。かねてから、モンとアールグレイは合うと思っていたところで、このモンに。
和栗を使ったモンも、増えてきましたね。美味しかったお店のモンを、モンの美味しいお店として紹介した記事を書いたこともありました。
(同じことを2回言ってますが、面白いので修正せずに残しました)
マロンクリームの加工技術が向上したのか、多くのお店のモンが美味しくなった気がします。ケーキ屋さんだけでなく、和菓子屋さんも、モンを作ってくれるようになりました。
気づきと深まり
モンの好きなところは、日本独自の変化を遂げているから・・と書きました。それは、完成形が出来上がったわけでもなく、お店ごとの工夫が光っているから、同じモンがあり得ないということになります。さらに言うなら、お店の中での変化もあります。お店によっては、毎年デザインを変えているところもあります。
ずっとモンを食べ続けていると、あれ?ちょっと変わったかな?と気がつくことがあります。この店、この形だったかな?とか、明らかに味が変わっていたり。
例えば、大手のカフェチェーンのモンも、ある時期に変わりました。理由は何かあるとは思いますが、見た目だけでなく、味も変わっているのです。カットケーキからドーム型へ。
モンの可能性がまだまだあることを、日々感じることができます。
あれ?変わったかな?と気がつくと、それがまた嬉しかったりして。でも、だいたい一人で食べているので、誰にも確認も共有も出来ないのがさびしいところです(笑)
最近は、ドーム型が増えている印象があります。凝ったデザインはまさに職人技が必要ですが、ドーム型は台、クリーム、マロンクリームを重ねていくだけでも出来てしまう形でもあります。
だから、凝っているデザインのモンを見かけると、とても嬉しくなってしまうのです。もちろん、ドーム型が悪いというわけではありません。
ケーキにも必要だ
今回の記事に載せている写真は、ほとんど自前のものですが、中には箱の中が背景のものもあります。それは、食べる時に箱の中だから。外で食べる時には、フォークやスプーンをつけてもらい、箱のまま、隠すように食べています。
お店で食べる時に、お店の姿勢を感じて「さすが。」と心の中で唸ることがあります。それは、ケーキを食べる時に、ナイフが用意されるかどうか。
ケーキなんて柔らかいから、フォークで十分なんて考えている方は、ぜひ思い直して欲しいのです。モンについて言えば、タルトやガレットなど、硬い台もあります。ナイフで食べたことがない方は、ぜひ試してみてください。格段に食べやすくなりますし、断面がキレイに見えます。
形や味など、あれこれ書いてきましたが、そんな店の姿勢も含めて、これまでに「お店で食べた」なかでの1番は、このモンかなと思っています。
これからのこと
サムネイルや、リンク記事にも使っている写真は、2年前の文化の日に行われた、地域のモンの食べ比べイベントの時のものです。稲城のケーキ屋さんのモンたちを集めて、ひたすら食べ続けました。
僕がモンが好きだと聞いた妻と友人が企画し、地域の人たちを巻き込んで開催しました。市内のケーキ屋のモンが集まった景色と、やっぱり店ごとに違う姿形に、いちばん感動していたのは僕でした。
食べ比べることもとても楽しかったのですが、人数が集まって、好きなものを楽しく食べることの幸せ感は、日頃ひとりでモンを食べているからか、とても強く感じられました。
その時の様子を書いたのがこちら。
振り返ってみると、こうして、好きなモンのことを書いたり、まだ見ぬモンを探したりすることは、夢でもありました。大人になったからこそ、ケーキを食べ続けることができているとも思います。子どもには、お菓子を控えさせているというのに・・。
反面で、体調管理なども気になる年頃になってきて、本当に美味しいモンを食べたいとも思うようになりました。
結果的に、どのモンも美味しいのですが(笑)
テレビで紹介されているようなお店にも、価値はあるし、プライドを持ってこだわっているのもわかります。でも、僕は有名なモンよりも、美味しいモンを食べたいと考えています。
モンが好きな方は多いと思いますし、この記事をここまで読み進めていただいたかたは、相当なモン好きとお見受けします。
どうか、一緒にモンブラン文化を継承していきましょう!(食べるだけですが笑)
もし出来るならば、まだまだ色んなモンを食べたいなぁと思っています。そして、こうしてモンを語ることも続けていきたいです。
モンの季節だとか、モンが好きだとか言ったり、これだけ食べていると、よく聞かれるのが、「いままで食べたモンで、1番美味しかったのは?」という質問です。
すでに、お店で食べたモンの1番を紹介しましたが、いままで食べた中では、間違いなくこれです。
僕の誕生日に食べた、手作りのモンブラン。
誰が作ったかは、・・ご想像にお任せします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
お腹は、モンブランの準備万端ですね。
さぁ、今日は、モンブラン食べましょう!
「今日も」の間違いでした(笑)
#おいしいはたのしい #至福のスイーツ #モンブラン #ケーキ #とは #自己紹介 #わたしの好きなもの #偏愛 #書くこと #スキしてみて