ももんが

R5の予備試験ではたくさんの方の再現答案を参考にさせて貰いましたので、今年は私も再現答案を残しておこうと思いました。一受験生の答案として参考程度になれば幸いです。

ももんが

R5の予備試験ではたくさんの方の再現答案を参考にさせて貰いましたので、今年は私も再現答案を残しておこうと思いました。一受験生の答案として参考程度になれば幸いです。

最近の記事

R6 予備試験再現答案 民事訴訟法

第1 設問1 1 時機に後れた攻撃防御方法の却下の要件は、①時機に後れた提出であること、②故意または重過失によること、③訴訟の完結を遅延させること、である(以上、157条1項)。 2 ①時機に後れた提出であるかどうかは、一般に、攻撃防御方法の性質や訴訟の経過に照らして、より早期に提出することを期待できる客観的事情があったか否かにより判断する。もっとも、弁論準備手続(168条以下)では証拠調べも可能であり(170条2項)、争点と証拠の整理の実効性を図る観点から、弁論準備手続を経

    • R6 予備試験再現答案 商法

      第1 設問1(1) 1 甲社の分配可能額は現実には800万円であったところ、Aは甲社の分配可能額は1200万円以上あるとして1000万円で本件株式の買取りをしており、分配可能額規制(461条1項2号、156条1項)に違反する。そこで、分配可能額規制に違反した自己株式の取得の効力が問題となる。 2 この点について、461条1項が「効力を生じる日」としていることから、分配可能額規制に違反する自己株式の取得も有効であるとする見解がある。しかし、分配可能額規制に違反する自己株式の取得

      • R6 予備試験再現答案 民法

        第1 設問1(1) 1 所有権に基づく返還請求権の要件は、①原告所有と②被告占有である。 (1)本件でCは乙土地の所有権を取得しているか。本件遺言書は「相続させる」旨の遺言であるため、その効力が問題となる。  遺言者の合理的意思解釈から、「相続させる」旨の遺言(1014条2項参照)は、遺言と解すべき特段の事情がない限り、遺産分割方法の指定であり、その対象とされた者は、何らの手続も要することなく、相続の開始により、当然に目的物を承継する。  本件でも、Cは、Aの失踪宣告により、

        • R6 予備試験再現答案 刑事実務基礎

          第1 設問1 1 小問(1) (1)現場の写真撮影について  本件車両が放置された現場は、公道上であり、誰のプライバシーにも属していない場所であるから、任意捜査(刑事訴訟法197条1項本文。以下、法名省略)として実況見分を行うことができる。そして、写真撮影は、その実況見分の一環であるから、令状は不要である。 (2)チケットの押収について  本件車両は放置自動車であり、施錠もされていなかったと考えられるから、遺留物にあたるため、車両の内部にあった本件フェリーのチケットも遺留物と

          R6 予備試験再現答案 民事実務基礎

          第1 設問1(1)  所有権に基づく返還請求権としての土地明渡請求権 第2 設問1(2)  被告は、原告に対し、本件建物を収去して本件土地を明け渡せ。 第3 設問1(3) 1 原告は、本件土地を所有している。 2 被告は、本件土地上に本件建物を所有して本件土地を占有している。 第4 設問1(4) 1 原告は、Aに対し、令和2年7月1日、本件土地を賃料月額10万円、毎月末日に翌月分払いとの約定で賃貸した。 2 原告は、Aに対し、同年同日、本件賃貸借契約に基づき、本件土地を引き渡

          R6 予備試験再現答案 民事実務基礎

          R6 予備試験再現答案 労働法

          第1 設問1 1 X組合は、労働委員会に対し、Y学園が会議室を使用拒否したことが支配介入(労組法7条3号)にあたるとして、従来の取扱いで会議室を利用させる命令及びポストノーティス命令を求める救済申立て(労組法27条以下)をする。 2 支配介入の成立要件は、①使用者による、②支配介入行為、③不当労働行為意思、である。 (1)まず、教頭であるBが会議室の出入口を施錠し、X組合の会議室の使用を拒否した行為が、使用者であるY学園による行為といえるか。使用者以外の第三者による行為を使用

          R6 予備試験再現答案 労働法

          R6 予備試験再現答案 刑事訴訟法

          第1 設問1 1 事件①は強盗事件であるところ、事件②も強盗事件であり、同種の犯罪であるから、甲が事件①の犯人であるという事実は、事件②の犯人が甲であることを合理的に推認させる。このように同種の犯罪であれば、甲がまた強盗を犯したのではないかと考えることができるからである。  したがって、自然的関連性は認められる。 2 しかし、同種犯罪の立証は、被告人の犯罪性向といった実質的根拠に乏しい人格評価に陥りやすく、事実誤認を生じさせるおそれが大きい。また、争点が拡散するおそれもある。

          R6 予備試験再現答案 刑事訴訟法

          R6 予備試験再現答案 刑法

          第1  甲が、本件ケースを拾い上げて自己のズボンのポケットに入れた行為 1 上記行為について、窃盗罪(235条)が成立するか。 2(1)「他人の財物」とは、他人の占有する他人の所有物をいうところ、本件ケースにAの占有が認められるか。仮に、Aの占有が認められない場合は、占有離脱物横領罪(254条)が成立するにとどまることになる。  占有とは、財物に対する事実的支配をいい、その有無は、占有の事実と占有の意思を総合して社会通念に従い判断する。かかる判断にあたっては、①財物自体の特性

          R6 予備試験再現答案 刑法

          R6 予備試験再現答案 行政法

          第1 設問1 1 取消訴訟(行政事件訴訟法3条2項。以下、法名省略。)の原告適格を基礎付ける「法律上の利益」(9条1項)とは、当該処分により自己の権利もしくは法律上保護された利益を侵害され、または必然的に侵害されるおそれのある者をいう。そして、当該処分を定めた行政法規が、不特定多数者の具体的利益を専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず、それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解される場合には、このような利益もここにいう法律上保護され

          R6 予備試験再現答案 行政法

          R6 予備試験再現答案 憲法

          第1 (1) について 1 祭事挙行費を町内会の予算から支出することは、A町内会の「目的の範囲」(地方自治法260条の2)外として無効ではないか。 2 団体の行為が目的の範囲内かどうかは、南九州税理士事件判決や群馬司法書士事件判決の趣旨によれば、構成員の制約される権利の性質、団体加入の任意性、金額の大小などの事情を総合考慮して判断される。 3 祭事挙行費を町内会の予算から支出することは、C神社の祭事挙行のために町内可否が使われることは到底認められないと考えているD教の信者であ

          R6 予備試験再現答案 憲法