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詩でも短歌でも「春」と入れたくなってしまう病

学生という立場から遠のいた今でも、学生時代の春に夢を夢見がちです。
入学、卒業、就職…
どれも夢に満ちていてキラキラしたもののように思えてしまう。
実際にはそんなことばかりじゃないんですけど…

それでは今日も20首まとめていきます。


短歌



厄介な今日は何もしないをしよう 私が幸せでいようね


  

格好いいばかりが人生じゃないから 不器用に短歌を詠むよ



モールス信号で寝かしつける夜 ーー・ー・ー・ー



わたがしのような君の頬にキスをする僕はまるで子供だった



傘閉じてふたりで雨と戯れる ここは深海 僕らは魚



自転車で先行く君が避けた道 そこにはかわいい、緑の葉っぱ



いつの日も朝と同じ位置にいる 出迎えご苦労僕のスリッパ



海辺で生まれたボウフラたちは 生きていく場所に恵まれている



海に眠る貝は空を知らない 伸ばす手もなけりゃ神もいないよ



アイシャドウパレットには家族のふりした他人が紛れ込んでいる



ここまでで10首です。
「自転車で先行く君が避けた道 そこにはかわいい、緑の葉っぱ」
は特に気に入っています。
ぐんぐん飛ばして(本当はだめだけど)走っていく君が、避けた道を私も追いかけて通ったとき、そこにかわいい葉っぱがあったという単純だけど日常のほっこりする短歌だなと我ながら満足です。
外に出るといろいろな発見がありますね。

ここから10首は連作を載せようと思います。



連作 「歌」


歌の惑星と呼ばれる星の王子と売れないバンドマンの俺


気まぐれで応募してみた交流会 当たっちまった、嘘だよな?


月で開催されるから 田舎で唯一の宇宙服屋に走る


宇宙なんて初めてだ 月観光 月グルメで検索する日々


「案外お前は肝が据わってる」バンドメンバーがそう言った


深夜2時 大声で歌う それでも許される地球代表、俺


母さんが近所に菓子折りを渡してたらしい 恥ずかしくなる、俺


王子様に失礼がないように 父さんは大事な時計をくれた


月へ行く それだけのことで今までの全てが許された気がした


時は来た 少し窮屈な宇宙服 地球が青いか見てくるよ


以上です。
初めてXに投稿した連作でした。

見ていただき、本当にありがとうございました。



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