自己啓発本と自分の小ささの狭間で苦しむ女。
今朝、長男が言った。
「俺、鼻くそ食べるのやめた」
真っ赤な嘘だ。
母は朝一、ダイニングテーブルに座り鼻の穴をほじくる息子を見た。そして収穫したブツをセッセとお口に運んでいたではないか。
家政婦はばっちりと見たんだよ!!
息子に思わず言った。
私「え、さっき食べてなかった?」
長男「はああああ?食べてないよ!」
そんなムキにならなくても。
それに何度も頬張っておったではないか!
まあ、辞めたと決めた心は素晴らしい、でも長年続けてきた「鼻くそを食べる」という習慣を変えるのは難しいだろう。
きっと今朝も条件反射で食べてしまい、食べたことにすら気が付かなかった。そんなところだろうか。
嘘はついていなかったんだな、きっと。
嘘か。
私も今朝、嘘をついた。
なんのために嘘をついたかって?
先週から約束していた知人との買い物をドタキャンするためですよ。
子どもの休みが明けた昨日、まだ疲れが取れず心が「行きたくねえ」と叫んでいた。昨日の夜にはドタキャンしようと心に決めていた。
こんな下品で死神みたいな私だが、実は結構真面目。
ドタキャンするくせに真面目を名乗るなってお怒りのお方、真面目なルーズだと思ってください。
今朝だって断りのメッセージを送る手が汗ばんで、ブルブル震えてたっけ。
昨日の夜はドタキャンの理由をどうしようかと考えて眠れなかった。「体調が悪い」とでも言って断ればいいだけなんだけど、それじゃあ嫌な奴だと思われない?全ては嫌われたくないといところに繋がるんだろう。
人にどう思われるかって、性格上やっぱり気になるのよ。
*
そして今、これを書いている最中にも別の知人からラインが来た。
「明日時間ある?」
私はこの手のメッセージが一番苦手だ。
まず内容を言え!!
「時間あるよ」と返してしまえば、どんなに行きたくないような内容でも行かなくてはならない。だって理由を聞いてから断ったら、嫌な奴だとおもわれるじゃない?
でもそういう誘い方をしてくる時は、大したことでない場合が多い。
暇だから遊ぼうとか、一人で買いもの行きたくないから付き合ってとか、そんなもんなのだ。
だから最初に「ちょっと予定あるんだ。ごめんね」と断ってしまうのである。
これなら最初から断っているわけだから問題はないのだけれど、今朝のように約束してしまってから断りたくなる場合もある。
人間だもの。
その場合は、いわゆるドタキャンというやつをしなければならない。
でもドタキャンする程の理由というのは、そう簡単には見つからない。
風邪や病気、もしくは家族や自分に何か事件が起こらないとドタキャンしてはいけない気がする。あとで嘘だとばれたらそれこそ信用問題。
それじゃあ今朝はどうやってドタキャンしたのか。
そうさ!子どもを使ったんだよ!
ちなみどうやって子ども使うのかって?
「子どもが嘔吐した」そういうだけよ。
子どもが吐くというのはほぼ何かの感染症だ。代表的なものだとノロウイルスなどの胃腸風邪がある。
どんな風邪よりもこの吐くという風邪、厄介極まりない。
子どもの場合、嘔吐用の器を枕元に置いて準備しても、もれなく布団に嘔吐する。
その為、夜勤でのゲロ処理は必然。何度も何度も吐くため親は眠れない。
嘔吐物まみれの布団やパジャマは家族間の感染を防ぐため、塩素系漂白剤や熱湯で除菌する必要があるので、夜中にその作業も待っている。
こんなに頑張って感染対策しても99パーセントの確率で家族全員に感染する。もちろん親もね。
だから子どもを持つ友人に「嘔吐した」と一言いえば「来ないで」と思うだろう。その上、ドタキャンされた友人は、ゲロ処理に追われているであろう私に同情してくれるはず。
私は気の進まない買い物に行かなくても済むし、嫌な奴だとも思われない!!!完璧ではないか。
・・・そして今、私はこのnoteを書いて凹んでいる。
こんなくだらないことを得意げに書いている自分。
アラフォーになったというのに「子どもが嘔吐した」と嘘のメールを送って、ドタキャンできたと喜んでいる自分。
悲しいかな。
そしてこれからそんな情けない自分を責めるための、1人反省会を行うんだ。
「幸せになる勇気」も「嫌われる勇気」も何度も読んだはずなのに、未だに身に付かない他人軸と自分軸。
何てハードルが高いんだ。
私はただサラッとスマートに断れる人間になりたいだけなんだよ。人にどう思われるか気にせず気楽に生きたいだけなんだよ。
だから、今日も読もう。
でも知ってる。
読んでも何も変われない自分。そんな自分にまた盛大に凹むって。
このポンコツめ!
そういえば、今までどれだけ自己啓発本をよんだだろうか。
(実際大した量じゃない(笑))
あー自己啓発本!!
あなたは知識や気付きは十分に与えてくれるけど、自分を導く力が私にはないようです。
これはもう読まないほうがいいんでしょうか。
読んだ後は前進できた錯覚に陥るけれど、実際何にも変わらない己の人生。そんな自分を責める。
自己啓発本読んでからのまさかの自己嫌悪。何かのギャグかいな!
それにね読んだとしても、この老化した脳に本の内容を記憶しておく力なんてもうない。
覚えてもおけない、その上読むことで自己肯定感も爆下がり。
え?読む意味ある?
人生をよりよくするために読んでいるつもりだったけど、実際は私を苦しめている正体が、あなた。
さようなら、自己啓発本。