教科書体のファンタジー #書もつ
国語の教科書に載っている物語・・・初めて読んだときは、教科書だけに載っているものかと思っていましたが、さまざまな作品からの抜粋だったりすることを知って以来、気に入った作品は、そのもとの作品を読むこともありました。
そんなことをするあたり、本を読むことが好きだったのは小さい頃からだと、改めて実感したりします。
例えば中学生の時に読んだ「6月の蝿取り紙」。
その話が収録されていた「高円寺純情商店街」もその一つ。ねじめ正一の作品で、実在している商店街がモデルになっています。ほかのお店のことも書いてあるのかと読んでみましたが、乾物屋以外は詳しく書かれていなかったような・・。
物語なので、商店街のお店紹介という意図はなかったのでしょう(当たり前といえば、当たり前ですが)。
この作品が発売されてから、作家の方は全国各地の商店街から「うちをモデルに書いてくれ!」と手紙や問い合わせが殺到した、という逸話を読んだことがあります。確かに、名前が売れれば売り上げも見込めるわけで・・作家と商売人の意図はかなりずれていそうですが。
この投稿は、メディアパルさんの企画に参加して書きました。
#教科書で出会った物語
僕が、とても印象に残っているのは「花いっぱいになあれ」という作品です。子ぎつねが、山の中で花の種のついた風船を拾い、花を育てるというストーリーでした。
動物が主役で、言葉を駆使するというのは、いかにも幻想的です。僕は可愛くない子どもだったので「動物がニホンゴを話すのおかしい」と思って読んでいました(笑)
作品の学習を経て、僕の通う小学校で、手紙とヒマワリの種を風船につけて、学校の屋上から飛ばすことになりました。当日は土曜日だったと記憶していますが、教室で手紙を書いて、袋に入れ、風船に付けたら、一斉に飛ばしたことを思い出します。
ひと学年だけとはいえ、130人くらいの子どもたち。色とりどりの風船が空に上がるのはとても綺麗でした。
手紙には、小学校の名前と住所も掲載されていて、数日経つとその風船を拾ったという手紙が届くこともありました。
1ヶ月ほどして、僕のクラスでも「風船が届いた、という人から手紙が届きました」と先生が嬉しそうに報告してくれました。飛んで行ったのは、東京都足立区。風船を飛ばしたのは、川崎市だったので、およそ30キロ先に到達していました。
2歳の女の子からの手紙という体で、お母さんが葉書を書いてくれたものでした。風船はサンタさんの国から来たと思っている、というお母さんのメモも嬉しかったのを思い出しています。
その風船には、実は、僕の名前がついた手紙が付いていたのです。
風船で手紙を飛ばす・・きっと僕のは誰にも届かないだろうと、なぜか悲観的に見送っていましたが、そんなことはなく、しかも遠くに届いたことを知って、とても嬉しかったのを思い出します。
大人になったら、環境破壊だとかクレームだとか、そういうことに心配が及んでしまうのですが、物語とともに印象に残っている出来事でした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました! サポートは、僕だけでなく家族で喜びます!